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旅仲間

「よかったら一緒にこないか?」

雨も止み、朝日が出てきて、出発の準備をしている俺たちに、真面目な顔つきでセイトは言ってきた。

「いやぁ、やっぱりこの森をエナちゃん1人で行くっていうのも心配でな…昨日寝る前に2人と話したんだ」

頭をぽりぽりと掻きながらセイトが言う。

その言葉にセイナも大きく頷く。


ありがたい話だが、やっぱり人間はまだ信用できない。

今は使い魔だと信じてくれているが、もしローブの奴らに遭遇したら…


エナは…思いがけない提案に、どうしたらいいのかとモジモジとしている。

「エナ、どうしたい?」

俺はエナの目を見て聞く

「エナちゃん!一緒にいこ!」

セイナの声が背中を押したのか

「うん。みんなと…もう少しいたい…かも」

そうだよな。

ずっと2人で過ごしてきた俺にはわかる。きっとエナは少し自分を変えようと頑張っている

「よし!じゃあしばらくはこのメンバーで一緒にいるってことで!!」

「やったー!」

この兄妹はすっかり俺たちを気に入ってくれたみたいだな。

「バルブもいいよな?」

バルブは1人で荷物の整理をしていたが、手を止めて

「僕は賛成ですよ」

照れ屋なのかな。最初は2人の代わりに前に出て話していたのに、朝になったら急によそよそしくなった。

思春期ですなぁ。


3人はこの森にギガントスズメのハチミツを取りに来ていたと、道中の話で聞いた。

「簡単に取れるのに、結構報酬もいいんだぜ!」

「美容にもいいって、街ではすぐに売り切れるんだよ〜!」

へぇー。ギガントって名前が気になるが、ハチミツを取るくらいなら俺らも手伝えるか。

この兄妹が話してくれるおかげで、旅は退屈しないな。


「あの、僕1つ気になっていたんですが…」

俺たちの後ろを歩いていたバルブが言う。

「エナさんの髪の毛って白色で珍しいなぁ…って」

バルブの声に兄妹2人も振り返る

「「私も「俺も思ってた!」」

さすが兄妹。いいハモリです。


やっぱり髪の毛のこと言われたか。

「髪の毛は…生まれつきで…」

エナがボソボソと話す。まだ人見知り継続中か…慣れるまで相当時間かかるな、これわ。

「白色ってやっぱり珍しいのか?」

「珍しいよー!白は魔女の血が濃い!って噂も…」

セイナがセイトに頭を叩かれる。

「あ。ごめんね。エナが魔女って言ってるわけじゃなくて!」

妹が間違ったことをしたら叱る。

いい兄貴じゃねえか。俺はお前を見直したよセイト。

「いや!私は気にしてないので!」

「ごめんな。こいつ空気読めないっていつも言われてて…許してやって」

「空気が読めないって言われてるのは私じゃないもん!」

「はいはい。わかったからもうお前は喋るな」

セイナがセイトに突っかかるが、セイトが頭を軽く叩いてあしらってる。

明るいセイナ、面倒見がいいセイト、常識あるバルブ

いいバランスなんだろうなぁ。この3人組


「ふふ」

2人の会話を聞いて、エナが笑った。

エナの顔を見て皆んなが驚く

「かわいい!今の笑顔!見た!?可愛すぎるでしょ!反則だよそれ!はい。もう皆んな恋に落ちました」

「お前うるさい」

エナの笑顔を見て興奮気味のセイナの口をセイトが塞ぐ。

少し耳が赤くなっているのは、照れているのだろう。

うんうん。エナの笑顔は殺人級だからな。


「バルブー!可愛かったよね今の笑顔〜」

バルブに助けを求めるように、後ろにいたバルブの所に来る。

「僕は後ろにいたから…見てみたかったです」

少年よ。お前にはエナの笑顔はまだ早い。

兄のセイトが照れてこっちを向かなくなるくらいだ。

お前が見たらイチコロだ。

「ふふ、ファスト、コロコロ顔が変わって変だよ?」

エナに顔を見られていた。

恥ずかしい。

俺のエナの中のかっこいいイメージが壊れるじゃないか。


「そうか?楽しいなって思ってな…」

「ししし、私も同じこと思ってた。さすがだね」

久しぶりに聞いた、エナの変な笑い声。

これはまだ俺だけに向けられた笑顔だな。


この世界に来て、黒猫に転生したからには、

人間とは仲良くなれないと思ってた。

(エナも人間だが・・・別として…)

人間の中にも色んな奴がいるもんな…


本当のことを今は言えないけど、

黒猫のことを嵌めた奴を見つけて、世界の大きな誤解が解けたら、ちゃんと仲間として冒険してみたかったり‥思ってたりする。


こんなこと考えてるって、

恥ずかしくてエナにも言えないけどな!

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