表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/220

第83話4-14記憶の断片

魔王が覚醒した幼馴染のミーニャを連れ戻す為にソウマたち姉弟は今日も何処かをさ迷っています。

お姉ちゃんに鍛えられながら果たしてソウマはミーニャを連れ戻せるのか!?

熱い姉弟(師弟)の物語です。


うらやましいですわぁっ!(エマージェリア談)


 「シェル様、セキ様、そしてティアナ様本当にありがとうございました」


 

 戦場から戻ってきた僕たちはお城に戻っていた。

 そして状況をアナス王女様に報告したら手を取ってシェルさんたちは感謝されていた。

 姉さんは「ティアナ様」とか言われちょっと引きつった苦笑を受けベている。


 「とりあえずはリリスが魔王にソウマが行くって事を伝えたから魔王軍の侵攻はいったん休憩ね。でもアナス、守りは厳重にね。あの魔王は強いわ」


 シェルさんはそう言ってアナス王女様の頭を撫でる。

 執務室で他に人が少ないからかな、ずいぶんとシェルさんがアナス王女様に優しい。



 「ううぅ、うらやましいですわ。私も頑張ったのに、シェル様ご褒美くださいですわ!」


 指をくわえてその様子を見ていたエマ―ジェリアさんはシェルさんにそう要求する。



 「しかし、あの魔王軍確かに今までの悪魔どもと質が違っていたわね? あたしには敵わなくともそこそこの連中がいたもんね」


 「それだけ本気だったって事よ。でも魔王自体は部下に任せっきりってどう言うつもりかしら?」



 僕はそれを聞いて思い当たる節があった。


 ミーニャって気分屋だし面倒な事は結構他人任せにするんだよなぁ~。

 でも僕が戦争に関わるなら侵攻を止めるとか、何処まで本気で世界征服するつもりなんだろうか?

 

 もしかしてそろそろ飽きて来た?

 

 ありうる。

 ミーニャってばつまらなくなると放り出す癖もあるし、興味のあること以外は全然やる気が無いしなぁ。


 僕がそんな事を思っていると姉さんがシェルさんに聞く。



 「それでシェルさん、すぐにでも北の元ルド王国ってところへ向かうのですか?」


 「それなんだけど、ホリゾン公国のゲートはどうやら潰されてしまった様なのよ。他にも北の大陸にあるゲートを調べてもらったのだけど何処もかしこも使えなくなっているらしいの。となると、陸路を進むしかなくなるのだけどね」


 シェルさんはそう言ってアナス王女様を見る。


 「私たちが行っちゃうとすぐには助けにはこれないわ。大丈夫アナス?」


 「シェル様、ありがとうございます。しかし私もこの国を治める者、次こそは遅れをとりません。ティナの国の国庫を開き更に『鋼鉄の鎧騎士』を、そしてユーベルトの叔父様にも連絡をしてマシンドールたちを都合してもらいます。大幅に戦力を増強します!」


 アナス王女様はそう言ってぐっとこぶしを握る。

 シェルさんはそんなアナス王女様の様子を見て優しく微笑み、そっと頬に手を添える。



 「アナスは昔から頑張り屋さんだものね、分かったはこの国はアナスに任せる」


 「はいっ!」



 シェルさんにそう言われアナス女王様はとても嬉しそうにする。



 「うううぅぅぅっ、うらやましすぎますわぁっ!」


 エマ―ジェリアさんがハンカチを噛んでキーっとかしている。

 


 「陸路かぁ。北の行った事の無い所へ‥‥‥ そして宿屋で泊まるとなればこれは絶好の機会ね! ソウマ、お姉ちゃん頑張るからね、ちゃんと優しくリードするからね!!」


 「はぁ? まあ、ミーニャの所に行く前に鍛錬で鍛えてもらうのは良いんだけど」


 なぜか興奮する姉さんに首をかしげる僕だった。



 * * * * *



 「ソウマ君、でしたね? 少しいいでしょうか?」


 「はい? ああ、アナス王女様、何か僕に?」



 魔王軍を撃退したと言う事でお祝いの宴が開かれていた。


 ティナの国は小国だと言うのに食べ物もおいしくお酒もセキさんが喜ぶ強いお酒とかも有ってとても盛り上がっていた。

 僕はちょっと疲れたのでベランダで少し涼んでいたらアナス王女様に声を掛けられた。



 「あなたのお姉さんであるフェンリルさんはティアナ様の生まれ変わりと聞きますが、その、記憶は本当に戻っていないのでしょうか?」


 「はい? 姉さんですか? さあ、僕も良くはわかりませんが姉さんはなにも思い出していないと言ってますけど」


 「そうですか‥‥‥ 実はこの城にはティアナ様にしか扱えない『鋼鉄の鎧騎士』が封印されているのです。『赤の騎士』になるのはフェンリルさんの命に係わるとは知りませんでした。それで、もしよろしければ封印されている『鋼鉄の鎧騎士』をお渡しした方が良いのかと思いまして‥‥‥」


 僕は宴が開かれている会場を見る。

 姉さんはセキさんと一緒に杯をかかげながら美味しそうに肉にかぶりついていた。



 「それって、姉さんを呼んで来た方が良いですか? それともシェルさん?」


 「あ、いえ、その、封印されている『鋼鉄の鎧騎士』はティアナ様の記憶が戻らないと解けないと言い伝えされているのです。その力はオリジナルの『鋼鉄の鎧騎士』の中でも破格で空でさえ飛べたとか」



 えっ?


 「鋼鉄の鎧騎士」が空飛べるって、もしそれが本当ならとんでもない事じゃないか!?

 ただでさえ強いのに空まで飛べたら竜族だって敵わないんじゃないだろうか?



 「あの、だったら余計に姉さんを呼んで来てその『鋼鉄の鎧騎士』の封印を解いた方が良いんじゃないのですか?」


 「ええ、私もそう思いますが‥‥‥」


 アナス王女様はそう言ってちらりと宴を見る。

 

 「それにはフェンリルさんがティアナ様の記憶を思い出さなければならないのです。シェル様は無理矢理に記憶を呼び戻すと今の人格と昔の人格がぶつかり合って最悪は心が破壊されてしまう可能性があると仰っています。なので私もどうしてよいのやら‥‥‥」


 アナス王女様はそう言って申し訳なさそうにする。

 でも、もしそれが本当なら試してみる方が良いんじゃないだろうか?



 「アナス王女様、それでもやっぱり試してみる価値はあると思います! 姉さんたちを呼んできますね!」




 僕はそう言ってすぐに宴の中に戻って行くのだった。

 


面白かったらブックマークや評価、ご意見ご感想をよろしくお願い致します。

誤字脱字等ございましたらご指摘いただけますようお願い致します。


蚤の心臓の私たちですのであまりいじめないでください。

どうぞ、日本海のような広いお心と生暖かい目で見ていただけますと助かります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] >「アナス王女様、それでもやっぱり試してみる価値はあると思います! 姉さんたちを呼んできますね!」 「地球が駄目になるかならないかなんだ!  やってみる価値ありますぜ!」  実際はやっ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ