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ドラ姫様が往く!!  作者: Mr.B
ティゼム王国へ往く!!
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イスティエスタの大暴動

ブックマーク件数が100件を超えました!登録ありがとうございます!



紙の山の理由は何とも浅はかな理由だったようです。

 新たに注がれた酒で喉を潤わせ、ダンダードが話を続ける。


 「私に振られた仕事は国外の商業ギルドへの転勤であり、そこで幹部の補佐を務める事だった。私がティゼム王国に来たのは、このタイミングだったな。」


 なるほど。それなら、割と早い段階でダンダードはティゼム王国に入国してきたという事か。だが、彼の口ぶりからすると、まだこの街には来ているわけではなさそうだ。

 それにタニアはどうしたのだろうか。やはり一緒について行ったのだろうか。


 「勿論タニアにもついて来てもらったよ。その時には既に"星付き(スター)"に成っていたからね。指名依頼を出して道中を護衛してもらうという形でね。」

 「言ってくれれば依頼を通さずともついて行ったんですけどね。この人ったら意地を張って依頼にして出すって聞かなかったんですよ。」

 「昔の言葉に[親しき中にも礼儀あり]というものがある。こういう事はしっかりとけじめをつけておかないと後になって厄介事になりかねない。」


 これまでの話を聞く限りタニアの方がダンダードよりも一つ年上のようだからな。互いに姉弟のような感覚だったのかもしれないな。弟が姉に対して格好をつけようとする事は別に不思議な事ではない。

 そう考えると、ダンダードにも可愛げがあるじゃないか。優しい気持ちになって彼を見れば、気まずいような、もしくは照れくさそうな表情で私から目をそらした。


 「と、とにかくだ。私は商業ギルドの幹部候補として幹部の仕事を間近で見れる幹部補佐の立場になったわけだよ。」

 「本当に順調に仕事が進んでいたんだね。しかし、どうして働いていた場所では無くティゼム王国に転勤する事に?」

 「単純に人手不足だよ。それというのも、当時のティゼム王国の商業ギルドには優秀な職員が数多くいてね、"楽園"の資源のおかげもあって非常に経済が潤っていたんだ。資源も資金も潤沢にあるから商人が集まり、商人が集まれば当然互いに利益を競い合う事で成長していく。そんな商人達を対応する事で、商業ギルドの職員も成長していったのさ。」


 一旦言葉を切って酒を口に運んでいく。しかし、窟人(ドヴァーク)というのは酒が強い種族なのだな。私は酒に含まれる酒精で酔う事は無いのだが、ダンダードやタニアは違うだろうに、二人の飲酒のペースは大体同じぐらいだ。

 ダンダードが過去の話を始めてから結構な回数酒を継ぎ足されている筈なのだが、二人ともまるで酔っている気配が無い。


 喉が潤ったのか、ダンダードの語りが再開された。


 「そうしてティゼム王国の商業ギルドには優秀な職員が大勢在籍する事になったのだが、それ故にギルドの職員を大人数転勤して欲しいとの要望があったのさ。場所は、私達の祖国と、その隣国。私の祖国とその隣国は、戦争によってどちらの国も大勢の命が失われた。冒険者、軍人、騎士、そして民間人までも。双方、最早国として機能する事が出来なくなってしまったのだ。それによって互いの国は周辺国が管理する事となり、国の滅亡と相成ってしまった。」

 「私達が祖国の滅亡を知ったのはその時でした。ですが、あまりショックは受けなかったんです。既に独り立ちしていましたから。」


 タニアが当時を思い出しながらその時の心境を口にする。おそらく、国を発ってから十年近い年月が過ぎていたのだろう。関心が薄れてしまうのも納得が出来る。


 「むしろ、良くそこまで長いこと戦争が続いていたものだ、と呆れると同時に感心したぐらいだね。まぁ、そんな事情で二国分の商業ギルドが圧倒的人手不足に陥ってしまったんだ。それを補うために各国から人材が向かわされたわけだけど、とりわけ優秀な人材が多いティゼム王国から主に向かわされる事になったんだ。そうなれば今度はティゼム王国の商業ギルドが人手不足になってしまう。そこで、人材に余裕がありかつ将来を見込めると判断した者を他国から転勤させることになったのさ。」


 なるほど。ティゼム王国にいる優秀な職員全員が派遣されるわけでは無いだろうからな。残った職員に転勤してきた職員を育成させる、と。そうして商業ギルド全体をさらに成長させる目論見なのだろうな。


 「そうして私もティゼム王国で幹部候補として多忙な生活を送る事になったのさ。だが、いつの世にも不正を働く者は居るものでね・・・コネや賄賂、成績の改ざん、虚偽の申告等で幹部候補に抜擢されてティゼム王国へと送られてくる者達もいたのだよ。」

 「そういえばナフカがあの紙の山の原因は身内の醜聞と言っていたね。そうなると、アレの原因はそう言った不正で幹部候補に挙がってきた者達によるものなのかな?」

 「その通り。あの連中には本当にどれだけ頭を痛めさせられたことか・・・。まぁ、少しその話は置いておこうか。商業ギルドの仕事は私には随分と向いている仕事だったようでね。上からの評価も高く、様々な仕事を任されるようにもなったよ。何故か、私の仕事には女性が関わる事がほとんどなかったのだがね。」

 「何故か、ではありませんよ。ティゼム王国に行く前から貴方の評価は[女性が関わらなければ極めて優秀]、という評価でしたからね?当然、ティゼム王国の商業ギルドにも伝わっているに決まっているじゃないですか。ちなみに、冒険者ギルドでも貴方の女癖の悪さは有名でしたからね?」

 「ええっ!?そ、そうだったのかい・・・!?い、いやしかし、私は女性をしつこく口説いて回るような事はしなかったはずだ・・・。」


 ほう。ダンダードは若いころから非常に評価が高かったらしい。それはそうか。現在ではギルドマスターの職に就いているのだ。順当に考えれば優秀でない筈が無いな。

 女性と関わる事が無かったことを疑問に思っていたようだが、仕事以外で女癖の悪さが露見していたのだろう。もしかしたらタニアがある程度吹聴していたのかもしれないな。

 ともかく、ダンダードはその事実を今まで知らなかったらしい。タニアから指摘されて本気で驚いているようだ。


 「口説くようなことは確かにしていませんでした。ですが、常に女性を目で追い、相手が女性であれば露骨に態度を変えてしまうような人だという事は、周知の事実だったのですよ?貴方の自覚が無かっただけです。」

 「んんっ!?ま、まさか・・・えっ・・・ば、バレて・・・う、嘘だろう・・・?そ、そんなに分かり易かったというのかっ!?」

 「ダンダード。視線というものは向けている本人はバレていないと思っていても、大体はバレているものだよ。今更難しいかもしれないが、今後気を付けると良い。」


 ダンダードは自分の女性に送っていた視線が気付かれていないと今まで思っていたようだ。タニアから伝えられた事実に愕然としている。

 ちなみに、彼は私にもそういった視線を幾度も向けてきていた。当然、直ぐに気付いたが、私としては特に気にする事でも無かったから言及していなかったのだ。美しい外見をしているのだからそういうものだろう、と思った程度だ。


 「な、何という事だ・・・。う、うん。今後、気を付けるとしよう。は、話を戻そうか。うん、まぁ、とにかく私の仕事ぶりが認められてね、ティゼム王国に来てから三年、今からおよそ五十年ほど前にティゼム王国の商業ギルドで最も多忙で、最も栄誉のあるイスティエスタ支部へ幹部として転勤になったのだよ。」

 「ちなみにその時もこの人は私に護衛としてついてきて欲しい、と指名依頼を発注していました。まぁ、言ってくれれば依頼を通さなくてもついて行きましたけどね。流石に立場もそれなりの地位に着きましたから、そういった供覧も必要でしょう、という事で納得しました。」

 「流石に周囲には貴方達の関係は知れ渡っているんじゃないのかい?その時はまだ結婚していないのかな?」


 彼等がこの街に訪れたのは大分前の話だったんだな。そしてこの街の商業ギルドがティゼム王国で最も多忙なのか。それはそうだろうな。何せ"楽園"で得られた資源が一番最初に届く街なのだ。当然、持ち込まれた資源を扱う量が最も多い街であり、ギルドだろう。この街の近くには非常に有用な人工採取場もある事だしな。

 そんな場所へ向かう際にやはりダンダードはタニアについてきて欲しかったようだ。まだ二人は結婚していないようだが、二人の関係はどういったものだったのだろう。


 「あまり認めたくはありませんが、ええ、周囲からは私達はそういう関係だと思われていましたよ。冒険者仲間からも度々茶化されていましたし。」

 「う、うむ。まぁ、私もまだ若かったからね。気付くことが出来なかったんだ。タニアの事は家族として見ていたんだ。だからこそ住む場所を離れる時にはついてきて欲しかったし、それが私にとって当たり前だったんだ。」


 つまりあれか。ダンダードはタニアが身近な存在過ぎて異性として見ることが出来なかったと。本当に家族同然だったんだな。

 尤も、タニアの方は冒険者仲間達から茶化されている辺り、意識してはいたようだ。だからこそ、依頼を通さなくても声を掛ければダンダードについて行くと言っているんだろうな。


 「さて、イスティエスタの商業ギルドなのだが、これがまた本当に酷いものだったのだよ。そうとも、不正によって成り上がった者達が更に不正を重ねて立場を築き上げ続けた結果、彼等は皆同じようなタイミングでイスティエスタへと向かう事になったのさ。私がイスティエスタに来た頃には既に不正が横行していてね。一部の権力者以外は碌な利益を得られないような状態だった。」

 「解せないね。優秀な職員がいるティゼム王国の商業ギルドが皆してその不正の数々を見つけることが出来なければ、暴くことも出来なかったというのかい?」


 少なくなったとはいえ他国から強く望まれるほどに優秀な職員達が在籍する商業ギルドでそこまでの不正が横行するとは思えないのだが・・・。

 待てよ?そういった者達は皆同じようなタイミングでイスティエスタに来たと言っていたな。まさか・・・。


 「気付いたかな?流石はノアさんだ。そう、優秀な商業ギルドの職員が彼等の不正を見抜けない筈が無かったのだ。彼等は皆、餌に釣られたのだよ。栄誉と利益という名の餌にね。」

 「なるほど。一網打尽にするつもりだったわけだ。なかなかに恐ろしい考えだね。」

 「私も後になって知ったのだけれどね。あえて重要なポジションに就かせて取り返しのつかないミスを誘発させたのさ。イスティエスタの商業ギルドの中で最も重要な支部だ。小さなミスでさえ多大な損失に繋がってしまう。一人のミスが露見すれば後は早い。芋づる式に他の不正を行っていた者達や不正を助長していた者達も纏めて処罰される事になったよ。」


 本当に恐ろしいな。不正を行って成り上がった者達だけでなく、その関係者まで纏めて一掃したというのか。この計画を練った者は不正を行った者達に対して、相当な怒りの感情が沸いていたんじゃないだろうか。

 しかし、この計画、かなりの強硬手段じゃないだろうか。取り返しのつかないミスという事は相当な損失の筈だ。商業ギルドだけでなく、イスティエスタ自体がかなりの被害にあったんじゃないだろうか。


 「その計画、イスティエスタ全体がかなりの被害を被らなかったかい?」

 「ああ、あれは本当に酷い物だったよ。街中で暴動が起き、家屋は壊れ、怪我人も多数出た。あまりにもひどい状態だったから騎士団まで出動する事になったぐらいだ。それだけの騒ぎと被害の原因を追究するために、徹底的な調査が行われる事になったのさ。今までミスや不正をコネと金と権力でもみ消してきた連中も流石に言い逃れ出来なくなったというわけさ。」


 話の途中のようだが、喉を潤わせるためにグラスに手を掛ける。グラスには既に新しく酒が継ぎ足されている。

 話の合間にちょくちょくと酒を口にしているためか既に三本ほどの酒瓶が空になっている筈だ。

 ダンダードが語った暴動は、かなり壮絶な光景だっただろうな。そんな騒動の舞台がこの街だと言われても、今の街の景色しか知らない私には想像がつかない。


 「騒動には"星付き(スター)"以上の冒険者までもが被害に遭いました。何せ冒険者同士でも争いが起きたぐらいですから。」

 「聞けば聞くほど酷い状況だね。何が原因でそこまで酷いことになってしまったんだい?」

 「横領による需要の高い品の在庫切れだよ。日々冒険者達が"楽園"から一定量資源を持ち込んできているというのにもかかわらず、錬金術ギルドも、鍛冶師ギルドも、搬入している量は変わらないというのに在庫が切れてしまったのさ。そう、当時このイスティエスタの商業ギルドの職員は上も下も揃って不正を働くような者達が大半だった。勿論、全員では無いのだがね。まともな職員に不満を募らせたかったのだろうね。あの連中の堂々と不正を働く様を見続けて言い逃れを出来ないようにするために。まぁ、頭の悪い連中がこぞって横領を行うものだからいくら冒険者達が資源を卸してくれても足りなくなっていくのだよ。」


 喉が潤ったためか、口が良く回るようになってきたな。スラスラと当時の状況を語ってくれる。流石に酒精が回って来たのかほんのりと顔が赤くなっている。

 しかし、ダンダードを含め真面目に仕事をこなしたことを認められた者達からしたら、当時の商業ギルドは非常にストレスのたまる職場だったのだろうな。


 「あー。それで在庫が無くなった時に客から問い詰められて、溜まった不満が爆発してしまった、と。」

 「そう。しかも不満を募らせていったのは私たちギルド職員だけでは無いんだ。在庫が無くなったのはいきなりでは無い。少しずつ少なくなっていき、その都度値上がりもしていったんだ。度重なる値上がりは当然のように街の住民全員が不満を募らせた。不満が溜まりに溜まった職員が、口よりも先に体が動くのは仕方の無い事だった。実際、私もそうなりかけたからね。そしてそれが暴動の始まりだ。」

 「おや、ダンダードは暴力的な事は行わなかったと?」

 「ちょうどその場にはいなくてね。その時私は裏の倉庫にいたのだよ。大量の在庫を、私一人でチェックするためにね。」


 需要の高い品の在庫が無くて、それでも倉庫のスペースはそれなりに品物で埋まっている。それはつまり。


 「その不正を働いていた連中、倉庫を私物化していたのかい?しかも自分達の都合に合わせた品を倉庫に保管していたとか?」

 「正解だ。特に需要の無いものであったり、卸すつもりのない骨董品。禁制品なんかも連中は自分達の倉庫のように使用していたのだよ。あまりの怒りのあまり血管が切れて血が噴き出すかと思ったぐらいだ。」

 「なるほど。つまりあの大量の紙の山は。」

 「愚か者の一人が私欲のために購入したものだよ。当時の紙を大量に買い占める事でこの街まで紙を買いに来させ、高値で売りつける算段だったそうだ。尤も、紙の製法は時間は掛かるものの既に確立している。数日間ほどは紙不足に陥りはしたが、紙の製造職人がしばらく忙しくなって儲かっただけの事さ。全く持って愚かしい・・・。」


 なんてこった。実に浅はかな理由であの紙の山は出来上がっていたんだな。取り扱うものをしっかりと選べば確かな利益に繋がっただろうな。

 本当にその商品を求めている者からは、間違いなく盛大に恨まれる事になるが。


 「そんなわけで不満の爆発から始まった暴力沙汰は客にも広がり、更にはギルドの外へ、波紋のように広がり続け、ついには街全体にまで広がって行ったのさ。」

 「そうして非道い有様を鎮めるために冒険者達も駆り出されたのですが、需要のある品の値上がりに腹を立てていたのは冒険者達も変わりませんでしたから。当然、中には暴動に参加する者も出始めてしまったんです。」

 「それで暴動を始めてしまった冒険者達を鎮めるために冒険者同士の争いにまで発展してしまったという事か。タニアは無事だったのかい?」

 「いいえ。情けない事に暴動を鎮める際に重傷を負ってしまったんです。私が目を覚ました時には暴動が終息していて、傍には涙で顔を歪ませたダンがいたんです。この人のあんな表情はあれっ切り見た事がありません。」

 「あの時ようやく私にとって一番大切なものが何かがハッキリと分かったんだ。その時は後悔に満ちていたよ。既に私の収入は十分だったんだ。命を落とすような危険のある仕事を、タニアがする必要なんてどこにも無かった。私はつくづく幸運だったのだろう。タニアを失う前にその事に気付くことが出来たのだからね。彼女が再び目を覚ました時ほど安堵した事は今を含めてあれっきりだ。」


 そこまで聞いて思わず笑みがこぼれてしまう。

 ダンダードの事だ。おそらくその場でタニアに結婚を迫ったのだろうな。例えその場でなくとも近いうちに思いを伝えていそうな気がする。


 「の、ノアさん。展開が読めたのだろうが、そんな視線を向けられると流石に照れてしまうよ。あの時の事は今でも妻にからかわれてしまうんだ。勘弁してほしい。」

 「この人ったら、私が目を覚ましたら直ぐに私を抱きしめて[どこにもいかないで欲しい。ずっとそばにいてくれ]って子供みたいに泣きじゃくりながらプロポーズしてきたんですよ?流石に絆されました。」


 そういういきさつがあったとはね。なるほど、お互いに深い愛情で結ばれているわけだ。幼少のころから苦楽を共にしてきて、ついには気持ちが明確になる前に失いかけてしまったのだからな。失いたくないと強く想うのは当然か。


 とても面白い話だった。


 うん、本当に話の内容は面白かったんだ・・・。話の内容には満足もしたし納得もしたとも・・・。



 夢中になりすぎてオードブル以降の料理を全く味わえていなかったがな!!



 いや、確かに美味かったはずなんだ!美味かったことは分かっているんだ!だけど話に夢中になっていてなんとなく美味かった。という記憶しか残っていないんだ!それが、物凄く惜しい。既に料理は全て食べ終わってしまっている。

 この話は旨い料理と共に聞くような話じゃなかったのだ!


 「どうだったかな?これが私達の馴れ初めというか、結婚までのいきさつであり、貴女が購入してくれた紙の山の原因なのだが・・・。その表情を見るに、あまり面白くなかったのかな?」

 「そんなことは無いさ。とても楽しめたよ。ただ、夢中になりすぎて料理の味が朧気になってしまった事がとにかく残念でならなくてね・・・。」

 「「あっ・・・・・・。」」


 どうやら、思い出話に夢中になって料理の味を楽しむ事に集中できなかったのは私だけでは無かったようだ。

 節操のない話、私の場合はオーナーに追加で注文すれば用意してくれるとは思う。そして私ならば問題無く味わい、平らげることが出来るだろう。

 だが、彼等はそうはいかない。追加で料理を注文しようにも、胃袋が受け付けてくれないだろう。

 うん、間違いなく美味い料理だったんだ。場所は覚えたんだ。今度は個人でこの店に来よう。


 「ダンダード。料理についてはまたここに来ようと思うよ。そろそろあなたの依頼を片付けよう。」

 「うむ。そうだな。そうしよう。この店にはまた来ればいい。気持ちを切り替えようか!」


 ダンダードも気を取り直したようだ。


 それでは、この街最後の依頼を片付けるとしよう!

大食いの出来る人がうらやましいです。

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