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小骨が喉に刺さったまま  作者: ユガミヒト
1章「消えたスイーツのレシピ」
7/10

第7話

レシピを手にしたエイルとシャルは、すぐにロイドに報告するためにカフェ・フローラに戻った。カフェに入ると、ロイドがカウンターの奥で忙しそうにコーヒーを淹れていた。いつも穏やかな彼の表情は、レシピが消えた件で少し曇っているように見えた。


「マスターさん、ちょっと良いですか?」

エイルが優しく声をかけると、ロイドはゆっくりと顔を上げた。


「おや、君たちか。」

ロイドは二人に気づき、微笑みを浮かべたが、その笑顔にはどこか心配の色が残っていた。


「何か進展があったのかな?」


エイルは頷き、持っていたレシピの紙をロイドに見せた。

「これ、マスターさんのレシピじゃないですか?」


その瞬間、ロイドの顔がパッと明るくなった。

「これは…間違いない!私のレシピだ!」


彼はすぐにレシピを手に取り、内容を確認した。

「ありがとう、エイルくん!一体どこにあったんだい?」


「実は、カフェの外のゴミ箱に混じっていたんです。」

エイルは微笑みながら説明した。


「誰かが間違って他の紙と一緒に捨ててしまったみたいですね。」


ロイドは少し驚いた顔をしたが、すぐにほっとした表情に戻った。

「そうか、誰かが悪意を持って盗んだわけじゃなくて、単なるミスだったんだね。いやぁ、良かった。本当に良かったよ。」


シャルも嬉しそうにロイドを見つめた。

「これでマスターさんの新しいスイーツもまた作れますね!」


「そうだね……。」

ロイドは深く息をつき、安堵の表情を浮かべた。


「週替りの新作を楽しみにしてくれているお客様に、また喜んでもらえるよ。本当にありがとう、二人とも。」


「いえいえ、これも仕事ですから。」

エイルは軽く肩をすくめて微笑んだ。


ロイドは感謝の気持ちを込めて、二人に向けてコーヒーを淹れ始めた。

「こんなことしかできないけれど、お礼に美味しいコーヒーを振る舞わせてくれ。」


「やった!ありがとうございます!」

シャルは嬉しそうに手を叩いた。


カフェの常連客たちも、レシピが見つかったことに安堵した様子で、エイルたちに感謝の言葉を送っていた。

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