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隣くんはいつもこうだ  作者: のりまきてんてー
日常編
1/53

桜舞い散る中・・・

初めて読まれる方はこんにちは。

❇︎本作に登場する人物、設定は全て

フィクションです。特定の組織、地名に関しても

一切本作とは関わりがありません。

また、決して他の組織を貶める意図は

ございません。

ここが間違っているぞというご指摘は

ありがたく承わらせていただきます。


  唐突だが、春と言ったら皆さんは

 何を思い浮かべるだろうか?

 桜、花見、新しい環境?はたまた出会い?

 一般的に春と聞いて連想する物は、こういう

 プラスイメージの単語だろう。

 それもそのはず、巷には春に期待を持たすような

 希望的観測のような物や物言いで溢れている。

 恋や出会い等々……

 たいそうくだらない。

 天邪鬼な言い方を好む俺にとって春なんてものは

 なかった。おそらくこれからも。

 春が訪れるたびに、世間とは対極に落ち込むのだから……

  四月、それは新入生にとっては新しい学校生活が始まり、

 新社会人にとっても新しい社会生活が始まる季節である。

 俺、隣和也も多分に漏れずこの龍堂安高校に

 入学する高校1年生であり、また将棋のプロ棋士を

 目指している奨励会員でもある。

 奨励会の説明は、後述する。

俺は、今年の2月にこの高校を受験し、

 合格して入学することになった。

 だが俺は世間一般が感じているような

 新鮮な気持ちなど微塵も感じていない。

 あるのは倦怠感と焦りだけだ。

 ここだけの話、高校なんてそもそも

 行くつもりもなかった。

 母親がせめて高校だけでも行ってくれと

 泣きながら懇願されたので、しかたなく行くことにした

 だけだ。一応これでも中学では授業をしっかり

 聞いていたのでそこそこ勉強はできたのだ。

 高校レベルの勉強も、まぁそこそこ聞いていれば

 ついていけるだろう。

 といったある種の楽観した気持ちが

 俺には有った訳である。

 まぁそんなことはどうでもいい。

 俺は、回想することを意識的に止めた。

 そうして俺は、田舎とも都会とも言えない

 中途半端な街を尻目に桜吹雪の舞い散る中、

 のっぺりとした、どこかとぼけたクリーム色の校門を

 くぐった。

 ちなみにこの龍堂安高校は、東京のR市に位置し

 地元の中では割と知られている学校だったりする。

 偏差値も中間。校風もベーシックな校風。

 つまりザ・普通な高校なのである。

 外見はクリーム色でシックな感じで整えられている。

 校門内から校内に繋がる通りには鑑賞用の植物が

 植えられ、一際目立つ通りの中央辺りには

 鮮やかなソメイヨシノが人々の目を奪っていた。

 ほどなくして入学式がだだっ広い体育館で

 行われた。新入生とその保護者がソワソワと

 居心地悪そうな緊張した面持ちでパイプ椅子に

 隣り合わせて座っている。

 俺の母親は、仕事の都合により来ることは

 叶わなかったので、ある意味では気楽だった。

「桜というのは、かくもあんなに人々に愛される

 のだろうか」

 俺は退屈な入学式を紛らわすために、この命題を

 自分に課していた。結局は、桜は散るからこそ

 美しいのだという凡庸な結論に

 到達した所で入学式は終わりを遂げた。

 それからは、新たな教室で新しい担任となる

 安水なんとか先生の話を聞いていた。

 下の名前は、よく覚えていない。

  挨拶から始まり、単位についてなど

 正直眠くなるような話だったが、

 次に安水先生が言ったことに俺は

 今日一番驚かさせられることになったのだった。

「皆さんには必ず部活に

 入ってもらうことになります。

 特別な理由がない限り絶対です」

 そして、続け様にこう付け足した。

「あぁ、それから隣くん。君は、将棋部に

 入ってください。顧問の先生のご指名です」

 雷が林を貫くように俺の身を衝撃を貫いた。

 思わず反駁しようとした俺をよそに

 安水先生は淡々と他の説明事項を読み上げたので、

 すっかりその気を削がれた。

 隣り合わせた女生徒が驚いた表情を浮かべた。

 愕然とした思いがしだいに俺に襲い掛かる。

 前述したが俺は奨励会員である。

 奨励会員とは普通のアマチュアとは違い、

 将棋のプロ棋士を目指す奨励会に

 属している人を指す。

 六級から三段まで段級があり、四段になれば

 晴れてプロ棋士になる。

 ただし、厳しい年齢制限があり、

 規定の年齢までに規定の段位にならないと

 奨励会を退会しないといけない。

 突破できる者は相当限られている。

 ちなみに俺は、ニ級。

 1番下の六級でもアマチュア四段レベルの実力が

 ある。そのため、奨励会員は

 一般のアマチュアの

 将棋大会に出ることはできない。

 当然フェアじゃないからな。

 俺は、非常に強い憤りを感じた。

 部活にも入らないといけないうえに、それを

 他人に勝手に決められるということに。

  俺がこの高校に来たのも、部活動がないと

 言われていたからだ。

 部活動に入っていては将棋に打ち込む時間が

 削がれてしまう。それは自分にとっては痛手だった。

 どうやら去年までの制度だったようだ。

 将棋でいうところの「ポカ」をしてしまった。

 俺は頭を抱えた。もちろん文字通りに。

 どうすればいいのか。

 将棋のように考えれば何か手が

 思い浮かべばいいのだが。

 もちろん、考えたところでなにも解決策など

 思い浮かばなかった。

 俺はどうなるのだろう?

 視線を転じた先には、先程通った通路の桜が

 ひらひらとその身を瞬かせていた……


 



追記 2020年10月

初めて本小説を書いた2019年から1年程度経った。つい最近まで、足が遠のいていたが、

今改めて読み返すと自らの文章の稚拙さが否応なしに身に染みる。ちょくちょくこれからは

修正、加筆していこうと思う。

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