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閑話休題 乙女戦線……崩壊!

「――よくやったわ! その調子で、キングジョーの妹をアジトまで連れて来なさい。抵抗するようなら、手荒なマネをしても構わないわ」




 了解しました! という部下の声を聴きながら、【乙女戦線】10代目総長、早乙女乙女はスマホの通話を切って、ポケットの中へとねじ込んだ。


 まさかここまで計画が上手くいくとは思わなかった。


 正直、相手はあのキングジョーだ。


 何かしらトラブル・アクシデントが起きても不思議ではなかったが……




「運は今、アタシ達に味方をしているわ」




 街はずれのスクラップ置き場。


 そこにポツンと小さく建っている小屋の中で、乙女は愉悦(ゆえつ)にも似た笑みを溢していた。




「乙女様、大変ですっ!」

「んっ? なに、どうしたの?」

「こ、【壊し屋】です!【壊し屋】が、乙女様に『会わせろ』と言って来ています!」

「へぇ~。流石は腐っても三大天の1角って言った所かしら。まさかダミーの集会所の中から、アタシ達の居る本丸を探り当てるなんて」




 乙女戦線は、森実市内だけでなく、県内にいくつものアジトを持っていた。


 その日、その時間によって、集会場が変わるため、他のチームから襲撃される可能性は極めて低く、またアジト自体を見つけることも困難を有した。


 今日はキングジョーを仕留める大事なミッションがあるため、乙女戦線が持つアジトの中でも、1番大きなアジトを使用している。


 もちろんその分、戦線メンバーの出入りも激しい。


 おそらく戦線メンバーの中に居るどっかの阿呆が、尾行されたに違いない。




「チッ……こんな大事なときに。相手は? 何人で来てるの?」

「そ、それが1人です」

「ハァ? 1人ぃ~?」

「は、はい。1人でやって来てます」




 ガッチガチに緊張している男の部下から目を逸らし、乙女は思考を走らせた。


 1人でアジトへ殴り込みに来ただと?


 バカなのか?


 ……いや、そんなワケない。


 きっと他の兵隊たちも、どこかへ身を潜めているハズだ。


 どうする? 


 乙女は一瞬のうちに思考を巡らせ、1人静かに頷いた。


 まぁいいわ。


 アイツが動かせる兵隊は300人。


 対してコッチは500人だ。


 仮に全面戦争になったとしても、地の利も含めて、コッチが圧倒的に有利だ。


 それに舵手――




「ちょうどいいわ。三大天の1人【壊し屋】のセブン。見届け人にとして、これ以上うってつけの人材はいない」




 乙女は報告しに来た部下に「通しなさい」と短く命令を下した。


 彼は「は、はいっ!」と、素早く小屋から飛び出すなり、クモの子のようにどこかへ消えて行った。


 数分後、真っ白な九頭竜高校の制服を身に纏った七瀬七雄が、辟易(へきえき)した表情で小屋の中へと入ってきた。




「このスクラップ置き場、広すぎだろ? ここまで来るのに一苦労だわ」

「それはゴメンなさいね。なんせこちとら、500人の大所帯なモンでね? 場所が必要だったのよ、場所が」

「ったく、デクの坊ばかり増やしやがって」




 セブンはブツブツ文句を垂れながら、近くに置いてあったパイプ椅子に腰を下ろした。


 乙女はなるべく余裕を演出できるように、頬に笑みを張り付けながら、




「こんな辺鄙(へんぴ)な場所までようこそ、セブン。歓迎するわ」

「別に来たくて来たワケじゃねぇよ。ちょっと気になる事があったから、確認しに来ただけだ」

「気になる事?」




 そう言いながら、乙女はすぐ傍に控えていた2メートル近い巨女(きょじょ)である、自分の側近に視線を送った。




「そう警戒すんな。ウチのモンは、オレの合図が無い限り動かねぇよ」

「あら、そう?」




 それはつまり、300人の兵隊がこのスクラップ置き場を包囲していると言っているようなモノだった。


 やはり兵隊を連れて来ていたか。


 乙女は歪みそうになる表情筋を、気合と根性で笑顔へと変えた。




「それで? 気になる事って、なにかしら?」

「いや、なに? おまえ、前に言ってたじゃん? 『キングジョーには、決定的な弱点が2つある』みたいな事をさ。その弱点を出来れば教えて欲しいなぁ、って思って」

「気になる?」

「それはもう」




 こくんっ! と頷くセブンに、乙女はニタァッ♪ と笑った。


 これはチャンスだ。




「教えてもいいけど、条件が2つあるわ」

「言ってみろよ?」

「1つ【殺し屋】九頭竜高校の300人の兵隊を、今すぐ引き上げること」

「分かった。もう1つは?」

「アタシがキングジョーをタイマンで(くだ)す所の目撃者になって欲しい」

「それも了解した」




 セブンはポケットからスマホを取り出すなり、ポチポチと操作をし始めた。


 やがてスマホを再びポケットに仕舞い直したセブンは、続きを促すように乙女に視線を送った。




「それで? キングジョーの決定的な弱点ってなんだよ?」

「いいわ、教えてあげる。【喧嘩の王様】キングジョー、アイツの決定的な弱点その1」




 乙女は少しだけイイ気分になりながら、興味深そうにコチラに耳を傾けるセブンに言ってやった。




「あの男は――女を殴らない。いや、殴れない」

「……はぁ?」


「あの男、キングジョーはフェミニストでも気取っているのか、女を殴る事はしないわ。もう何度も接触・挑発して確認したから、間違いない。つまり、女を殴れない以上、タイマンを張ればアタシが勝つわ」


「……それが弱点1か?」




 えぇ、そうよ!


 胸を張ってそう言い切る乙女に、セブンは溜め息が出そうになった。


 ……なんか、ドッと疲れた。




「??? どうしたの? そんな妙な顔をして?」

「いや……なんでもない」




 それでも何とか口の中で溜め息を噛み砕き、セブンは気を取り直して、もう1つの方を訪ねてみた。




「弱点その1は分かった。弱点その2は?」

「キングジョーの決定的な弱点その2。……それは、妹を溺愛しているって事よ」

「……それが、どうかしたか?」

「ここまで言っても気づかないの? 鈍い男ねぇ」

「…………」




 イラッ☆ としつつも、セブンは黙って乙女の言葉に耳を傾け続けた。


 そして乙女の口から飛び出してきたのは、とでもじゃないが、許容できるモノではなかった。




「つまり、溺愛している妹を誘拐してしまえば、キングジョーはもう手も足も出ないって事よ」

「……それ、本気で言ってんのか?」

「??? 当たり前じゃない」




 きょとん? とした顔を浮かべる乙女に、セブンは今度こそ溜め息を溢した。


 まったく、自分が賢いと思い込んでいるバカほど、(たち)の悪いモノはない。




「なんていうか……興が冷めたわ」

「なによ? どういう意味?」

「失礼しますっ! 乙女様、連れてきました!」




 怪訝(けげん)そうに眉をしかめる乙女。


 そんな彼女の心情をぶった切るように、戦線メンバーである男の1人が小屋の中へと入ってきた。


 その後ろには、下着1枚……いや水着1枚だけ着込んだ女性がおり、セブンはハッ!? とした。




「早乙女っ! おまえ、まさかっ!?」

「あら、よく気がついたわね。そう、もうすでにキングジョーの妹はアタシの手の中にあるわ!」




 そう言って、誇らしげな笑みを頬に(たた)える乙女。


 瞬間、セブンは全てを察した。


 ここに居るのはマズイ――と。




「帰る」

「はっ? ちょっ!? どこへ行くのよ!?」

「だから帰るんだよ」




 付き合ってらんねぇ、と小屋の外へ行こうとするセブンを、慌てて引き留める乙女。


 そんな乙女に、セブンはゴミでも見るかのような冷たい瞳で一瞥(いちべつ)しながら、




「何が『弱点』だ。『逆鱗(げきりん)』の間違いじゃねぇか」

「ハァ? ナニを意味わかんない事を言ってるのよ? アタシとの約束はどうしたのよ!?」

「知るか。他人の家族を拉致する女との約束なんざ、守る気にもなんねぇよ」

「なによ、なによ! せっかく弱点を教えてやったって言うのに!?」

「弱点って、おまえ……じゃあ聞くけどさ?」




 セブンは至極めんどう臭そうに乙女を見返しながら、




「おまえ『絶対に人を襲わない!』っていう猛獣と、会ったことあるか?」




 と言った。




「な、なによソレ? そういう意味!?」

「さぁな。あとは自分で考え……うん?」




 小屋を出て行こうとした直前、セブンは誘拐されてきた水着の女の子を視界に収め……小首を傾げた。


 それは、その女の子があまりにも美人だったから。


 というワケではなく、




「えっ? 誰、この子?」




 そこに居る水着美女は、自分の知っているキングジョーの妹とは、見た目が全然違ったからだ。




「誰って、キングジョーの妹に決まって――えぇぇぇぇぇっ!? 誰よ、この子!?」




 乙女もようやく誘拐された女の子がキングジョーの妹ではない事に気がついた。


 水着美女はビクビクッ!? 身体を震わせながら、何か言いたそう顔をしていた。


 が、唇をガムテープで塞がれていて、喋るに喋れない。


 その3人の様子を傍から見ていた実行犯の男は「えっ? えっ?」と、激しく狼狽した。




「だ、誰って、キングジョーの妹ですけど?」

「バカおまえっ!? この子はキングジョーの妹じゃない!」

「えっ!? で、でもキングジョーと仲良くプールで遊んでましたよ?」




 乙女の叱責に、泣きそうな顔になる男。


 そんな2人を尻目に、セブンは水着美女の唇のガムテープを剥いでやった。




「どこの誰かは分からんが、災難だったな、美人ちゃん?」

「ぷはぁっ!? こ、ここはっ!? あ、アニキは!? こ、コガネちゃんは!?」

「落ち着け、美人ちゃん。ここは【乙女戦線】の奴らが使っている、街はずれのスクラップ置き場だ」

「乙女戦線、スクラップ置き場……?」




 頭の上に『?』を乱舞させる彼女に、セブンは「そうだ」と小さく頷いた。




「どうやら美人ちゃんは『金城コガネ』っていう女の子と間違えられて、ここまで連れて来られたらしい」

「コガネちゃんと間違えて……」




 なんで? という疑問が、水着美女の瞳いっぱいに広がる。


 セブンはそんな彼女を落ち着かせるように、ゆったりした口調を心掛けながら、




「それで? 美人ちゃんの名前は?」

「も、桃花。八木桃花です……」

「へぇ、可愛い名前だね。……うん? 八木?」




 セブンの背筋を、北風小僧100人分の悪寒が走り抜ける。


 ……すごい嫌な予感がする。


 セブンはすぐさま彼女と一緒にトンズラしようとして……頭を抱えた。


 脱出方法が思いつかなかった。


 ではなく、気づいてしまったから。


 スクラップ置き場の入口から、慣れ親しんだ殺気が近づいてきている事に。


 しかも、かなり怒り狂っている。




「あぁ~……こりゃ面倒な事になりそうだ」

「それは一体――」




 どういう意味だ? と、続くハズだった乙女の言葉は、突然ノックも無しに駆け込んできた下っ端の戦線メンバーによって、あっけなくかき消された。




「大変です、乙女さまっ!?」

「えぇい、うるさい! 今度はなんだ?」




 鬱陶しそうに乙女が声を張り上げた瞬間。




「早乙女ぇぇぇぇぇっ!?」


「「ッ!?」」


「うひぃっ!?」

「おぉ~、すげぇ殺気」




 乙女のセリフを打ち砕くように、ゼットンの怒声が小屋全体に響き渡った。


 離れていてもハッキリと分かるほどの存在感と、肌が痛くなるほどの圧迫感。


 暴力的なまでの殺気を前に、歯の根をカチカチッ!? 言わせながら、下っ端が泣きそうな声で、こう言った。




「ぜ、ゼットン率いる【クロサキ連合】150名が、殴り込みに来ました!」

「ゼットン!? 何でこのタイミングでっ!? 見張りはナニしてた!?」

「すすすす、すいません!? きゅ、急なモノでしたので、連絡が出来ませんでした!」




 チッ! と軽く舌打ちを溢す乙女。


 だが、すぐさまいつもの自分を取り戻し、冷静に命令を下した。




「もういい。相手は150、対してコッチは500人だ。キングジョーが来る前に全員で囲めば、何とかなる」

「そ、それがそのぅ……150人じゃありません」




 下っ端は至極言いづらそうに、


「き、【キングジョー軍団】50名も加わって、総勢200人ですっ!」

「き、キングジョー軍団だと!? キングジョーの奴、まさか約束を破ったのか!?」

「い、いえ、それが……キングジョー軍団は見えるんですが、肝心のキングジョーの姿はどこにも」

「ファ●ク!」




 乙女は怒り任せに、そこら辺に置いてあった机を蹴り飛ばした。


 クソッ、計画は順調だったのに……一体どこで何を間違えた!?




「200人だろうが、コッチは500人だ!【クロサキ連合】だが【キングジョー軍団】だが知らんが、物量で押し潰せ!」

「も、申し訳ありません、乙女さま」

「あっ?」

「……もう居ません」

「あぁっ!?」




 下っ端は、もう半分泣きが入った状態で、嗚咽(おえつ)混じりにこう言った。




「ぜ、ゼットンのあまりの迫力に、さ、財布を置いて逃げたのが90名。土下座で許しを乞い始めたのが80名。逃げる間もなく気を失ったのが120名。立ち向かって、顔の形が変わったのが15名。同じく立ち向かって、身体の形が変わったのが25名。計330名、ゼットン1人にやられました」


「自然災害か、アイツは!?」




 気がついたら、ゼットン1人に乙女戦線が半壊させられていた。


 流石はあのキングジョーとセブンに並ぶ、三大天が1人である。


 もはや1人だけスケールが違った。




「えぇい、アタシ達も行くわよ! 案内しなさい!」

「ひ、人質はどうしましょうか?」

「そんな見ず知らずの小娘なんざ、放っておきなさい!」




 部下に怒鳴り散らしながら、慌てて小屋を飛び出す乙女。


 戦線メンバーの死屍累々な姿を目撃しながら、騒ぎの中心へ駆けつけると、そこには血走った瞳で声を張り上げるゼットンの姿があった。




「ぐるるるるるっ! 桃花ぁぁぁぁぁっ!? どこだ桃花ぁぁぁぁぁぁっ!?」

「もはやケダモノというより、バケモノね。……アスカッ!」

「あいよ」




 乙女の背後に控えていた、例の2メートル近い巨女が、のっしのっし! とゼットンの方へ近づいていく。


 巨女はニンマリ♪ と笑みを深めながら、まるでヒーロー登場のように、高らかにこう宣言した。




「そこまでだよ、ゼットン」

「ぐるるるる……誰や、キサン?」

「アタイは【乙女戦線】特攻隊長にして、乙女様の右腕、北条アスカさ――コペンッ!?」

「うるせぇぇぇぇぇっ!? そんな事より、妹はどこだぁぁぁぁぁっ!?」


「「「「あ、アスカ隊長!?」」」」




 問答無用で巨女の腹部を蹴り飛ばすゼットン。


 みぞおちに良いのが入ったのか、その場で(うずくま)る巨女。


 そんな巨女の頭を、ゼットンは、




「ワシのっ! 大事なっ! 妹をっ! どこへ! 隠したっ!?」




 ドスッ! ゴスッ! ゴキッ!?


 何度も何度も、気を失うまで踏みつけ続けた。


 よほど鬱憤(うっぷん)が溜まっていたのだろう。


 ゼットンは巨女が気を失おうが、構うことなく頭を踏み続けた。


 そんな怒り狂う大怪獣を前に、戦線メンバーは青い顔で震えるばかりだ。




「う、嘘だろ? アスカ隊長が、あんな簡単にやられるなんて……」

「バカッ!? (ほう)けている場合か!? あのままじゃ、アスカ隊長が死ぬぞ!?」

「で、でもっ! 今、ゼットンに近づいたら、オレらまで巻き添えを喰らうぞ!?」

「チクショウっ!? どうすればいいいですか、乙女様っ!? ……あれ、乙女様? どこへ行ったのですか、乙女様!?」




 気がつくと乙女は、大事な部下をその場に置いて、1人だけ駆け出していた。


 背後で自分の名前を呼ぶ部下をガン無視して、『もしも』の際の非常用出口へと走り続ける乙女。


 大丈夫、コレは逃げじゃない。


 戦略的撤退だ!


 そう何度も自分に言い聞かせながら、スクラップにされた廃車の横を駆け抜けて行く。




「クソっ! アタシの計画に間違いは無かったハズだ!」




 どいつもコイツも使えねぇ兵隊(カス)共のせいだ!


 アタシは悪くない!


 そうだ、アタシは悪くないのだ。


 悪いのは、アタシの思い通りに動かない兵隊(カス)共だ。


 そのせいで、惨めにも1人、非常用出口へと走っている。


 なんたる屈辱っ!?




「まぁ、いい! 兵隊の代わりはいくらだっている! この借りは必ず返すぞ、ゼットン!」




 だから、今は逃げるんだ!


 アタシさえ生きていれば、乙女戦線は終わらない。


 アタシが生きている限り、乙女戦線の負けにはならない!


 アタシは勝つために、逃げるんだ。


 アタシは負けてない!


 最後に勝つのは、このアタシだ!


 他の誰でもない、このアタシだ!


 次はっ、次こそは上手くやってみせる――




「――と、考えるであろうコトは分かっていた」


「ッ!?」




 突然。


 突然である。


 あんなに軽快に動いていたハズの乙女の足が、ピタリッ! と止まった。


 非常用出口の前に、誰か居た。


 それは短パンにアロハシャツ1枚を着込んだ、この場に似つかわしくない恰好をした男であった。


 乙女は男を目視した瞬間。




 ――ぶわっ!?




 と、全身の毛穴という毛穴から、変な汗が噴き出たのが分かった。




「人の家族を誘拐しようと考えるクソビッチの事だ。ピンチになったら自分だけ逃げると思ってたぜ」




 だから待たせて貰ったわ。


 と、へらへら笑う男を前に、本能が『逃げろ!』と警報を鳴らし始める。


 コイツはヤバイッ!? と。


 乙女戦線を壊滅させた化け物(ゼットン)より、遥かに化け物だと、頭よりも先に身体が理解してしまった。


 それでも乙女は、バケモノじみたプライドを頼りに、まっすぐ相手を睨みつけながら、忌々し気に男の名前を口にした。




「き、キングジョー……ッ!?」

「よっ。約束通り、タイマンしに来たぜ?」




 そう言って【三大天】最後の1人、喧嘩の王様キングジョーは静かに笑った。

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