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小骨が喉に刺さったまま  作者: ユガミヒト
1章「消えたスイーツのレシピ」
1/10

第1話

推理ジャンルですが、ミステリですので……。

一応のご注意を。

朝の光が探偵事務所の窓から差し込む。エイルは自分のデスクに向かい、膝の上に白猫のミスティを乗せながら今までの調査メモを整理していた。白髪の三つ編みが軽く揺れる中、彼は静かに考え込んでいた。


「おはようございます、先輩!」

黒髪ボブの助手が元気よく普段通りの明るい笑顔で事務所の扉を開けて入ってきた。


「おはよう、シャル。」

エイルが顔を上げると、彼の目にはやる気満々のシャルの姿が映った。


「今日も一日、張り切っていきましょう!」


「にゃ〜」


その時、事務所のドアが軽くノックされた。シャルが駆け寄り、ドアを開けると、そこには中年の男性が立っていた。彼の顔には困惑と焦りが入り混じっている。


「おはようございます。エイル探偵事務所さんでしょうか?」

男性は震える声で尋ねた。


「はい、そうです。どうされましたか?」

エイルが立ち上がり、男性を迎え入れた。


「実は、カフェ・フローラという店で、スイーツのレシピが消えてしまったんです。」

男性は肩を落としながら誘導されるままにソファへと腰掛け、説明を続けた。


「あのレシピはとても大事なもので、どうしても取り戻さなければなりません。」


エイルの隣に座ったシャルが興味津々の顔で質問した。

「そのスイーツはどんなものですか?それに、レシピが消えたというのは、具体的にどういう状況ですか?」


男性はホッとしたように深呼吸し、説明を始めた。「カフェ・フローラは町の人気カフェで、私も常連客です。あの店の週変わりパフェは、私の一番の楽しみなんです。ところが、最近になってそのスイーツのレシピが突然消えてしまって、新作が作られなくなってしまったんです。マスターも困っていて、どうしていいか分からない様子でした。」


「なるほど。」

エイルは腕を組んで考え込みながら言った。


「それで、どのようにしてレシピが消えたのか、何か心当たりはありそうですか?」


男性は頭を振りながら答えた。

「心当たりも全くないようです。レシピは普段、マスターが持ち歩いていますから……。依頼料は私が出しますので、どうかよろしく頼みます。」


「分かりました、ではこちらの書類にサインを……。」


「……っと、これで大丈夫ですか?」

男性が書類にサインをする。


「はい、依頼をお受けいたします。」

エイルは男性に頭を下げ、シャルに目を向けた。


「この話を聞く限り、何かしらの手がかりを掴む必要がありそうだね。カフェ・フローラに直接行って、詳しい状況を調査しよう。」


「はい、わかりました!」

シャルが元気よく返事し、エイルも頷いた。


「それでは、さっそくカフェ・フローラに向かいましょう。」

エイルが立ち上がり、準備を始めた。


「にゃ〜」

白猫ミスティは窓際で呑気に日向ぼっこをしている。


男性は少し安心した様子で事務所の前にてエイルとシャルを見送り、エイルとシャルは事務所を後にした。これから、カフェ・フローラでの調査が始まる。

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