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とんでもないやつら

 話は時空転移時まで遡る。


 次元回廊実験に関わった者達は、その多くが半ば事故により魔界から地球へ転移してしまった。

 最初は帰るつもりだった姉も、巻き込まれたシルヴァーナ達も、どうにかして魔界に戻り最後の戦いに加わることを望んだ。

 子供達は泣き叫んで、魔界に帰せと闇雲に喚き続ける。


 金三原夫妻は、京子から半日がかりで説明を受け、どうにか何が起きたかを理解出来た。

 信じがたい話ではあった。が、どう見ても人間ではないゴブリン族や、旅行用品ばかり担いでいたはずの京子が担ぐ信じがたい財宝をみて、信じるしかなかった。

 それにその場所はジュネヴラ郊外、CERN近くでありLHCの真上。SFが趣味の父はむしろ食いつくかのような勢いで話にのめり込む。



 で、困ったのは今後のこと。

 時はもう夕方。

 これだけの人数が、戦闘服を着込んだ子供たちや少女の花嫁という珍妙にすぎる格好でうろついては、おまけに人間でない者までいては、目立つにもほどがある。

 彼らは転移してきてすぐ大慌てで畑の中に逃げ込んだが、これからどうすればよいのだろうか。

 魔界へ帰るにはどうするか。


 それまでずっと黙って考え込み、手は様々に印を組んだりしつつ、周囲を確かめていたルヴァン。

 長い説明が終わって夫妻が理解し納得したのを確かめてから、やおら立ち上がる。

 そしてはっきりと言った。


「あそこへ行きましょう」


 第二王子がまっすぐに見つめたのは、CERN。

 黒メガネを外して建物を眺める彼の目は、明らかに期待と興奮で満ちている。


 瞬間、京子は理解した。

 なぜにルヴァンは戦争を差し置いて実験に没頭したか。

 爆弾が降り注ぐなかでも実験を中止しなかったのはどうしてか。

 わざわざ京子を連れて、アンク操作を部下に任せてまで、京子と共に魔法陣内へ足を踏み入れたのは。


 つまり、王子自身が地球へ転移したかった。

 遥かに進んだ自然科学を学ぶため。

 魔界もエルフも何もかも放り出し、研究を選んだ。


 王子の真の目的に呆れ果てたが、ともかく魔界へ戻る方法だ。

 そして王子の目的を京子は利用することにした。最も早く魔界へ帰る方法、即ち最大限短絡的かつ最悪の方法を実現するために。

 その方法に魔界の一同は同意。

 彼女は、彼らは、本当にとんでもない連中だった。

 父母は、もう、あまりの事態に茫然自失として止める気も起きない。


 彼らはCERNへ向かう。





 CERNの研究棟は大騒ぎだった。

 LHCが誤作動を起こし、最大出力で稼働してしまったから。

 全情報は世界中に散らばるコンピューターで分散管理している。当然この実験結果も送信解析済み、隠蔽は不可能。

 もちろんマスコミ発表は避けられず、「誤作動のふりをして、本来は許可されない危険な実験を実行したのではないか」「ブラックホールが発生したら」などの批判が来るのは避けられない。

 おまけに理論上はありえないはずの奇怪な観測結果が大量に得られ、その整理とマスコミ対応に管理者たちは頭を悩ませていた。

 でも周辺の関連施設は平和なものだった。

 その時までは。


 どう考えても場違いな格好で、仮装大会でもやらないというセンスで歩いてくる子供の集団。

 それを連れている大人たちはといえば、研究施設に似つかわしくない日本人貧乏旅行者と、変なローブを着た背の高い男達。そして着ぐるみ連中。

 当然、警備員が飛んでくる。


 だが侵入者達も飛んだ。

 飛んで逃げる、という比喩表現ではなく、本当に宙に浮いた。

 おかしな特殊メイクをした連中も、日本人旅行者らしき夫婦を小脇に抱えて、施設奥へと飛行する。

 警備員達は、自分達が働きすぎて疲れているものだと確信したかった。が、監視カメラにも同様の映像は映っていた。



「……まさか、地球で魔法がツカえたってのか!?」


 説明を受ける裕太が驚愕の叫びをあげる。

 皇帝の後を追う彼らは、道中に京子からの説明を受けている。

 音を拾い臭いを追うフランコ大使の後を追う魔王達と子供達は、銃器を肩から提げたままで追い続ける。

 魔王は裕太に背負われ、一緒に話を聞いている。ただ、異世界たる地球の話であるため、あまり理解はできていないようだ。

 拳銃を両手で握り銃口を地面に向けたままで走る姉は、得意げに説明を続ける。


「この実験のために作られた、新型宝玉のおかげよ。

 あれは抗魔結界に触れても作動するよう、宝玉内部にのみ術式が書き込まれてるの。

 だから地球の大気にも宝玉内部の術式と魔力は触れずにすんだってわけ。

 そして魔力そのものじゃなくて、体内や宝玉内で運動エネルギーとかに変換して放出すれば、問題なく地球でも魔法が動くわけよ」


 彼の横を走るシルヴァーナが、ベルトのバックルを開いて中を見せる。

 そこには『浮遊』の術式が内部に書き込まれた宝玉がはまっていた。

 確かに今回の実験に当たり、子供たちは抗魔結界に接触しても使える宝玉を数多く持たされている。


「あれ?

 でも、地球の空気をスったら体内の魔力がケされてしまうのに……」

「それは、今のあんたと同じよ。

 あんただって定期的にカルシウムのサプリ食べて、体内に抗魔結界を薄く維持してるでしょ。

 同じように、空気を吸っただけでは全ての魔力や術式が消えるってわけじゃなかったの」

「え? あ、あー! そういえば!」

「そしてルヴァン様やガキンチョ達の魔力はケタはずれよ。魔道師達も。次元回廊実験で消費した後でも相当残ってたそうなの。

 魔力が消されて蓄積量が一桁下がっても、まだ並み以上の魔力が残ってたの。そして宝玉を使えば魔法は発動できる。『肉体強化』も、普段より出力は劣るけど、どうにか発動で来たわ。

 CERNの中央管理施設の一つに空から突入し、中にいる研究者ごと占拠できるくらい、ね」


 ウィンクしながら、とんでもないことを語る姉。

 世界を揺るがす大事件になったことは疑いない。

 皇帝を抱える勇者達が駆け抜けたであろう道を走る彼ら。そんな中でも姉は、青ざめる弟へ説明を、というかテロ行為を話す。





 わけのわからない集団に占拠された管理棟。

 白衣の研究者や駆けつけた警備員や逃げようとした事務員が、まとめて捕まった。

 最初は見学の子供達がふざけて乱入してきたのかと思って油断したため、軒並みさしたる抵抗もできなかった。


 目の前の老ゴブリンを主としたエルフ・ドワーフ・ワーキャット・ワーウルフ等の異形の者達を見た人々は、「普通にスキーマスクで顔を隠せばいいのに、なんでこいつら特殊メイクまでしてくるんだ……?」と、手を上げつつも呆れる。

 最初は環境テロかアフリカの少年兵か新興宗教か、と思った学者学生職員。

 だが超能力かのような力で炎や風を生み空を飛ぶ、よく見たら特殊メイクじゃなくて本物の毛並みと緑の皮膚、ということに仰天する。

 世界各国が協力する研究施設だけあって、日本人研究者も何人かいた。彼らを通訳として京子から全ての事情が伝えられた。

 また、魔界語はフランス語を基礎として英語・ドイツ語等の言葉が混じり合って構成されている。よって手間暇はかかったものの、他の者達も英語圏仏語圏の人々と意思疎通は基本レベルなら少しずつ可能となった。

 研究者達は唖然とし、疑い、果てしなく興味を引かれる。

 なおかつ、もちろん研究施設のPCはインターネットにつながっている。それを使って京子が持ち帰った一年分の魔界の映像が、全世界にばらまかれた。

 ほんの数時間で、アクセスが殺到しダウンするサーバーが世界で同時多発。



 余談だが、動画投稿サイトで最大の再生数とコメント数を獲得したのは、裕太が撮影したジュネヴラやルテティアの混浴公衆浴場入浴生着替え。

 彼はたっぷり風呂屋で撮影していた。頼んで色んなポーズもとってもらってたり。

 京子は慌てて急いでいたため、弟の秘蔵エロ動画も混じっているのに気付かず、そのまま全部まとめてネットに流してしまった。

 特にサキュバス達の艶めかしく美しい裸体は全世界の男を虜にした。もちろん運営の削除など間に合わない速度でコピー増殖していく。

 魔王へと転生した裕太の勇姿に憧れる者、結局魔界と皇国の限定戦争の行方はどうなったんだと手に汗握る者、新たなフロンティアに野望を抱く者、妖精達に劣情を燃やす少数派の日陰者、必死に細工や加工の痕跡を探す者。

 また映像の最後、美しき新婦達との結婚式を見た裕太の学友達は、「もげろ」「爆発しろ」「裏切り者」等の親愛に満ちた祝福の言葉を贈ったとか。

 反応は実に様々。



 それはともかく、各国の動き。

 もちろんCERNがあるスイスとフランスは、どんな事情があろうがテロ行為なんて許すわけにはいかない。

 即座に特殊部隊がCERNへ駆けつけ、警備員達を押しのけて、占拠された管理棟を包囲する。

 世論が「異世界からの客人を受け入れよう、落ち着いて話をしよう」なんて方向に行くかどうかも分からないうちに管理棟へ突入した。


 突入したのは、フランスの対テロ特殊部隊である国家憲兵隊介入部隊、通称GIGN。

 彼らは 1994年のエールフランス8969便ハイジャック事件を解決したことでも知られる、フランスが誇る精鋭部隊。

 欧州経済危機のあおりを受けて支持率が下がるフランス大統領は、テロ解決の功績をもって次の選挙に勝利すべく、独断で突入を指示した。

 国境をまたいでCERNが存在するスイス側の意向も確認せず、突撃指令は下された。

 部隊はアフガンでも実戦を経験した、まさに戦闘機械と言うべき兵士たち。どんなテロリストであっても、最新鋭の重火器を所持し厳しい訓練と戦火をくぐりぬけた彼らには太刀打ちできなかったろう。

 人質達も自由と身の安全のため、制圧に最大限協力したろう。

 フランス政府の独断専行も速やかなテロ制圧をもって英断と評価されたことだろう。

 単なるテロリストだったなら。


 政府も部隊の上層も、異世界だのなんだのを全然信じなかった。

 テロを行ったのは、変な仮装をした連中と少年兵達、というくらいにしか考えなかった。どこかの新興宗教か、と。

 その子供達が超能力に等しい力を持っているなんて思わなかった。地球の大気により力は低下したが、『肉体強化』を使って大人をも上回るパワーとスピードを発揮しているとかではなく、何かのトリックを使っていると。

 流布された動画は手の込んだCGだろう、と。

 もちろん異世界から持ち込まれる未知の病原菌や毒物への警戒なんてしてない。

 それは常識的な判断ではある。少なくとも一般的に非難されるべき発想ではない。

 ただ、その常識が通じない事象が発生していただけ。心眼だの神の目だのを持つわけでもないのに、これを見抜けなかったと責めるのは酷に過ぎるかもしれない。



 突入した隊員達の前に立ったのは、多くが子供達。

 戦場では誘拐され脅されて兵にされた少年も、洗脳された少女の自爆要員も珍しくない。だからといって銃口を向けるに良心の呵責がないわけもない。

 まだ誰も殺していないし、たどたどしくも協力してくれと涙ながらに訴えている。

 子供達を殺せば悪役になるのは特殊部隊と突入を命じた大統領。なので「子供は可能な限り殺すな」という隊員の手足を縛るような命令までついてくる。

 引き金を引くのをためらってしまう。

 それを天才的頭脳を持つルヴァンが迎撃指揮する。

 人質の学者達からして、特殊部隊の進路を塞ぎ銃口を遮り「待て待て、慌てるな、落ち着いて話を聞け」と邪魔する始末。

 ちなみにノリに乗った父は、とっくの昔にルヴァン達に協力している。この男、いい年こいて立派な中二病だった。


 結果、GIGN隊員達は逆に全員捕まってしまった。

 装備は全て奪われた。指揮車両も兵員輸送車両もまとめて。

 それが現在、彼らが所持している装備。

 フランス大統領はNATOやEUも無視してのスタンドプレーと大敗北に、ありとあらゆる方面から弾劾を受け、窮地に陥った。

 が、そんなことはフランス国内の内輪もめに過ぎない。

 事態は歴史的大事件へと発展していく。



 有名な外人部隊まで繰り出したフランス軍と、スイスをはじめとする各国軍の包囲。

 睨み合いが続く中、管理棟内ではとうの昔に虜囚の戒めを解かれた科学者たちが動いていた。

 テロリストに脅されてしょうがないんですよホント困ったもんで……なんて笑顔で言い訳しながら、ルヴァン達が所持していた品々の分析を進める。

 世界中にばらまかれた全データも各地各分野で解析され、それがCGでもなんでもなく本物の映像だと保証される。

 施設内の医療職者達が異種族の検査を担当し、本物の生物だと確認する。感染症の危険から包囲する全軍へ、近寄るな、ありったけの医薬品を持ってこい、と警告する。

 京子は、いまだにウェディングドレスを着たままのシルヴァーナやゴブリン達と共に建物を出て、呼びつけたマスコミを前に事情説明と重ねての協力を要請。

 シルヴァーナは「夫を助けてください!」と下手な英語と日本語で叫ぶ……幼な妻を手に入れた次元の彼方の日本人少年に、故郷の「正しい倫理観」とやらを持つご婦人ご老人方は、青少年健全育成法だのなんだのとヒステリックに叫ぶ。

 もちろん異世界の異種族異文明に日本の法律や倫理や人間の生物学的常識など及ばないし、どうでもいい話なので無視された。



 結果、京子達の言葉が正しいと認められた。

 異世界の存在は実証され、人類が長きにわたって探し求めたエイリアンとの接触に、偶発的ながら成功したのだ。

 LHC暴走時に得られた奇怪なデータの数々、それは物理学と量子力学を飛躍的に発展させる未発見の素粒子と現象を示すものだと推測される。

 ジュネーヴには各国特殊部隊と政治家とマスコミと野次馬のみならず、異世界に帰るなら自分も連れて行け……という人々までもがCERNへ押し寄せる。

 WHOや各国厚生省も動く。異世界から未知の感染症や有毒物質が拡散するのを防ぐべく、対テロ包囲に加えて最大レベルの防疫態勢も敷かれる。

 そんな桁外れの包囲の外側では出店が並び、様々な主張内容のデモ隊が行進し、あらゆる主義主張利害謀略が衝突する。

 もはやテロ現場や異界からの汚染地域というよりお祭り会場。

 ちなみに掴まった特殊部隊隊員達は、とっくの昔に解放されていたのだが、今度は厳重な隔離施設に放り込まれて各種感染症を検査されていた。


 異世界からの侵略者を打倒せよ、と叫ぶ某大国の主席指導者。

 妖精の星祭を見て、萌えぇ~、とか呟く東の国の若者。

 いつものように神の啓示も何もなく、前代未聞の事態にどう発言発表すればよいのか分からない宗教家達。皇国の神と魔法が生み出した事態なのに。

 ゴブリンやワーウルフの毛をよこせ採血させろ遺伝子サンプルが必要だ、と主張する製薬会社や医療研究機関。

 ニュース番組では、テロを許すなと語る評論家と真偽を確かめようとする科学者が激論し続ける。

 そのインパクト、文明開化に揺れる幕末日本どころの騒ぎではない。

 CERN内部からは京子達が揺れる全世界に向け、魔界に帰りたいので手を貸してほしい、と訴え続けた。



 ルヴァンは学者研究者達と(表向きは脅迫で)協力し、ビーコンに魔力を注入し魔界へ情報を送信すべく実験に入った。

 各宝玉に秘められた魔力を、地球の物質に触れて魔力が失われないよう、真空の実験室内でビーコンへ移すという作業を。 

 そのころ父と子供達は、捕えられたお調子者の警備員から、火器の扱いをレクチャーされていたりする。



「……その警備員って、もしかして、後ろの?」

「当たり。

 アルトゥールさんよ」


 彼らの後方には、レミントンM870ショットガンを肩から提げて357口径マグナム・リボルバーを手にする迷彩服のラテン系な男が走っている。

 お調子者は、ここまでついてきていた。

 ちなみに彼は薄汚れた帽子を被っている。それが元々はフランス外人部隊の象徴であるケピ・ブラン(白色のケピ帽)であることは、裕太は知らなかった。



 実験は成功。

 ビーコンは復活し、CERN実験施設内で撮影された映像は魔界へ送られた。

 それを見た裕太は最後の魔力をほとんどアンクへ注入し、イーディスはアンクを操作し、次元回廊魔法陣は稼働。

 回廊は、再び地球へ通じたのだ。

 ただし時間軸はずれた。魔界では今ようやく夕方になったくらいだが、地球ではすでに一週間以上経過していた。

 その間、子供達は所持していた魔界の非常食と水だけを口にし、抗魔結界濃度が増して魔力が消失するのを最小限に抑え続けた。


 京子と子供たちは、ついに魔界へと戻った。

 子供たちを放ってはおけぬとスナイパーライフルを抱えた父も、家族が行くならしょうがないと母も、こりゃ面白そうだとお調子者のラテン系警備員アルトゥールまでも一緒に。



 そして、彼らは到着した。

 廃墟と化したジュネヴラへ。


次回、第三十一章第六話


『対峙』


2012年6月13日00:00投稿予定

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