主要人物紹介
主要人物紹介。
物語は大きく動き、登場人物も増えて参りました。
この辺で主要人物紹介を挟もうと思います。
①金三原裕太
この物語の主人公、語り部。
15歳の男子高校生、地球の日本では中肉中背、黒髪黒目。本人の主観的時間経過からいうと16歳になっている。
中学時代はマンガやアニメにのめり込んで、必殺技や魔法をコッソリ試していたのを姉に見られ、以来中二病とからかわれていた。
一貫して幽霊部員。高校では初めての海外旅行のためバイトに精を出す。
家族でヨーロッパ旅行中に魔界へ転移した。最初は落ち込んでいたけど、今は色々と頑張ってる。
②金三原京子
裕太の姉、19歳。
外見は典型的日本人女性。身長はユータとほぼ同じ。茶髪に染めていたが、今では逆プリン状態。自称、美人・才女・出来る女・etc。ユータから見ても美人な方、ということにしとかないと蹴られる。
国立大学に現役合格し、これから彼氏も見つけて勝ち組人生を……という矢先に魔界へ転移してしまった。
厄介事は弟に押しつけ、美味しい所は自分が頂く性格。
③ジークリンデ(Sieglinde)
通称リィン。インターラーケンに暮らす妖精族の女性。19歳、独身。
妖精族の体格は日本人小学生の高学年くらいで、ほっそりしている。背中に持つ蝶の羽は七色の光を放つ。
黄色の瞳、肩まである赤毛はちょっとクルクルと巻いてウェーブがかかってる。
インターラーケンの庁舎でメイドをしていたが、高額の給金と異邦人への好奇心から裕太と京子の世話役に手を上げた。
基本的に田舎暮らしのお姉さん。さほど難しいことは考えず、上品な生活もしていない。
他人の恋人に横恋慕してふられたばかり。
④デンホルム(Denholm)
エルフが古くから暮らす北の大陸ダルリアダ出身のエルフ。耳が髪の中からピンと高くつきだしてるのはエルフの特徴。
年は見た目は二十歳くらい。緑の長い髪、切れ長の目に赤い瞳。顔にゴツゴツしたところが無く、ちょっと女性的な外見。
エルフの軍師集団『円卓会議』入りを目指し研修と遍歴を重ねていた。その過程で、皇国で使用される神聖言語であるイタリア語も学んでいたため、裕太達の通訳兼教師として任じられた。
エルフの特徴である話が長い・回りくどい・やたら細かい・人を見下すような目つきをする等の特徴も当然備えてる。
独身。もてない。
⑤ルヴァン=ダルリアダ(Luvan=Dalriada)
魔王第二子で次兄。
面長で、黒眼鏡をかけ、魔力ラインが展開する青黒い髪を長く垂らした男。
エルフの住む北の大陸、魔界北西の海に浮かぶダルリアダを統治し、キュリア・レジスという名の都市を築いた。
もともと頭が良く、エルフを束ねて学術を発展させた。キュリア・レジスでの様々な研究の結果を記録しているのが巨大図書館兼博物館、セント・パンクラス。
ダルリアダは地球のイギリス、キュリア・レジスはロンドン、セント・パンクラスは大英図書館に相当する。
裕太達の時空転移の原因の一つである、重力魔法実験を行っていた。地球の物理化学にも大きな関心を抱いているため、裕太達を厚遇している。
純粋なエルフ程ではないが、同じく話が長い、説教好き、まわりくどい。だが耳は人間とほぼ同じ程度の長さ。
いつもクイクイと眼鏡をなおしてる。
⑥フェティダ(Foetida)
魔王第三子で長女。
赤い瞳、巨乳の美女。長い金髪が優雅なカールを描き、足もすらりと長い。
ドワーフ族を支配する。が、ドワーフ族は各職種ごとに分かれた技能集団であり、明確な領地は持たず各地に鉱山や工房を有している。このため子々孫々へと継がれるべき領地は無く、ゆえに領地名も名に付けられてはいない。
魔力ラインは首から胸元にかけて広がる。
普段は長女として、ドワーフ族の長として公私にわたり指導力を発揮する。だが酒に弱く、酒癖も悪く、人格が変わるほど。
いまだ独身。真摯な交際も政略結婚も幾度と無くあったが、寝所を共にした瞬間に全ての男が逃げ出す。それが何故なのか、男達は青ざめたまま語ろうとしない。
⑦オグル(Ogre)
魔王第十一子。
人間より小さく、ずんぐりむっくりしている。青く光る目はれぼったいまぶたで上半分を塞がれている。唇は薄く青白く、鼻は大きく横に膨れている。顔の各所に緑のコブのような物が多数付いている。背中は丸く盛り上がり、酷い猫背。手足は短く太い、腹も丸く膨れてる。
裕太いわく、「簡単に言うと、ブサイク。肉の塊みたいなヤツ」
魔力ラインは眼。
ブルークゼーレ銀行頭取。ブルークゼーレとは魔界北方の遠浅な海を埋め立てた土地のこと。皇国から逃亡し流浪の民となったゴブリンのために魔王が埋め立て、街を建設した。
オグル自身は領主ではなく頭取に就任し、地位はあくまでブルークゼーレの一市民でしかない。ゆえに領地は持たず、ブルークゼーレの名を有していない。
⑧トゥーン=インターラーケン(Thun=Interlaken)
魔王第十二子、末っ子。リア、クレメンタイン、パオラの三人を妃とする。
地球ではスイスに相当するインターラーケンの領主であり、セドルン要塞司令官でもある。領民は妖精族。
外見は人間の少年、中学生程度。黒目黒髪で、短い髪がピンピンと立っている。
昨年領主になったばかりで、山深いド田舎の領地を発展させようと頑張っていた。だが突如奇襲をかけてきた皇国により城も街も完全に破壊され、今はジュネヴラを新首都として再建を進めている。
昨年、諜報ついでに現在の第三妃であるパオラを皇国へ送り返すため皇国へ潜入。その際にインターラーケン奇襲作戦を察知し、これを阻止すべく単身突撃をかけて侵攻を阻むことに成功した。
力の源である魔力ラインは両手足。
ちなみに魔王一族については家族法はまだ無く、一族が共通して信仰する宗教も教義も無いため、何も制定されていない。そのため妻の人数も定められていない。
⑨リア
本名Liselotte、通称リア。妖精族出身で、トゥーンの第一夫人。金髪ショートヘアで碧眼。
トゥーンの幼なじみであり、インターラーケン城の侍従長も務めている。
魔王城であるル・グラン・トリアノンで子供の頃から侍従をしていた。トゥーンと仲が良かったので、彼の拝領時にインターラーケン城侍従長に就任した。
甘ったるいしゃべり方をする。
⑩クレメンタイン(Clementine)
ダルリアダ出身のエルフ。トゥーンの第二婦人。長身、白い髪をおかっぱにしている。釣り目の眼鏡を着用。
セント・パンクラスの学芸員出身で、参謀役として派遣されたのが表向き。実際には王子の歓心を買い、あわよくば王妃となって魔王の威光を借りエルフの権勢を増すという政略のため送り込まれた。
ショタコン。最初から子供っぽい外見のトゥーンが好み。今もメロメロでハァハァ。
⑪パオラ(Paola)
インターラーケン南方のアベニン半島を支配する神聖フォルノーヴォ皇国の少女。実家は山奥の羊飼い。現在はトゥーンの第三婦人。
長い銀髪、ソバカスのある頬、青い瞳。身長はトゥーンとほぼ同じ。
元はオルタ湖のサン・ジューリオ島にあるマテル・エクレジェ女子修道院所属の修道女。
修道院の生活に飽きたので、登山する騎士達の道案内を買って出たはいいが、遭難してインターラーケンに迷い込んだのが馴れ初め。
彼女がイタリア語を話せたのは、皇国の教会で使用する神聖言語がイタリア語を語源とするため。現在ではイタリア語は教会の聖典でしか使用されないため、教会や神学校に通わないと本格的には学べない。
デンホルムは皇国の情報解析の一環として皇国の神聖言語たるイタリア語を修学していた。そのためイタリアのガイドブックを介してユータ達と会話できた。
⑫魔王
魔界を支配する王。
元は人間族。アンクのエネルギー源たる魔力炉開発実験で強大な魔力を得た。だが研究所を破壊して他の実験体を救出、ダルリアダ大陸へ亡命する。
救出した実験体の生き残りが、現在の魔王十二子。
皇国の侵攻に恐怖し混乱する魔界を救うべく、エルフと共に魔界統一と対皇国共同戦線構築へ動いた。
実のところ現実的な平和主義者であり、魔界の完全支配は望んでいない。魔王が人間族も含めた各種族の間に入ることで無駄な争いを減らすため、魔王を務めている。
荒っぽいことは嫌い。群雄割拠の各魔族を、話し合いと事業でまとめあげた。道路・橋梁・運河・港湾・上下水道等の整備といった各種公共事業の基礎工事を担当する。
今はインターラーケン戦役で引き取った魔力炉の子供達を世話することに没頭させられて、政務を滞らせてしまっている。
次回、第十一章『魔王城』第一話
『魔力炉の子供達』
2011年7月19日00:00投稿予定