表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/83

第9話 魔法習得

次はスキル屋に向かう。この世界のスキル・魔法は金で買える。ダンジョンでスキルスクロールというものが手に入るらしく、これを使うとスキルが取得できるのだ。ただし、誰でも使用できるわけではない。そのスキルの適正があるか確認して、あればスクロールを購入、使用するといった感じだ。スクロールに触れて光れば適正有りだ。

スキル屋の店内は狭い。カウンターに厳重に保管されたスクロールが並んでいるだけだ。早速、店主の許可をもらい、スクロールに一つずつ触れていく。触れるのは初級スクロールだ。いきなり中級以上のスキルは取得できない。初級を取得し、スキルレベル4以上で中級、7以上で上級が取得できるのだ。

20個ほどのスクロールに触れて光ったのは4つ。


『クリーン』、『暗視』、『隠蔽』、『契約魔法』


火・水・土・風・光・回復、期待した魔法は全部適正なし・・・


目の前が真っ暗になった気がする。


『暗視』を取得しろということか。金額を尋ねてみた。金貨5枚だそうだ。

たけーよ!!!買えねーよ!!!!!

他の値段も聞いてみた。『クリーン』金貨5枚、『隠蔽』金貨3枚、『契約魔法』金貨1枚。

ちなみに欲しかった属性魔法はどれも金貨5~10枚だった。

ん?契約魔法は安いな。どんな魔法なのか聞いてみるか。

「契約魔法はこの世のあらゆる物を司る超自然的な存在と契約ができる魔法です。」

「すまない、あなたが何を言っているのか全く理解できない。具体的に何と契約できて、どんな現象を起こす魔法なのか。実際に契約魔法の使い手の方々がどのように使用しているのか、教えてくれ。」

「過去に勇者と呼ばれた御方が、様々な精霊と契約し、魔王を討伐したと言われております。その御方が一歩踏み出せば大地が震え、息を吐けば風が巻き起こり・・・」

「いや、もういい。分かったから。」

「今ならなんと!大銀貨5枚です!半額ですよ!」

全く使えない魔法じゃねーか。どこに精霊とやらがいるんだよ。勇者って奴もただの歩く天災じゃねーか。

「契約魔法を研究されている人とかはいないのか?」

「そうですね。購入して頂けるのでしたらお答えいたしましょう。」

「分かったよ。買うよ。ほら大銀貨5枚」

「毎度有難うございます!」

結局買ってしまった。その後聞いた話だと研究者がいるらしい。オクスリビア子爵領の領都リビアにいるそうだ。いつか立ち寄ってみるか。全く期待できそうにないがな。

他のスキルは金がないので諦めた。でも金策して適正があるものは全部買うつもりだ。手札は増やさねばならない。今回、適正確認をした20種ほどのスクロールを全部メモしておく。新しいスクロールが入荷することもあるそうだ。ここにあるスキルが全てではない。属性魔法だってこの店にはなかったが、氷や雷魔法は存在するのだ。まだ希望は潰えてはいない。他の街へ言った時もスキル屋には必ず立ち寄るようにしよう。

---------------

スキル屋の件から1週間が経過した。この1週間、ひたすた訓練所に通い詰めた。朝から体造りのためのトレーニング。昼飯にカツ丼を食べて、午後から教官殿から教わった棒術の訓練。加えて障壁スキルの練習も始めている。この世界に来た初日に、障壁の上に乗ってみたことがあったが、それを素早く行うための訓練だ。これができれば空中を走って立体機動みたいな動きができるかも!と思ったのだ。結論から言うと現状は無理だということが分かった。勢いよく踏み込んだ瞬間バキッと音がして、障壁を踏み抜いてしまったからだ。今のスキルレベルでは強度が弱く、そっと足を乗せなければならない。しかし空中への緊急逃避手段としては現状でも有効なはずだ。忍び足スキルも併用してすばやく、階段障壁を登る練習をしている。

そしてこの1週間のトレーニングの成果がついに表れた。ステータスに変化があったのだ!


ステータス

名前:ルノ

性別:男

年齢:26歳

職業:商人

種族:人間

スキル:忍び足Lv1、気配希薄Lv1、精神耐性Lv1、契約魔法Lv1、筋力強化Lv1

固有スキル:潜影Lv1、障壁Lv1

称号:次元の狭間を超えし者


スキルが増えた!筋力強化Lv1!訓練は無駄ではなかった!

努力が目に見える形で結果として表れるのはとてもうれしい。

何となく力が強くなったような気がする程度のものだが、とてもやりがいを感じるのだ。

しかし、新たな問題にも直面している。金欠だ。今の自分は毎日トレーニングしているニートなのだ。冒険者ギルドからは不審な目で見られているかもしれない。毎日、朝から晩まで働かずに訓練所の隅っこでトレーニング。しかも、空中を登ったり降りたりするという奇行まで加わったのだ。うん、不審者だな。一週間はやりすぎだな。週五日くらいのトレーニングにしようかな。


フィデルさんにシャンプー・リンスを買ってもらえば、すぐ金は入る。しかし、前回取引時にこちらから次の納品は1ヶ月待ってくれと言ってしまった。無限物資のことまでは教えていないので、あんまりほいほい出すと怪しまれると思ったからだ。フィデルさんになら話してもいいかもしれないが。どうせそのうち気付くだろうし。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ