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第81話4-12悪魔将軍

魔王が覚醒した幼馴染のミーニャを連れ戻す為にソウマたち姉弟は今日も何処かをさ迷っています。

お姉ちゃんに鍛えられながら果たしてソウマはミーニャを連れ戻せるのか!?

熱い姉弟(師弟)の物語です。


あたしの活躍を見よ!(セキ談)


 「三十六式が一つ、ランス!!」



 アイミが両の手を腰に構え爆炎を上げて魔人に飛び込む。

 そして腰に溜めていた拳を両方一気に突き出し魔人に打ち込む。


 全体重、前進力を乗せたその一撃は魔人に大きな風穴を開けて突き破ってしまう程だった。



 パーンっ!!



 アイミに倒された魔人は青いキラキラした光になって霧散してしまった。



 「これであらかたの魔人は倒した! アイミ次行くわよ!!」



 ぴこっ!



 アイミと同調している姉さんは身動きできないけどそれを僕がガードする形でたまにやって来るレッサーデーモンたちを切り裂く。


 向こうではセキさんがかなりの数のアークデーモンを葬り去り、ティナ軍もそれに加勢する形で取りこぼしたアークデーモンたちを取り囲み仕留めている。


 上空もシェルさんの精霊魔法で風の精霊や光の精霊たちをぶつけてその数を減らしている。



 「流石シェル様、セキ! 圧倒的ですわ!!」


 エマ―ジェリアさんは防御魔法をかけたり負傷した兵士たちの回復をしたりと大忙しなのに時折みんなの様子も確認している。

 たまに僕の受けた傷も【回復魔法】を飛ばして来て治してくれる。

 おかげで弱い僕でも姉さんのガードが続けられている。



 戦闘は僕たちの参戦により流れが完全に変わって来ていた。


 が、魔王軍を押し返し始めた時だった。



 ドガぁーん!!



 大きな音のした方を見るとティナ軍の「鋼鉄の鎧騎士」が宙に跳ね飛ばされていた。

 

 「何っ!?」


 姉さんは音のした方を見る。

 つられて僕やエマ―ジェリアさんもそちらを見るとそこに魔人とは違った鎧を身に着けた悪魔が立っていた。




 『人間如きに遅れをとるとは! この悪魔将軍が相手をしてくれるわ!!』



 そう言って手に持つ槍を振り回す。

 魔人と同じくらいの大きさがあり、「鋼鉄の鎧騎士」とも同じくらい。

 と言う事は身の丈六~七メートルもあるって事!?


 ティナ軍の「鋼鉄の鎧騎士」たちがすぐにそちらに向かう。

 だけどその悪魔将軍は槍を振り回し「鋼鉄の鎧騎士」たちを吹き飛ばす。



 『こんなものか!?』


 そう言って残った目の前の「鋼鉄の鎧騎士」を横殴りに槍で吹き飛ばそうとした時だった。



 「骨のある奴が出て来たじゃない!?」



 がきぃいいぃぃんっ!



 『何!?」



 横殴りの槍はそこに割って入った小さな赤い物体に受け止められてしまった。

 それは紛れもないセキさん、「爆竜のセキ」と呼ばれる赤竜の化身。



 「あたしが相手になってやるわ! 喰らえ、ドラゴン百裂掌!!」



 カッ!



 セキさんの腕が光り無数の掌が飛び出す。

 それは一つ一つが強力な竜の爪を持つモノ。



 『ぬおっ!』



 しかし悪魔将軍はそれを鎧をうまく使って防ぎながら数歩後ずさる。



 『この俺を退けさせるとは! 貴様何者だ!?』


 「あたしはセキ、『爆竜のセキ』よ!」



 両の爪に炎を燃やしながらセキさんは構える。

 それを見た悪魔将軍も槍を構え直す。



 『爆竜とな? 貴様があの赤竜か!? 面白い、女神殺しの古竜となれば相手にとって不足は‥‥‥ ぶぅっ!?』


 

 どかんっ!



 しかし構えた悪魔将軍の足元がいきなりせり上がって悪魔将軍を吹き飛ばす。



 「えーと‥‥‥」


 セキさんは吹き飛ばされる悪魔将軍を見てから周りを見てシェルさんを見つけ出す。



 「シェル! せっかく良い所だったのになに手出ししてんのよ!?」


 「え? だって相手は悪魔でしょ? 面倒だもの動きが止まったならちゃっちゃと退治しないと」



 シェルさんは精霊魔法で大地を爆発するかのように隆起させていた。

 周りにいたアークデーモンも一緒に吹き飛ばされ光の粒子になって消えていく。



 『お、おのれ、不意打ちとは卑怯な! ぐぼっ!?』



 どがっ!



 よろよろと立ち上がった悪魔将軍の頭頂部にアイミの回転かかと落し、ガレント流無手三十六式体術が一つバトルアックスが奇麗に決まる。



 「あら? なんか他の魔人より硬いわね? でもアイミと私ならいける!! アイミ!!」


 ぴこっ!



 『ちょ、ちょっとマテぇぃっ! 今俺は赤竜と対峙してんだぞ? 何横からボコボコ攻撃してくんだよ!? お前らの相手は後でしてやるから順番を守れよ!!』  


  

 ちょっと涙目の悪魔将軍はそう言いながら割れた兜を脱ぎ捨てる。



 『全く兜が無かったら危なかったわ! だがこれくらいでこの俺は倒せんぞ!!』



 うーんあれって本当に大丈夫なのかな?

 頭がアイミの蹴りでへこんでるみたいだけど‥‥‥



 僕がそんな事を思っているとセキさんが吠えた。


 「何はともあれ、行くわよ! はぁっ! 【赤光土石流拳】!!」



 どっ!


   

 それは赤く光る土石流の様に沢山の拳が押し寄せる技。

 ドラゴン百裂掌何て目じゃない程の怒涛の拳が押し寄せる。




 しかしその迫りくる技に悪魔将軍は口元に笑いを張り付かせるのだった。

 


面白かったらブックマークや評価、ご意見ご感想をよろしくお願い致します。

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蚤の心臓の私たちですのであまりいじめないでください。

どうぞ、日本海のような広いお心と生暖かい目で見ていただけますと助かります。



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