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第17話 領都リビアへ向けての旅路

領都リビアへの出発の日がやってきた。今回向かうメンバーはフィデルさん、俺、御者のチャールズさん、護衛は以前と同じCランク冒険者パーティ『赤い羽根』の4人。そして何故かソフィーちゃんといつも素敵な笑顔で出迎えてくれる店員のお姉さんだ。

どうやらソフィーちゃんは領都の本社勤務になるらしい。なので、今回は自分の職場になる場所を事前に見せておくのが目的なんだとか。どうせ一から教えるのなら新しい職場に放り込んでやろうということかな。

素敵な笑顔の店員さんも領都の本社勤務になるので、同様の理由で同行することになったらしい。

えっ!店員さん領都に引っ越すの!?じゃあ、俺も引っ越す!領都を拠点にするよ!フィデルさんのお店に毎日のように通って買い物をしていたのは、店員さんの笑顔を見に行くためのようなものだったからね。店員さんの笑顔は俺の心のオアシスなのだ。未だに名前すら知らないけどね。


馬車が出発する。暇なのでステータスの確認をすることにした。


ステータス

名前:ルノ

性別:男

年齢:26歳

職業:商人

種族:人間

スキル:忍び足Lv2、気配希薄Lv2、精神耐性Lv2、契約魔法Lv1、筋力強化Lv2、クリーンLv2、暗視Lv2、隠蔽Lv5、気配察知Lv2、身体強化Lv2、俊足Lv1、直感Lv1、杖術Lv2、体術Lv1、

固有スキル:潜影Lv2、障壁Lv2

称号:次元の狭間を超えし者


格闘術を教わったからだな、体術スキルが増えている。スキルレベルも順調に上がっているな。おっ、潜影スキルLv2になってる。獲物の運搬が捗りそうだ。でも戦術の幅を広げるためにも、ロッドで殴る以外の攻撃手段も欲しいな。領都のスキル屋で良いスキルが手に入ればいいな。そういえば契約魔法の研究者が領都にいるって話もあったから会いに行ってみるか。無駄足だろうけどね。


のんびり領都での予定を考えていると、魔物の襲撃があった。フォレストウルフの大群だな。でも自分は馬車から降りない。足手まといだからね。護衛の冒険者の方々の見事な連携を乱してはいけない。チャールズさんもいるから安心だね。チャールズさんは動きが速すぎてほとんど何やってるのかも分からない。あ、今のは雷魔法かな。チャールズさん、魔法も使えるのか。かっこいいな。きっとこの人は英雄の生まれ変わりかなんかだろう。


その時、馬車後方からフォレストウルフの「ギャンッ」という鳴き声が聞こえた。前方ばかり気にしていて後方を見ていなかった。ハッと振り返るとそこには。


5匹の倒れたフォレストウルフと笑顔の素敵な店員のお姉さんが立っていた。


えっ。店員さんも戦えたの?武器持ってないんだけど、まさか素手でフォレストウルフ5匹倒したの?

ローレンス商会は入社条件に戦闘の心得がある者に限るとかあるんだろうか。あっ!ソフィーちゃんが店の裏でトレーニングしていたのはこういうことか!きっと新人教育として戦闘の心得を叩き込まれるんだ。ということはローレンス商会の従業員は全員強者ということになるな。ローレンス商会の保有戦力恐るべし。


店員のお姉さんが毛皮の剥ぎ取りを始めたので、俺も手伝うことにした。しかし、店員のお姉さんにいつもの眩しい笑顔はない。そこにあるのは戦士の顔だった。うん、凛々しいお顔も素敵だな。ギャップがまたいいよね。


その後は野犬が寄ってきたりといったことがあったが、追い払っていた。護衛依頼では無駄な討伐はしないそうだ。血の匂いで他の魔物が寄ってくるかもしれないし、何より依頼主にも予定があるのだ。時間を無駄にできない。ただし、魔物は追い払うことが難しいので、討伐するしかないそうだ。冒険者の方々から聞くお話はとてもおもしろく、道中楽しかった。


宿泊予定の村に到着した。

夕食後、フィデルさんから良いワインがあるから部屋で飲まないかと誘われた。この世界のうまい酒にまだ出会えていなかったので、俺は快諾した。缶ビールと焼き鳥の缶詰とチーズを持参して参加することにした。

ワインは確かに上質なもので、レイクスの街で飲んだものより遥かにおいしかった。この村の特産品らしく、高級な飲食店や貴族向けにしか販売されていないものらしい。ビールは故郷の酒だと言ったら大変喜んで頂けた。焼き鳥の缶詰は売ってくれと言われたが断った。ローレンス商会は雑貨屋として冒険者向けの商品が多数ある。その関係で保存食の取り扱いもしていたからな。缶詰はさぞ魅力的に見えたことだろう。缶詰の研究をしたいと言われたので、いくつかは渡しておいたが、作るのはまあ無理だろうな。


フィデルさんと2人、酒盛りをして夜は更けていく。

一人で飲むのが好きだが、心置きなく話せる相手との酒も悪くないな。

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