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地球

 僕らは異世界に来た。

 基本的に言葉も常識も何もかも通じない国に、いきなり放り出された。

 二足歩行するトカゲや犬やネコの兵士達に捕まり、ブサイクな大魔導師とその仲間達部下達に取り調べを受けていた。

 そんな途方に暮れる僕らの前に連れてこられたのは、イタリア語を話せる銀髪碧眼の女の子。

 一瞬、やっと話が通じるかと思った。

 が、僕らはイタリア語を話せない、という事実を思い出し、ぬか喜びに脱力してしまった。



 そう、最初はぬか喜びかと思った。

 でもそうじゃなかった。

 非常に困難ではあったけど、どうにか僅かであっても、話が通じたんだ。

 僕が右手に持つイタリアのガイドブックの一つ、『旅のイタリア語』という本のおかげで。

 早速、姉ちゃんのイライラソワソワを解決することができた。

 僕の問題も。


「あれ、あれよ!」


 気を取り直して立ち上がった姉ちゃんは、必死の形相でエルフさんの一人が持つガイドブックを指さす。

 指されたエルフはチラリとリーダーを見て、小さく頷いたのを確認してから、本を姉ちゃんに手渡した。

 ひったくるように手にした姉が大急ぎでページを開いて指し示した。

 そこには『Gabinettoトイレ』『Ho tempo per andare in bagno?(トイレに行く時間はありますか?)』等の言葉。

 ああ、納得。

 そして今さらながら、僕もトイレに行きたいということを思い出してしまった。


 少し目をパチクリしてた女の子は、「Oh」という風に声を上げて、ちょっと頬を染めて後ろの人達に説明してくれた。

 そして全員が納得したように頷く。

 リーダーのエルフさんが支配者層らしき四人の内、唯一女性である赤いドレスの金髪女性に声をかける。

 その女性は、面倒くさそうにフゥ……と息を吐いて肩をすくめる。

 でもとにかく、何人かのヒゲ面な人達と共に姉ちゃんを外へ連れていってくれた。

 話が通じたんだ!


「ぼ、僕も僕もっ!」


 手を上げて必死に僕も同じ文章を指さす。

 すると、僕の方には男の子とイヌ頭の部下達がついて来てくれた。

 た、助かった。今のうちに行っとかないと、次はいつ行けるんだかわかりゃしない。


 もうすっかりと暗い。

 あちこちの家屋には灯りが灯り、窓から光が漏れてくる。

 ガラス窓ではなく、木枠に木の板を貼り付けたような窓で、木の板の隙間からゆらゆらと揺れるような光が漏れていた。

 魔法のライトじゃなくて、暖炉の火かな。

 やっぱり町の灯りが極めて少ないせいだろう。真っ暗な闇の中、満天の星空が広がってる。

 僅かな光に照らされるのは森と山の黒々としたシルエット、足下の石畳。その横を走る水路……水音はそこら中からしてる。水路があちこちにあるらしい。


「星の位置から現在地を割り出せ……ないだろうなぁ。

 地球の星座なんかないだろうから」


 そう呟きながらも空を見上げてると、あった。

 北斗七星が。


「……え?」


 足を止めて、しっかりと星を見上げてみる。

 確かにひしゃくの形をした星座がある。

 ひしゃくの縁を五倍くらいに伸ばせば、ちゃんと北極星らしき星もあった。


「え……え、ええ、えええっ!?」


 ビックリして大声を上げたので、周りの人達も仰天してる。

 でも、僕はそんなことを気にしていられない。

 地球の、しかも北半球の星座である北斗七星と北極星があるなんて!?

 僕は星座には詳しくないけど、それでも北斗七星くらい分かる。見間違いなんかじゃない。

 地球の星座が見える、ならここは地球ということになる……ここが地球!?

 でも、タイムスリップなはずがない。

 過去なら彼らの文明の痕跡や化石が残る、未来なら21世紀文明の痕跡や言い伝えが残らないはずがない。

 でも地球の星座が見える。


「ん、んなバカな!?

 偶然? 偶然、同じような星座が見えるだけ?

 いや、でも、まさか、こんなにソックリなのに……」


 驚きのあまり立ち尽くしていると、後ろからツンツンと突かれた。

 振り返ると、イヌ頭の人が後ろから軽く押してくる。

 早くトイレ済ませろ、と言いたいらしい。


「あ、ご、ごめんなさい」


 慌てて頭を下げて歩き出す。

 星座のことは重要だけど、とにかく今は目の前のことに集中した方が良い。

 落ち着いてから、じっくり考えよう。


 イヌ頭の兵士達は、前後に松明をかかげて足下を照らす。

 男の子は僕の真後ろを歩いてくる。

 歩いているのは土と砂利の道。石の街道は、テント前を通る一本しか敷かれていないらしい。

 それでも雑草の無い道を通って町はずれに来れば、目の前には小さな掘っ立て小屋みたいなのが並んでる。

 その一番端、奥の小屋の近くには、さっきのドレスの女性とヒゲのオッサン達が退屈そうにあくびしていた。

 この掘っ立て小屋がトイレなのか。


 先頭で松明を握ってたイヌ頭が、クイッとアゴを振る。

 トイレを使え、ということか。

 後ろの男の子に振り返ると、手をシッシッとでも言いたげに振った。

 うーん、僕は小さい方だったから、森の中で立ちションでも良かったんだけど。

 つか、この真っ暗な中で、あのボロい小屋に入って、済ますのか……?

 暗くて見えないが、あの臭いが漂ってくる。

 どうやら、生まれて初めてみるけど、ボットン便所というか汲み取り式らしい。

 えっと……紙は……姉ちゃん、ポケットティッシュ持ってたかな?


 うう、ともかく、しょうがない。

 成り行きとはいえ、ここまで来てしまった。

 そして、考えたくはないんだけど、今後もこのトイレを使わないといけないこともあるだろう。

 少し気合いを入れて、トイレの扉を開けた。





 というわけで、ようやく落ち着いた。

 テントに帰ってきて、改めてこの人達との話に集中出来る。

 隣にいる姉ちゃんは、スッキリしつつも渋い顔。

 黙り込んだまま椅子に座り、頭を抱えてうつむいてる。


「どうしたんだよ。

 とにかくトイレ行けたんだから、よかったじゃん」

「良くないわよ!

 あんな真っ暗で、虫が飛んでて、臭いも酷くて、下を見たら……。

 あーっ! 考えたくない思い出したくない!」

「……紙は?」

「ティッシュ持ってたわよ! 没収されてないわよっ!」


 真っ暗な夜にボットン便所。

 昔の怪談話にしか聞かないようなシチュエーション。

 そんな物を強制的に体験させられた現代日本人の姉ちゃんは、しばらく立ち直れなさそうなショックを受けてる。

 しょうがないので、僕が話を続けることにした。

 意を決してテントの真ん中へ進み出る。


 話し相手になってくれるのは、長い銀髪でソバカスのある青い眼の女の子。

 僕らの荷物が広げられた机を前にして、周りを沢山の人間以外の種族に囲まれてる。

 うう、圧迫感も凄い。

 が、ここでビビッてたら命がヤバイとすら思える。しっかりしないと。

 女の子も、大きく息を吸って気合いを入れたようだ。

 そして、右手で自分の胸に手を置いた。


「Paola」

「え?」

「Mi chiamo Paola」

「み、みー、きあも……ぱおら。

 あ、ああ! 君の名前は、パオラってことか!」

「Si! Mi chiamo Paola!

 Ah...eo...Posso avere il suo nome?」

「えと、えと……もしかして、僕の名前を聞いてるのかな?」


 急いでイタリア語会話本を開き、挨拶や自己紹介のページをめくる。

 すると、確かに今のが「私の名前はパオラです。あなたの名前を教えて下さい」という意味だと分かった。

 あ、そういえば、自分の名前すら伝えることが出来てなかった。いや、尋ねられてたんだろうけど、分からなかったんだ。


「僕の名前は、金三原裕太です。

 あと、ええと、ミィ……キアモ、かなみはら、ゆうた」

「Kana...mi,ara...?」

「カナミハラ、ユウタ」

「Kana...mihara Yuta?」

「そう、そうそう!

 ユータ、カナミハラユータです!

 えーっとえと、ぼ、ぼんじゅーるの。

 それで、あと、後ろにいるのは姉のキョウコ。

 金三原京子。

 えーっと、カナミハラ、キョウコ。

 僕の姉で、えっと、姉は……ソレッラマッジョーレか」


 テントの隅でいまだに落ち込んでる姉を指さし、必死で巻末の和伊辞書をひき、どうにか名前を名乗ることが出来た。

 姉ちゃんも僕に名前を呼ばれて、ようやく顔を上げて手を振る。

 どうにか僕らの名前を伝えることが出来た! ああ、やった……達成感とともに、ドッと疲れが出た。

 たかが名乗るだけで、半日かかったのかよ……という疲労感に襲われる。

 今後の苦労が思いやられるよ、まったく。


 さて、とにかく気を取り直そう。先は長いんだから。

 話しを続けようとガイドブックを手にした僕の前には、同じように何かの本と丸めた羊皮紙を机の上に置いてる銀髪の女の子。

 僕はごく平均的な身長体重だけど、それより少し背が低い。多分、160cmくらい。

 ほっそりしてて、ちょっと日に焼けてるソバカスの女の子……むむ、なかなかの美少女。

 その子はこめかみに人差し指をあてながら首を捻る。

 少し考え込んでから、非常にゆっくりハッキリとした言葉で話しかけてきた。


「Di dove è Lei? Palatino?」

「え、ええと?」


 もちろんイタリア語なんて聞き取れない。

 というか、この子もなんか話しにくそうにしてる。

 どうやら生粋のイタリア人というわけじゃないんだ。でも少しだけイタリア語が話せるんだな。

 ちょっと困った様子の女の子は、机の上に置いていた本を手にし、僕に差し出す。

 それは紙で出来た本。見た目は中世の古書という雰囲気だけど、別に汚れても破れてもいない。

 開けて見れば、ザラザラでゴワゴワな厚めの紙に、印刷された文字が並んでる。

 中世の製本技術を使って最近印刷された、という感じ。


 文字を自分のガイドブックと比べてみれば、やっぱりだ。その本にはイタリア語の単語が並んでたんだ。

 もちろん内容は分からない。ガイドブック程度の単語量じゃ、内容を理解できるほどじゃないや。

 首を横に振りながら本を閉じる。首を横に振るのは僕らと同じく『否定』の意味らしいことは、今までの様子から感じ取っていた。

 東欧のどこぞの国では『Yes』という意味で首を横に振るらしいけど、そんなことはなかったようだ。


 ちょっとがっかりした様子の女の子は、次は丸めていた羊皮紙を机の上に広げる。

 そしてさっきと同じく「Di dove è Lei? Palatino?」という言葉を繰り返した。

 だが、その言葉は僕の耳を右から左に通り過ぎた。

 何故なら、羊皮紙の上に描かれていたものに、目が釘付けになったからだ。

 思わず息を呑み、絶句してしまう。


「これは……!?」


 ここがどこなのか、分かった。

 僕らがどこへ迷い込んだのか、分かってしまった。

 なぜ地球と同じ星座が、北斗七星が見えたかも。

 そりゃ、僕だって一度はそれを想像したり夢みてみたりしたことはある。

 けど、まさか、実際に自分が巻き込まれるなんて、思いもしなかった。

 そして、実際に起きてみたら、シャレじゃ済まない事態だった。


 思わずよろけ、あとずさり、後ろに立っていたドレスの女性にぶつかってしまう。

 普段ならすぐに謝ったり、コッソリと巨乳の感触を楽しんだかもしれない。

 だけど、今はもう、どうでもいい。

 そんなことはどうでもいい。

 最悪だ。

 まさか、こんなことが起こるだなんて!


「な……何よ、一体、何が描かれてるの?」


 どうやら僕の様子を不審に感じたらしい姉ちゃんが、ようやく立ち上がって隣に来ていた。

 僕が見ている羊皮紙を見つめ、目をパチクリしている。


「あら、これってイタリアの地図じゃない。

 これがどうしたの?」


 そう、それはイタリア半島の地図。

 羊皮紙の上にインクで描かれていたのは、長靴の形をしたイタリア半島だ。

 各所に丸や線が引かれ、イタリア語の単語が書き込まれた、イタリアの地図。

 それを見てキョトンとする姉ちゃんを、僕は信じられないという目で見つめる。


「ど、どうしたのって……。

 姉ちゃん、これの意味が分かんないの!?」

「意味って、えっと、その子はイタリア語を話して、イタリアの地図を持ってる……ということは、あ、その子はイタリア人ってことじゃないの!」

「す、少なくともイタリアに関係のある人ってことだけど、でも、そうじゃないんだ!

 それが、イタリア人じゃないことが問題なんだ!

 大問題なんだよ!」

「え……ど、どういうことよ?

 ていうか、まさか、ここがイタリアってこと?

 やだ、いつの間に連れてこられたのよ!?」

「だー! イタリアなんかじゃないよ!

 どう見ても地球じゃない場所で、地球の星座が見えて、イタリアに関係ありそうな物があるって、どういうことか、わかるでしょ!?」

「わ、分かんないわよ!

 ちゃんと説明しなさいよ!

 ていうか、もう、分かりたくないわっ!」

「そうはいかないよっ!

 まさかこんな……最悪だっ!」

「最悪なのはこっちよ!

 あーもう、クソ暑い真夏に歩き回らされて汗くさいし、髪はボサボサだし、お腹減ったし、日焼けしすぎてヒリヒリするし……」

「そ、そんなのはどうでもいいんだよ!

 なんてことだ、僕らは、とんでもない場所に来ちゃったんだ!」


 そう叫びながらも、僕は他のガイドブックを手にして表紙をめくる。

 表紙の裏にあるのは、何枚もの折り込み地図。

 そのガイドブックはヨーロッパ全土を紹介する分厚い物で、折り込まれた地図もヨーロッパ全域をカバーしてる。

 その中の一枚、ヨーロッパの中心を描いた地図を羊皮紙の横に広げた。

 周囲の人達全員に見えるよう机に置き、その上で自分の足下を、地面を指さす。

 そしてガイドブック片手に叫んだ。


「コゼー、クエスト!?」


 それは、『これは何ですか?』という意味。

 キョトンとした女の子と、周りの人々。僕はもう一度、強く地面を指さしドンドンと右足を踏みならしながら、「コゼー、クエスト!?」と叫ぶ

 周りの人達は少し話しをしてから、パオラと名乗った女の子を見る。

 パオラさんは、僕に向けてハッキリと答えた。


「Genevra」


 僕の耳にはジュネヴラと聞こえた。

 パオラさんは別の羊皮紙を持ってきて机に広げる。

 それはヨーロッパ全域が描かれた羊皮紙だ。細い指が、地図の中央を指さしてる。

 ヨーロッパの中心、アルプス山脈西方、スイスにあたる場所。

 そこにはGenevraという文字が書き込まれてる。


 だが、僕が指さすガイドブックの方の文字は、Genève。

 かなり近いつづり。読みはジュネーブ。

 そしてどちらの地図でも、スイス西方にある東西に細長い湖の西を示していた。

 僕らが昼前までいたのは、ジュネーブだ。スイス第二の都市。


「んじゃ、こっちは!?」


 隣にある湖を指し示せば、パオラさんは同じように答えてくれた。


「Lemannus」


 レマンヌス、と聞こえる。

 でも僕の地図では『 Lac Léman』と書いてある。

 それはレマン湖、ジュネーブの東にある湖の名前。

 やっぱり、単語の中でlemanという綴りが共通してた。

 後ろで見ていた姉ちゃんが、眉をしかめて頭を抱え出す。


「な、なに?

 何なのよ、これ。

 まさか、ここがヨーロッパのどこかだっての?

 一体、どんなド田舎だってのよ!?」


 姉ちゃんは、まだここが地球で、ヨーロッパのどこかである可能性を考えてる。

 でも、僕は気付いてしまった。分かってしまった。

 地球であるはずがないのに、地球と同じ特徴を持つこの世界の意味を。

 ジュネーブと同じ場所を指さしてるのに、この地にはスイス第二都市ジュネーブのビルも道路も、痕跡すらもない理由を。


 ここは間違いなく地球だ。

 でもタイムスリップじゃない。過去でも未来でもない。

 彼らの化石や文明の跡が残ってない以上、ここは過去じゃない。

 数億年先の未来でもない。コンクリートやアスファルトやプラスチック製品が完全に崩れ去り土へ戻るなんて考えにくい。

 つか、21世紀文明の痕跡すら完全に消えるほどの未来じゃ、大陸の移動でヨーロッパの形すらも変わってしまうだろう。

 でもヨーロッパはヨーロッパの姿そのままだった。

 彼らは高度な文明を持ってるのに、21世紀文明の産物を全く知らなかった。

 そもそも、そんなに時代や種族や文化がずれたら、地名も言語も完全に変わってしまう。なのに地名や言語は共通点が多かった。

 これらを説明できるのは、ただ一つ。


「姉ちゃん……良く聞いて。

 僕らは、間違いなく、今もヨーロッパのど真ん中、スイスのジュネーブにいる。

 ただし別世界、パラレルワールドのヨーロッパだ!」

「……は?

 ぱら……なんですって?」

「パラレルワールド、平行宇宙だよ」

「……平行四辺形だかなんだか知らないけど、それは、あたしたちが腹ペコで寝る場所も無くてシャワーも浴びれない、ということより重要だっての?」

「じゅ、重要だよ、重要すぎるよ!」


 僕をバカにするように、額に手を当てて頭を左右に振る姉ちゃん。

 この姉にとっては、僕らがどこにいるかより、衣食住の方が重要なのだ。

 いやまあ、それも重要っつか、僕らが今どこにいようと空きっ腹で野宿だけは避けたいのも本当。

 第一、SFとかに興味のない姉には、いきなりパラレルワールドなんて受け入れきれないのかも。

 けど僕にとっては、これからの僕らにとっては、これも極めて重要な問題なんだ。

 姉ちゃんが耳を貸すかは、もう気にしていられない。止まらない思考が口から溢れ出してしまう。


「ここは、別次元の世界だ、パラレルワールドなんだ。

 僕らを飲み込んだ、あの黒い穴は、次元の扉……ワームホールなのか……?

 なんてこった、僕らは別次元に、パラレルワールドに来ちゃったんだ!」


 SFの小説や映画でよくある次元の扉、遠く離れた異なる場所を繋げる空間の歪み、ワームホール。

 宇宙のどこかに存在するかもしれない、とは聞いたことがある。

 でもまさか、それが目の前に現れて、しかも僕らを飲み込むなんてことが、実際にあり得るとは思わなかった。

 でも、起きてしまった。

 無限に低いはずの可能性が、有り得ないはずのコトが、起きてしまったんだ。


かくして、彼らは次元の彼方へ飛ばされてしまった。


言語も種族も文明も、何もかも異なる世界。


果たして彼らは生き残れるのか?



次回、第二章『パラレルワールド』、第一話


『異世界交流』


2011年3月4日01:00投稿予定

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