慟哭
まぁ、こんなことを思ったりもするんですよ。
要領のいい奴が憎かった
才能が憎かった
努力できる奴が妬ましかった
そんな俺は
どうしようもなかった
ガキの頃に思い浮かべた、ほんの小さな夢
馬鹿みたいな夢想
叶いっこない幻想
それを俺は今でも胸に抱き続けている
多分、逃げ道にしているんだ
成績が悪くても、俺には夢がある
誰からも好かれなくても、俺には夢がある
夢があるなら、いつか何とかなる
そんな漠然とした逃避願望
――――鏡の向こう側の俺が言う
だから逃げてるんだって
知ってるだろ?
お前は夢を語りながら逃げてるだけだって
他人を見下しながら生きてるだけだって
他人に見下されながら生きているだけだって
努力しても無駄だってば
そもそも、努力とかしてる?
狂うほど君は夢に時間を捧げたかい?
血反吐を吐くほど夢に苦悩したことがあるかい?
無いだろ?
ねぇんだろうが。
才能のある人間とお前は違うんだって
圧倒的に違うんだって
向いてないんだって、お前の夢はお前にさ
まぁ、お前は何も向いてないけどな(笑)
だから、わかってるんだろ?
そんなことしても無駄だって
ただ日常を、だらだらと過ごすことにも耐え切れなくなった脆弱者だって
そろそろ認めてもいいだろ?
じゃあ、優しく教えてやるよ
お前には才能が無い
お前には努力することもできない
お前は誰からも好かれない
お前には何も無い
ただ、生きているだけの大多数だ
さぁ、絶望しろ逃亡者
おとなしく無能を認めな
日常に埋没して、無個性に生きな
そして、無個性に死ねよ
このクズが
俺は全てを肯定する
そうだ、俺は無能だ
ああ、俺は怠け者だとも
その通り、俺は嫌われ者だとも
最後だけは否定する
けど、俺には夢がある
逃げ道にしていたときもあるけど
叶えたいという想いだけは本当だ
あの頃に誓ったこの想いだけは
嘘じゃない
だから――――――――――――そろそろ逃げるのは終わりにしよう
俺は無能だ
俺は怠け者だ
俺は嫌われ者だ
だが、それがどうした?
そんなの今更だろ(笑)
今更そんなことで、俺の夢は止まらない
才能が無いのなら、創ればいい
努力が出来ないのなら、変わればいい
嫌われているのなら、誇ればいい
夢に逃げているのなら、逃げなければいい
綺麗事だって?
理想論だって?
はっ、上等ですよ、この野郎
要領が良い奴が憎かった
才能が憎かった
努力できる奴が妬ましかった
それは認めよう
ああ、認めたさ!
認めるとも!
――――認めてやっと
どうしようもない俺は動き出す
逃げるためにじゃなくて
戦うために
相手はもちろん、この『現実』って奴
難易度はルナティック
けど、人生って奴はノーコンティニューで一度限り
絶望しそうだけど、絶望するのにはもう飽きたし
そろそろ、足の遅い希望でも背負って
俺は前を向くとしよう




