第8話 約束とLINE
午後の授業はなんだか長かった気がする。
しゅんくんの背中を見ながら、明日ゲームセンターで何して遊ぶんだろうと胸を躍らせていた。
最近授業に集中できてない気がするな......
しゅんくんに聞いたら教えてくれたりしないかな......
そんなことを考えていたら放課後になっていた。
私は帰る準備をしながらさきちゃんにLINEを送った。
「今日は一緒に帰れるよ 昇降口集合でいい?」
すぐに返信が来た。
「うん 先に待ってるね~」
私は少し急いで準備を終えた。
教室を出る前に、しゅんくんたちの方に向かった。
「しゅんくん、また、明日......」
今日は私から言えた。
「あ、まいちゃん!また明日!」
しゅんくんも返してくれた。
少し俯きながら、手を小さく振って教室を出た。
視界の端ではしゅんくんが手を大きく振っていた。
昇降口に着くと、さきちゃんが先にいた。
「お待たせ」
「そこまで待ってないよ。何かいいことあった?」
さきちゃんは私の顔をじっと見ながら言ってきた。
「何もなかったと思うよ......?」
「ふ~ん。それじゃ、帰ろっか」
さきちゃんは納得いってなさそうに言いながら歩き始めた。
「谷口くんとLINE交換できてよかったね」
「え......?」
急にしゅんくんの名前が出て、上手く答えられなかった。
「う、うん。これで色々お話しできるもんね......」
気が付いたらあやふやな言葉になっていた。
「さっき喜んでたのはこれじゃなかったか......」
さきちゃんは小声で何か言っていた。
「帰ったらLINEするの?」
あ、そっか。考えてなかったな......
「これからもよろしく、とか......?」
「お昼にしてたんだから他のにしたら?まいちゃんが谷口くんに話したいことないの?」
私がしゅんくんに?何かあるかな......
考えているうちにさきちゃんの家に着いてしまった。
「また明日!なにか困ったことあれば何でも聞いてね」
「うん、ありがとう。また明日」
私はそう言って家に向かった。
家に着いても答えは出なかった。
リビングでしゅんくんとのトーク画面を開きながら、また考えていた。
お菓子のことは、しばらく同じの持っていくって言ってるし......
「好きなドラマある?」とか?
急に好きなこと聞いたら変な子って思われないかな......?
それとも明日のゲームセンターのこと話せばいいのかな......?
「しゅんくんはクレーンゲーム上手なの?」とか「しゅんくんはプリクラ撮ったことある?」とか?
遠くで秒針の音が聞こえていた。
気が付いたら夕日が射しこんでいた。
こんなに考えても思いつかないな......
自分に呆れていると、トーク画面にメッセージが来た。
「明日のゲーセン楽しみだな!いっぱい楽しもう!」
少しだけ胸が温かくなっていた。
「うん 楽しみだね」
頬が緩みながら返信した。
今、気が付いたけど、LINEって開きっぱなしだと既読すぐ付いちゃうね......?
しゅんくんびっくりしてないかな......?
明日のわくわくと少しの不安を考えているうちに夜が更けていった。




