第11話 思い出と約束
朝起きると、枕元に置いていたぬいぐるみが目に入った。
机に置こうかなって思ったけど、なんとなく枕元に置いておいた。
なんだかその方が心地よかった。
気がついたらぬいぐるみをモフモフしていた。
少し時間をつぶしてから準備を始めた。
スマホを見るとさきちゃんからLINEが来ていた。
「今日も一緒に行こ~」
スタンプで「りょ~かい」と送って、準備を続けた。
さきちゃんの家に着くと、今日も外で待っていてくれた。
「あ、まいちゃん。おはよ~」
「おはよ。お待たせ」
そう言って、学校へ歩き始めた。
さきちゃんはニヤニヤしながら口を開いた。
「そういえば、昨日のぬいぐるみどこに置いた?」
「枕元に置いたよ?」
なんでそんなこと聞くんだろう。
「近くだと安心したんだ。ふーん、そっか~」
さきちゃんは一人で頷くと、また聞いてきた。
「プリクラはどこか貼った?」
「スマホケースの裏に入れたよ」
「見せて見せて~」
さきちゃんに言われてスマホを見せた。
「あれ?裏返しに入れてるんだ?」
「な、なんとなく......」
「ふーん」
学校に着くまで、さきちゃんはニヤニヤしていた。
今日のさきちゃん、どうしたんだろう......
午前中の授業は久しぶりに集中できた気がする。
気がつくと、しゅんくんの背中を見ていた気がするけど......
お昼のチャイムが鳴った。
教科書を片付けていると、さきちゃんが来た。
「お昼~。机準備しちゃおっか」
さきちゃんが机を移動していると、しゅんくんたちもやってきた。
「やっとまいちゃんのお菓子食べられる」
しゅんくんは楽しそうに言った。
私はくすぐったくなりながら頷いた。
みんなで机を移動して、囲むように座った。
少しして、さきちゃんが口を開いた。
「ゴールデンウィークで行きたいところ、考えてきた?」
「ゲーセン!」
しゅんくんが即答した。
「いつも行ってるだろ。谷は他にないのか?俺はショッピングモールあたりかな」
鈴木くんが呆れながら言った。
「うーん......なら遊園地?」
しゅんくんは少し考えて言った。
斎藤くんは「どこでも楽しめるから任せる」と言った。
遊園地か......
しゅんくんとなら楽しそうだな。
そう思っていると、さきちゃんが話を振ってきた。
「まいちゃんはどこかある?」
「私も遊園地がいいかな......」
「ふむふむ」
さきちゃんは頷くと、私に顔を近づけて小声で言った。
「昨日、ショッピングモールかカフェがいいって言ってたけど、いいの?」
「遊園地の方が楽しそうだし......」
「しゅんくんがいるもんね」
ドキッとした。
さきちゃんはクスクス笑っていた。
すると、しゅんくんが聞いてきた。
「どうかした?」
私が答えられないでいると、代わりにさきちゃんが答えた。
「なんでもないよ~。それより場所決めちゃお~」
「今のところショッピングモールか遊園地だっけ?」
鈴木くんが確認してくれた。
「そうだね。みんなは空いてる日って2日以上ある?私は空いてるよ」
「俺は全部空いてる」
しゅんくんは当然って顔に書いてあった。
みんなも空いてると答えた。
「それじゃ、ゴールデンウィークの1日目にショッピングモールで、3日目に遊園地でどう?」
さきちゃんの言葉にみんな「いいよ」と頷いた。
2回もしゅんくんと遊べるんだ。
楽しみだな......
そんな話をしていると、みんなお弁当を食べ終わった。
「まいちゃん。今日のお菓子は?」
しゅんくんに尻尾があったら、いっぱい振ってそうだなと想像した。
頬が緩みながら、お菓子を渡した。
「あ、今日のは昨日のにチョコ挟んでるんだ!」
そう言うと、しゅんくんは嬉しそうに頬張った。
いつも「おいしい」って言ってくれて嬉しいな。
今日のお菓子も甘く感じた。




