1/1

ディータ

一人の少年がいた。その少年は、生まれつき命の危険に関わる障害、全てを克服してきた。分かりやすく説明すると、寂れた工場地帯でこっそり友達と遊んだ折

鋭いガラスの破片に皮膚を裂かれた。が、少年に傷はすぐに何事もなかったかのように、一人でに修復された。その時様子を目撃した友達は大変不思議がっていた。少年はその時自分が、他の人間とは違う何かなのではないかと考える。

少年は友達に今回見たことは誰にも言わないで欲しいと、頼んだ。

友達はいい奴だった。

まっすぐ少年の目を見て、わかった。自分はこの事決して人には言わないよと少年に対し誓ってくれた。

少年の名はディータ。

ディータはドイツで生まれ、

父は幼い頃に亡くし、ユダヤ人の母と暮らしてきた。

時は20世紀初頭。

後に1933年1月30日ヒトラー内閣が設立し、

ナチスによりもたらされる混乱の渦中で少年は生きていく。

死ぬことすら許されずに。