第8話 キングジョー、義妹(恋人)と放課後デートをする♪
【乙女戦線】とかいう乱暴者たちの話題から半日経った、その日の放課後。
俺は愛する義妹を連れて、駅前の方へと足を延ばしていた。
もちろん目的はただ1つ!
「いやぁ、楽しみだなぁ! コガネの水着選び!」
「気合入ってるね、お兄ちゃん?」
「あたぼーよ! 愛する女の真夏の戦闘服を買いに行くんだ! これくらい気合を入れてトントンだろうよ!」
「あ、愛する女って……もうヤダお兄ちゃん♪」
ベシベシッ! と、ラブリー☆マイシスターが照れ隠しのように、俺の二の腕を軽く叩いてくる。
この真夏の太陽に負けないくらい、俺達の関係もアチチッ! だった。
コガネと付き合い始めて3カ月。
まさかこんなに早く義妹の水着姿が拝める日が来ようとはっ!
俺は横を歩くコガネのデカパイに視線を滑らせた。
小さな身体に不釣り合いの、その大きなパイパイ。
しかも、ここ数カ月でさらに成長しているというではないかっ!
これはもう、ぜひとも彼女にはエッチな水着を着て貰いたいところだ!
「本当に、俺が選んでもいいんだよな? なっ!?」
「いいけど……あまりエッチなのは嫌だからね?」
俺の思考を先読みしていたとしか思えないコガネが、しっかりと釘を打ってきた。
が、俺は知っている。
我が義妹は、俺がちょっと強めに【お願い】したら、多少エッチな行為は目を瞑ってくれるという事を!
「分かってる、分かってる! コガネに似合う最高の水着を選んでやるぜ!」
俺は期待と僅かな下心を胸に、駅地下にある女性水着専門店へと足を運んだ。
「うわぁ……。お、オシャレな水着が結構あるね? お兄ちゃん?」
「おろ? コガネ、こういう所に来るのは、初めてなん?」
「う、うん。実はボク、中学のスクール水着以外、持ってないんだ」
キョロキョロッ! と、物珍しそうに店内を物色する、我が義妹。
コレは意外だ。
コガネは結構アクティブな性格だから、てっきりこういうオシャンティーな水着もたくさん持っているのかと思ってたわ。
「へぇ~。コガネ、こういう場所好きそうだから、ちょっと意外」
「うん。こういう華やかな場所は好きだけど……見てたら欲しくなっちゃうから」
「??? 別に欲しかったら買えばいいんじゃねぇの?」
「いや、そのぅ……」
愛しのマイハニーは、どこか言いづらそうに、口をもにょもにょっ! させながら。
「買っても、数週間後にはサイズが合わなくなるかと思って……」
そう言って、コガネはちょっと恥ずかしそうに、胸元を手で押さえた。
つまり発育したというワケですね、ありがとうございますっ!
「うぅ……っ!? 身長は小さいままなのに、どうして『ココ』だけは、どんどん大きくなるんだろう? もうこれ以上はいらないのに……」
くっ!? と、どこか悔しそうな表情を浮かべる義妹。
そうか……まだ成長しているのか。
おいおい?
俺の妹は将来、一体どんな偉人になってしまうって言うんだ?
お兄ちゃん、ワクワクが止まらねぇよ!
「どうしたの。お兄ちゃん? ボーッとして?」
「ッ!? い、いや! アッチの水着も可愛くて、コガネに似合うだろうなぁって思って?」
「あっ、ほんとだ。可愛い♪」
適当に指出した先には、胸元にフリルのついた、露出度控え目の水着があって……よかった。
どうやら誤魔化す事には成功したらしい。
俺は心の中で安堵の吐息の溢しながら、息を殺してその場を離脱。
そのまま、前から目をつけていた目的の水着を数枚確保すると、音も無く義妹の隣に舞い戻ってきた。
「コガネ、コガネ♪ お兄ちゃん、おまえに似合いそうな水着を3枚ほど見繕ってきたから、アッチの試着室で確認して来て貰ってもいいかな?」
「えっ、もう!? いつの間に!?」
驚く義妹を他所に、俺は水着をコガネに押し付けて、試着室の方へとマイハニーを先導する。
まだだ。
まだ笑うな。
俺は下品に引き上がりそうになる口角を、理性の力で必死に押さえつけながら、
「着心地とかの感想も聞きたいから、着替えたら、一旦そのまま出て来てくれるか?」
「わ、分かったから、押さないでよぉ?」
コガネは俺が選んだ水着片手に、試着室の中へと消えていった。
その背後で、おまえの大好きなお兄ちゃまが、ニッチャリ♪ と邪悪に微笑んでいる事も知らないで。
もうお気づきかもしれませんが、基本的にこの作品は、義妹とイチャイチャ♪ する事しかしません!
もっと魂がヒリつくような、熱い物語が読みたい! という読者様が居れば、ぜひ
『取り柄のない平凡な俺のことが『大好き』すぎて、女神と呼ばれている学校1の美人姉妹が【ヤンデレ】化しました!?』(https://ncode.syosetu.com/n5477hz/)
を読んでみてくれると嬉しいです!