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第93話4-24エダーの港町

魔王が覚醒した幼馴染のミーニャを連れ戻す為にソウマたち姉弟は今日も何処かをさ迷っています。

お姉ちゃんに鍛えられながら果たしてソウマはミーニャを連れ戻せるのか!?

熱い姉弟(師弟)の物語です。


こ、今晩こそ!!(フェンリル談)


 「着いたわね。さあみんなエダーの港町に行くわよ」


 

 シェルさんはそう言って接舷が終わって降船の橋がかけられたそちらに向かう。

 僕たちもそれに付いて行くけど初めて見るノージム大陸はサボの港町同様に普通だった。



 「やっぱりここも魔王軍に占拠されているのかな?」


 「多分そうでしょうね。とにかくこちらは目立たないようにしないとね」



 僕の疑問に先を歩くシェルさんは少し声を小さくしてそう答える。

 


 エダーの港町に降りてみると衛兵がいそうな詰め所に魔王軍の悪魔がいた。

 しかし特に着岸した船の人間を確認する事も無くただそこに突っ立っている。


 と、高齢そうなおばあさんが大きな荷物を背負っていたけど目の前でこけてしまった。

 僕は慌ててそちらに行こうとするとなんと魔王軍の悪魔が手を貸しそのおばあさんを引き起こし荷物を持っておばあさんを送って行くようだった。



 「ねえあれって魔王軍の悪魔よね?」


 「信じられませんわ! 不浄な者のはずなのにですわ!!」



 思わずセキさんもエマ―ジェリアさんもその様子を見て驚きの声をあげる。

 確かに知らない人からすれば考えられない事だもんね。

 たまに村に発生していた悪魔たちなんか悪さばかりしていたのに。



 「ミーニャ、どうやら先生の言いつけだけは守っているみたいね?」


 「あ~、そう言えば。先生にお年寄りは敬いなさいって習ったもんね」



 「そう言うモノですの? 何か違うような気もしますわ‥‥‥」



 とにもかくにもこの様子だと皆さんにはご迷惑が掛かっていないようだし、ここで無理に僕たちが悪魔退治しちゃうとまたサボの港町みたいになっちゃいそうだもんね。


 僕たちは目立たないようにその悪魔たちを横目にその場を過ぎ去るのだった。



 * * *



 「さて、これからなんだけど場所的に元ルド王国に行くにはホリゾン公国の首都エリモアに向かい、そこからモルンの町を経て元ルド王国に行かなきゃならないわね」


 宿屋を見つけてみんなで食堂で今後の予定を話し合っている。

   

 「なのでとりあえずはヘミュンの町に向かうわね」



 「ヘミュンですか?」



 シェルさんの話では首都エリモアに行くには途中にヘミュンの町に行く必要があるそうだ。

 時期的にまだ寒くなる前なので動くなら早めにした方が良いらしい。

 勿論僕だって早くミーニャと会って村に連れ帰りたい。


 僕たちはその段取りを話し合ってから今日はもう休む事にした。

 明日は必要なものを手に入れ、出来れば馬車も欲しい所だ。


 宿屋で仕入れた情報だと町の出入りも魔王軍が管理しているらしいけど特にお咎めも無いからよっぽど怪しい人物でもない限りほとんど素通り出来るらしい。

 


 「シェルさん! それではおやすみなさい! さあソウマ、今夜こそ!」


 「何が今夜こそか分からないけど、それじゃぁおやすみなさい、シェルさん、セキさん、エマ―ジェリアさん」



 僕と姉さんはそう言って挨拶して二階に上がる。


 なんかエマ―ジェリアさんが真っ赤になってアワアワしているけどなんでだろう?

 そんな事を思いながら僕は姉さんと二階に上がるのだった。



 * * *  



 「なっ!? なにこれっ!?」



 「ああ、よかった。ここはベッドちゃんと二つあるね。これでゆっくり眠れそうだ」


 なんか姉さんは大騒ぎしているけど僕はとっとと装備を外して下でお湯をもらってきて体を拭いて眠る準備をしていた。



 「ソ、ソウマぁ! ねぇねぇ、明日から又野宿だから一緒に寝ようよぉ~」


 「ふぁぁ~、なら余計によく寝なきゃだもんね。お休み、姉さん」



 僕は布団にくるまってふかふかのベッドで気持ちよく寝息を立て始める。

 でも姉さんはなんか僕の周りであれやこれやと言ってるみたいだけどふかふかのベッドに包まれるともう気持ちよくて気持ちよくて~。



 「もう、ソウマぁ~!! ソウマのいけずぅっ~~~~!!!!」




 最後に僕が聞いたのはなんか情けない姉さんの声だったのだ。 



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