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プロローグ

拝啓 何年後かの自分へ。


 この手紙を読んでいるあなたは、どこで何をしているのでしょう。卒業する部長たちの提案で、未来の自分たちに手紙を書くことになりました。十六の僕には誰にも話せない、悩みの種があるのです。未来の自分に宛てて書く手紙なら、きっと素直に打ち明けられるだろうと思い、恥ずかしくも筆を執っています。

今、負けそうで、泣きそうで、消えてしまいそうな僕は、生徒たちの恥ずかしい話や、卑猥な話、ゲスな話を集めつつ、依頼を解決する部活動に入っています。本当に恥ずかしいし、泣きそうだし、消えてしまいたいです。時には、保健室のベットの下、時には、体育館倉庫の跳び箱の中、時には、音楽室のピアノの中。常に、他人のケツを追っかけている状態です。

「噂話のドロドロした部分にこそ、青春が宿るんだよ」と部長。「俺が幸せになるまで、誰も幸せになってほしくない」と嘆く先輩。「とりあえず仕事すれば」とぼやく先輩その2。誰の言葉を信じ歩けばいいのでしょうか。ひとつしかないこの身体が、ゴシップをばらされた生徒や先生によって、何度もばらばらにされそうになって、苦しい中で今を生きています。

                                          敬具  服部 源蔵


追伸 先輩方、どうせこの手紙を、勝手に読んでいるんでしょう。この手紙は十秒後に爆発します。くたばれ、馬鹿ども。


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