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第7話1-7学園都市ボヘーミャ

魔王が覚醒した幼馴染のミーニャを連れ戻す為にソウマたち姉弟は今日も何処かをさ迷っています。

お姉ちゃんに鍛えられながら果たしてソウマはミーニャを連れ戻せるのか!?

熱い姉弟(師弟)の物語です。


はぁ~果実酒おいしぃ~!(シェル談)


 「『魔王』が覚醒しちゃったから手伝ってもらいたいんだけどなぁ。じゃ無いと彼女が出て来ちゃいそうだし、そのままこっちに来たら転生者を探し始めるって言うだろうし‥‥‥」



 シェルさんはそう言ってくいっと果実酒を飲み干す。


 「すいませ~ん、こっちおかわりおねが~い!」


 そして楽しそうにお酒の追加を注文する。

 姉さんはわなわなとしながらシェルさんに聞く。



 「あ、あの、シェルさんってなんで『魔王』の事を知っているんです?」



 「ん? ああ、ジルの村には『魔王』を始めいろいろと問題のある人たちが転生し易い様になってんのよ。だから本来は覚醒しそうになればあたしが行って『魂の封印』をするのだけど今回は間に合わなかったみたい。で、気付いた頃には北のホリゾン公国が壊滅的と」



 「「あ”あ”ぁっ!」」



 言われて思わず頭を抱える僕と姉さん。

 やばい、やばい、やばい!

 早く何とかしないと!!



 「それであなたたちの用事って何? 場合によっては私も手伝うわよ? そしたら『魔王』の方も手伝ってもらいたいんだけど‥‥‥」


 上目づかいでそう言ってくるシェルさん。

 


 どきっ!



 き、奇麗だなぁ‥‥‥

 なんなんだろう?

 思わず僕はドキドキしながらシェルさんのその様子を見る。



 ぎゅっ!



 「痛っ! ね、姉さん何するの!?」


 「ソウマ、何見てるのよ!」



 何故か姉さんに腕をつねられる。


 もう、本気でつねるから痛いじゃないか。

 あ、でもまだまだ本気じゃないか、本気だったら胡桃のように粉々になっていたか。



 「シェルさん、その大きな声じゃ言えませんが私たちもその『魔王』の子を連れ戻せって長老から言われているんです。私たちの用事ってのもそれなんですよ」


 姉さんは片手を口元に立ててシェルさんにこそこそとそう言う。 


 「ああ、そうだったんだ、じゃあ目的は同じね! だとすると、まずは装備を揃えないとなぁ。下手したらあの子『鋼鉄の鎧騎士』まで呼び出しちゃうかもしれないしなぁ」


 あっけらかんとそう言うシェルさんに僕たちも思わずきつる。



 「鋼鉄の鎧騎士」って言ったら稽古で何度ボコボコにされたことか!



 村の道場では鍛える為と言い旧型だとか言うオリジナルの「鋼鉄の鎧騎士」が置いてある。

 あれは魔法も跳ね返し、並の攻撃では傷一つつかないから木刀や棒では全く歯が立たない。

 僕はまだできないけど魔力を木刀に載せて斬撃する姉さんの技だって跳ね返しちゃうんだもんその強さはお墨付き。

 本来だったら姉さんは木刀でだって岩くらい豆腐のようにスパスパ切れるのに。



 「こ、『鋼鉄の鎧騎士』を呼び出すんですか!? ミーニャが!?」


 「ああ、もともとオリジナルの『鋼鉄の鎧騎士』は『魔王』だった子が作ったのよ。その後うちのが改修とかパワーアップしちゃったからオリジナルはその辺の量産機何て目じゃないからね。『巨人』すら簡単に倒しちゃう厄介な相手なのよ」



 いや、十分知ってます。

 でも村のやつより更に凄いやつなのか‥‥‥



 「この『なぎなたソード』でも歯が立たないのかなぁ‥‥‥」


 そう言って姉さんは腰に付けていた持ち手の物を取り出す。

 通常はこうやって刃がしまえるから場所を選ばなくて済むんだよね。



 「あらぁ! 懐かしい!! それってショーゴが使ってたやつね! 何処かに行っちゃったと思ったらこんな所に有ったのね!」



 シェルさんは姉さんの手元を見て驚いている。

 そして鬼神と言われた女神様の戦士の事も知っているみたい。



 「えっ、シェルさんこれ知っているの?」


 思わず聞いてしまう僕。


 「そうね、昔はそれの持ち主といろいろと冒険したもんね。懐かしい」


 そう言うシェルさんの顔はとても嬉しそうでそしてちょっと悲しそうだった。

  


 「ま、昔の話よ。フェンリルが今は使っているのね? 大事に使ってやってね」


 シェルさんはそう言ってまたまた果実酒を飲み干す。



 「ぷっはぁ~っ! 美味しい!! さてと、それであなたたち、これからなんだけど目的が同じなら話は早い。一緒にあたしとボヘーミャにまで行ってもらいたいの。そしてあの子を受け取りましょう! そうすればフェンリル、あなたになら扱えるわ!」



 そう言ってシェルさんはフェンリル姉さんを見る。

 姉さんは目をぱちくりしているけど自分を指さし言う。



 「あ、あたしですか?」


 「そう、あなたじゃ無きゃ動かせないからね!」




 そう言いながらシェルさんは三杯目の果実酒を頼むのだった。




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