閑話 チョコサンドラングドシャ
いつもより心臓がうるさいまま、しゅんくんたちとゲームセンターで解散した。
帰り道、さきちゃんが口を開いた。
「今日は楽しかったね~。まいちゃんはどうだった?」
「うん、楽しかったよ」
気がついたら声が弾んでいた。
「思い出もいっぱいできちゃったもんね」
さきちゃんは笑顔で言った。
しゅんくんに犬のぬいぐるみ取ってもらっちゃったし、
プリクラも撮っちゃったしね......
すっごい楽しかったな......
さっきのことなのに、思い出すとまたドキドキしていた。
「ゴールデンウィークも思い出できるといいね。まいちゃんは行きたいところある?」
どこだと楽しいかな......
「ショッピングモールかカフェ、かな......?」
「あ、いいね。明日お昼に話し合おっか」
するとさきちゃんは少し考えてから、ニヤニヤしながら言った。
「ゴールデンウィークは谷口くんと2人で行きたいところはある?」
「な、なんでしゅんくんと2人で......?」
顔が熱くなっているのがわかった。
「まいちゃんは谷口くんと2人でどこか行きたい?」
さきちゃんはまだニヤニヤしながら確認するように言った。
「別に私は......」
気がついたら小声で答えていた。
「そっか。もし行きたいなら手伝ってあげるね」
さきちゃんは笑顔で言った。
そんな会話をしていると、さきちゃんの家に着いた。
「それじゃ、また明日ね」
さきちゃんは手を振りながら家に入っていった。
私も手を振り返して家に向かった。
家に着くまで、何度もしゅんくんと2人で遊びに行くならって想像して、
そのたびに胸が熱くなっていた。
家に着いて一段落すると、キッチンに立った。
3日連続で同じお菓子は飽きちゃうもんね......
冷蔵庫を開けると、この前作ったラングドシャがまだいっぱい残っていた。
味変できそうなのないかな......
冷蔵庫を探すと、板チョコがまだ残っていた。
せっかくだし溶かしてサンドしようかな。
私は冷蔵庫からラングドシャとチョコを取り出して、湯煎の準備をした。
お湯を温めているとスマホからLINEの通知が聞こえた。
グループでさきちゃんが「明日のお昼にGWで行きたいとこ話そ~」って言っていた。
私はスタンプで「りょ~かい」と送って、スマホを閉じた。
その間も、しゅんくんと2人で遊びに行くならって想像していた。
さきちゃんはみんなで遊びに行くのを言ってるのに......
切り替えようとチョコを細かく切った。
大きすぎると溶かすのに時間かかっちゃうんだよね......
切っている間も、さっきのことを思い出しては顔が熱くなっていた。
集中しないと危ないのに......
なんとか切り終える頃には、お湯も温まっていた。
大きめのボウルにお湯を入れて、小さいボウルに刻んだチョコを入れ、湯煎にかけた。
なんだか集中できてないな......
お湯、入らないようにしないと......
しばらくすると、チョコが溶けきっていた。
気がついたら息が漏れていた。
溶けたチョコをラングドシャに塗って、もう一枚でサンドした。
何回か繰り返してから、冷蔵庫に入れた。
片付けも一段落して、部屋に戻った。
バッグから、しゅんくんが取ってくれた犬のぬいぐるみと
今日撮ったプリクラを取り出した。
このプリクラ、スマホケースに挟もうかな......
私はスマホケースの間に裏向きに入れた。
なんだか、ぬいぐるみに見られているみたいでくすぐったかった。




