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第54話3-13情報収集

魔王が覚醒した幼馴染のミーニャを連れ戻す為にソウマたち姉弟は今日も何処かをさ迷っています。

お姉ちゃんに鍛えられながら果たしてソウマはミーニャを連れ戻せるのか!?

熱い姉弟(師弟)の物語です。


さて、どんなお酒があるかな~?(シェル談)


 僕たちはサスボの村に着いていた。



 「ふぅ~ん、普通の村ね」


 「そこそこ大きいみたいですけどね」


 「ここならまっとうなお肉食べられるかしら?」


 「やっと着きましたね、エマ―ジェリアさん」


 「ふんっ! つーんだっ!!」


 『うーん、ここいらで良い男捕まえて補給しとこうかな?』


 ぴこぴこ



 村の入り口のここでみんな各々の感想を述べる。

 そして着いてみたら結構大きな村だった。


 村の入り口から中央広場まで奇麗に整地された道が有る。

 僕たちはその道に沿って歩いて行くといくつかお店が見えて来た。



 「とりあえず宿を取りましょう。それから情報収集ね」


 シェルさんはそういながら鍛冶屋っぽいお店の向こうにある酒場に入っていく。

 僕たちの村にもあったように一階が酒場で二階から上が宿泊出来る場所なのはここも同じようだ。



 「部屋は有る?」


 シェルさんはお店に入り一番奥のカウンターに行く。

 するとお店の人が顔をあげて少し驚いたような感じで答える。


 「珍しいお客さんだね。エルフを見るのは久しぶりだよ。部屋は開いてるよ」


 「そう、だったら部屋を二つお願いするわ、とりあえず二日分ね。これで足りる?」


 そう言ってシェルさんは金貨を一枚ポンと置く。


 お店の人は驚いて、「十分すぎるよ、何ならしばらく居ても良いよ!」なんて言っている。


 そう言えばシェルさんが出したのってガレント大金貨みたいだな。

 僕も初めて見る。

 確かガレント大金貨って普通の金貨の百倍の価値が有るって聞いたもんね。


 流石お金持ち!



 シェルさんは鍵をもらうとふり返ってピタッと止まる。


 「あ~、ソウマとフェンリルは同じ部屋として~」


 「私はシェル様と一緒ですわよ!」


 「まあ、あたしはエマと一緒にいなきゃだしね」


 シェルさんもエマ―ジェリアさんもセキさんもそう言ってリリスさんを見る。



 『ん? あたし? ああ、あたしはお腹すいたし別に人間と同じく寝泊まりする必要は無いからこの村の美味しそうな男たちをいただくわ。ああ、勿論合意の上でね。ちゃんと魔王様の言いつけは守っているからあたしは気にしなくて良いわよ。毎朝ここへ来るから出発前に教えてね~』



 そう言って腕まくりしながら『捕ったるどぉ~っ!!』とか言って元気に出て行った。


  

 体食べられるのを承諾する人なんているのだろうか?

 僕は首をかしげているとエマ―ジェリアさんは真っ赤になって僕の顔を見るとプイっと横を向いた。


 うん、まだ機嫌が悪いんだなぁ。

 あの後謝っても許してもらっていない。



 「ソウマと一緒、うふふふふ~」


 「姉さん、ベッドは別々だからね!」


 「がーんっ! ソ、ソウマのいけずぅっ!!」



 先に姉さんを牽制しておかないとすぐに一緒に寝ようと言って抱き着いてくるんだもんなぁ。

 寝にくくて仕方ないってば!


 

 「さてと、とりあえずもうじき夕食ね。丁度ここは酒場みたいだからここから聞き込みしましょうか?」


 シェルさんはそう言って早速テーブルについてオーダーを取り始める。


 「ウェイトレスさぁ~ん、とりあえずお酒!」


 「あ、シェルあたしはお肉が先!」


 「シェル様、ここって果物も豊富ですって! いただきましょうですわ!!」


 ああ、こうなっちゃうともう止まらないな。

 シェルさんああ見えてお酒好きだしなぁ。

 こりゃぁ情報収集は明日からかな?


 苦笑しながら僕たちもテーブルに着く。

 そして色々と料理や飲み物が運ばれてくる。



 「あら、このお酒美味しいわね!」


 「へえ、この鳥の丸焼きいけるわ!」


 「フルーツサラダと言うのも甘くておいしいですわ!!」


 「ほんとだ、素朴な感じだけど、どれもこれも美味しいわね!」



 料理や飲み物に手を付けるとみんな驚き絶賛し始める。

 僕も早速料理に手を出すけど確かに美味しい!


 僕たちは夢中で料理を食べる。


 「うん、本当に美味しいね、姉さん‥‥‥ あ、あれ?」


 なんか急に眠くなってきちゃった。

 疲れているのかな?


 みんなで楽しく食事していたのになんだか眠気がどんどんと‥‥‥


 「なんか疲れたのかな? 急に眠気が‥‥‥ えっ?」



 どうしようもなく眠くなってきていた僕が最後に見たのはお酒に強いはずのシェルさんが気持ちよさそうに眠っている姿だったのだ。


 

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