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Tの終焉

作者:速水アオイ
最新エピソード掲載日:2026/02/03
「探偵小説」は、本質的に「欠陥」を含んでいる。
 ここで言う「欠陥」とは、「探偵小説」が探偵小説たるために不可欠であるにも拘らず、それの真の完成を最後の時点で決定的に阻む「躓きの石」としても機能するという意味で、非常に逆説的な一要素のことを指している。そしてその所謂「アポリア」の淵源は、結局のところ、「探偵小説」が「モノローグ」でしかありえないというところにこそ求められる。「探偵」が情報を集め、推理を進め、徐々に謎を解き明かし、最後にようやくたどり着くはずの「真相」は、実際には「探偵」が情報を集めるより前から既に「作者」(≠語り手/現実に生きて、動いている人物としての作者)によって作中に内蔵されていなければならない。つまり「探偵」は一見どれだけ活躍しているように見えようとも、結局敷かれたレールの上を行ったり来たりしているだけにすぎず、だからこそ「探偵小説」はその系列の正統な嫡子であることを目指す限り、実際には超越的な立場に安住し、高みの見物を決め込む「作者」渾身の、自己満足的に脚色された「事件の報告書」にしかなり得ない。要するに、そういうことだ。
 だから翻って考えれば、今ここに語り出されようとしている「物語」は、「探偵小説」に対する「絶対的な《他者》」たることこそが求められている。「探偵小説」としてある限り、決して逃れることのできないくだんの「アポリア」をいかにして超克するか、そのことについて答え=実践がこの「物語」なのである。
 とは言え、広大な電脳空間上の一スペースをお借りしたうえでただ単に「探偵小説」がどうたらこうたらとかいう極めてニッチすぎる「お喋り」にのみ延々終始するのは、どう考えてもそれ自体があまりに自己満足的に過ぎている。それゆえ「物語」に仮託する形で為された試論、及びそれにより得られたわずかばかりの知見は、ゆくゆくはより大きな問題へと敷衍されていかなければならない。つまり概括すれば、ある種の普遍的な「出口なし」状況(≒閉塞、八方ふさがり、袋小路、牢獄、etc.)からの脱却、それが本「物語」の真の眼目である。……お分かり、いただけただろうか……?

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エピソード 101 ~ 167 を表示中
9月24日⑬
2025/12/02 23:26
9月24日⑭
2025/12/03 22:48
9月24日⑮
2025/12/05 01:03
9月24日⑯
2025/12/05 23:30
9月24日⑰
2025/12/06 22:31
突入①
2025/12/07 22:30
突入②
2025/12/08 23:27
突入③
2025/12/09 23:40
突入④
2025/12/10 23:20
突入⑤
2025/12/12 04:55
突入⑥
2025/12/12 23:33
突入⑦
2025/12/14 01:19
突入⑧
2025/12/14 23:40
突入⑨
2025/12/15 23:45
突入⑩
2025/12/16 23:44
突入⑪
2025/12/18 00:02
突入⑫
2025/12/19 00:08
突入⑬
2025/12/19 23:25
突入⑭
2025/12/21 01:34
手記①
2025/12/21 23:31
手記②
2025/12/22 23:14
手記③
2025/12/23 23:31
手記④
2025/12/24 22:43
手記⑤
2025/12/25 23:06
手記⑥
2025/12/26 22:58
手記⑦
2025/12/27 23:09
9月24日⑱
2025/12/29 00:14
9月24日⑲
2025/12/29 23:58
9月24日⑳
2025/12/30 23:19
手記⑧
2025/12/31 21:34
手記⑨
2025/12/31 21:34
手記⑩
2025/12/31 21:34
9月24日㉑
2026/01/01 00:09
9月24日㉒
2026/01/01 23:20
「図書室」にて③
2026/01/04 23:23
接触Ⅲ①
2026/01/05 23:10
接触Ⅲ②
2026/01/06 23:21
接触Ⅲ③
2026/01/07 22:46
9月24日㉓
2026/01/09 04:13
9月24日㉔
2026/01/09 22:57
9月24日㉕
2026/01/10 23:38
9月24日㉖
2026/01/11 23:48
9月24日㉗
2026/01/12 23:05
9月24日㉘
2026/01/13 23:50
9月24日㉙
2026/01/15 03:56
9月24日㉚
2026/01/15 23:41
9月24日㉛
2026/01/17 05:51
9月24日㉜
2026/01/18 03:10
9月24日㉝
2026/01/19 01:04
9月24日㉞
2026/01/20 03:57
9月24日㉟
2026/01/20 23:37
9月24日㊱
2026/01/22 03:33
9月24日㊲
2026/01/22 23:32
9月24日㊳
2026/01/23 23:50
9月24日㊴
2026/01/25 00:55
9月24日㊵
2026/01/25 23:47
9月24日㊶
2026/01/27 00:20
9月24日㊷
2026/01/28 00:04
9月24日㊸
2026/01/28 23:41
9月24日㊹
2026/01/30 03:56
「車内」にて①
2026/01/30 23:54
「車内」にて②
2026/02/01 00:58
「車内」にて③
2026/02/02 00:35
「車内」にて④
2026/02/02 23:55
「車内」にて⑤
2026/02/03 23:18
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