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「では、誰が犯人ではないか考えて行きましょうか」

「犯人ではない証明など、出来るのか?」


 ダヴィデが問うと、菊花は自信有り気に答えた。


「はい。少なくとも、私は犯人では有り得ません」

「自分が犯人では無い事は、自分が一番よく知っているとでも言うのか?」


 ファウストが睨むが、菊花は、笑いを堪えた様な表情で否定する。


「まさか。遺書の存在を思い出してください。私は、クロリンダ様の筆跡を見た事が無いので、真似出来ないのですよ」


 確かに、その通りだ。


「他に、クロリンダ様の筆跡を見た事が無い人はいますか?」

「今此処にいるうちの使用人達は、知らないだろう」


 ダヴィデが答えた。


「チェルソは、見た事があったか?」

「いいえ。お勉強の際のお供は、身分が高い者が務めておりましたので。手紙は、直筆ではありませんよね?」

「ああ」


 王太子時代の側近の内、上級貴族は全員、今は私に仕えていない。


「フィオレさんは?」

「私は、あります。アナスタシア様に送られた直筆のお手紙を拝見致しましたので」


 フィオレは、アナスタシアに仕えており、当番制で、菊花に無料で貸し出されているのだ。


「待て。犯人を庇って、クロリンダを吊るした者が別にいると言う説があったな。その場合、お前達が犯人ではないとは、言い切れないだろう」


 ファウストの言葉も、一理ある。


「そうですね。ですが、私には動機が有りませんけれど」

「動機無き殺人もある筈だ」

「では、誰が私を庇うんです?」

「それは……」


 ファウストは、言葉に詰まった。

 菊花が罪を犯した場合に、事後共犯となってでも庇うであろう関係性の者は、いない。


「で、では、其方が庇った方かもしれん」

「私が誰を庇うと?」


 今度こそ、ファウストは、何も言えなくなった。

 菊花が、事後共犯となってでも庇うであろう相手も、いないのだから。


「あのさ。菊花が犯人、若しくは、犯人を庇った事後共犯なら、自殺じゃないなんて言い出さないんじゃないかな?」


 エドガルドの言葉は、尤もだ。

 菊花が言いださなければ、自殺と見られていたのだから。


「では、菊花は、犯人でも事後共犯でも無いと見て、問題無いだろう」


 誰からも異論は無かった。

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