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新連載始めました。
本日、鍛冶はいい感じの爪切りが出来ました
└(՞ةڼ◔)」
「男の娘成分が足りない…」
「何言ってんの、お前」
「俺さ、男の娘に会うために男子校に来たんだ」
「え…結構マジで引いてるよ、僕」
俺――結野掘男は目の前の男の娘…になってくれたら嬉しいなぁと、俺が個人的に思っている男――桜川潤と駄弁っていた。
「潤も試しに女装してみないか?」
「いやだよ、もう死んじまえよ、お前。てか前向けって」
「休み時間だしいいだろ?」
ツンデレかよ、こいつ。
嫌いじゃないぞ、そういうの。もっとやれ。
「出来るならお前の顔を見たくない」
「惚れちゃうもんな」
「は? 違うし、そんなんじゃないし」
「それで俺が掘れちゃうもんな」
最高かよ。その妄想だけでご飯三杯はイけそうだわ。
「なんかゾクゾクするから止めろ!」
「体が欲しがっている、だと!?」
「寒気だよ、バカタレ!」
潤が俺の頭を机の上にあったノートで叩いてきた。
「おい潤!」
「な、なんだよ」
「潤はヤっていいことと、ヤってはいけないことのラインを踏み間違えたぞ…」
「だ、だってお前が変なことばっか言うから…」
俺は急に立ち上がり、怒った雰囲気を漂わせた。
すると潤にちょっと怯えが見えた。
は、ふざけんなよ。可愛すぎかよ、こいつ。
「俺の頭が叩かれるのは一向に構わん。だがな、それで潤の綺麗な御手がケガでもしたらと思うと…俺はっ、俺は心配で――」
「…は?」
「潤、なんだその冷めた目は。俺は怒っているんだぞ」
「いや、怒ってるのそこなのかよ…?」
潤は何をとぼけているのだろう。
「そこ以外にどこがあるというんだ?」
「普通、怒るなら叩いたことだろ?」
「だから潤が叩いたことを怒っているじゃないか」
「なんか、もう、いいや…お前と僕の間に会話が成立する気配がないよ…」
「ま、まさか会話じゃないものが成立することの暗示か…!?」
「ちょ、何考えてるんだよ、バカ!」
怒りで顔を赤らめながら潤は叫んだ。
ここで怒りではなく、羞恥で顔を赤らめたら満点なのだが。
まぁ、贅沢は言うまい。俺の中で補正しておこう。
「何って…別にナニも考えてないが、潤はナニを考えたんだ?」
「――っ!」
今度こそ潤は羞恥で顔を赤らめた。
うん、今日も俺の彼氏が可愛い。