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第32話2-11長老たち

魔王が覚醒した幼馴染のミーニャを連れ戻す為にソウマたち姉弟は今日も何処かをさ迷っています。

お姉ちゃんに鍛えられながら果たしてソウマはミーニャを連れ戻せるのか!?

熱い姉弟(師弟)の物語です。


え、えへへへぇ~

それでですねぇ~(シェル談)


 「それで初めての時はどうじゃった!? よかったのかえ??」


 「いやぁ、それはそのぉ‥‥‥/////」

 

 「シェルよ、痛かったのか? それとも!?」


 「うむうむ、うい話じゃ、儂の時もガーベル様になぁ」


 「で、そこまで胸を大きくされたんじゃろ? どうなんじゃ!?」



 向こうでシェルさんたちが長老さんたちに捕まって何やら取り込んだ話をひそひそとしている。

 そして何か有るたびにエマ―ジェリアさんが「きゃーっ!」とか「そんな事までですのぉっ!?」とか騒いでいる。

 一体どんな話をしているのだろう?



 僕たちはそんなシェルさんたちとは別にファイナス市長と一緒に木の裏から出てきたロンバさんというハーフエルフの初老の人と話をしている。


 挨拶して分かったけどこの人ってメル長老さんの息子さんなんだって。

 見た目はメルさんよりずっと年上なのにハーフエルフだからメルさんたちよりずっと歳をとるのが早いらしい。

 ちなみにもう玄孫やしゃごまでいるそうだ。


 そうなるとメルさんっていったい幾つなの!?


 

 「それでファイナスさん、状況はどうなんですか? やはりこのエルフの村も『魔王』に狙われるのでしょうか?」


 「渡りの情報ですと一般市民には魔王軍は手を出していないそうです。但し抵抗する者には容赦がないとか。ホリゾン公国軍は完膚無きまでに叩きつぶされたとの話です」



 そう言えばミーニャって昔から何か有ると徹底的にやる癖があったよなぁ。

 僕がいじめられるとすぐにそのいじめた子たちを泣いて謝るまで殴り飛ばいていたよなぁ。



 「あのぉ、それでこのエルフの村には変化無いのですか? ボヘーミャのエリリアさんからはマシンドールのアイミが復活するとこのエルフの村に災いが訪れるってお告げがあったって聞いてますけど‥‥‥」


 姉さんは申し訳なさそうにそう言う。

 確かにミーニャのせいでこの村に何か有ったら僕たちの責任でもあるもんなぁ。


 「今の所特に変わったことは無いですね。ただ、過去には何度も『魔王』はこのエルフの村を襲っています。今まではシェルがちゃんと『魔王』の魂を『魂の封印』の秘術で覚醒を阻止していましたからね。この千年以上大人しかったのですが」


 ファイナス市長はそう言ってため息をつく。


 「私はその頃の事をよく知りませんが女神様が『魔王』の魂をジルの村に転生出来るようにして管理していたのですよね?」



 え?

 僕たちの村にずっと転生していたって事?



 「あの、どうも僕たちの村って話を聞いているといろんな人が転生しているみたいに聞こえるんですけど‥‥‥」


 思わず僕はそう聞いてしまう。

 するとロンバさんは僕を見てからファイナス市長を見る。

 ファイナス市長は何も言わずに頷くとロンバさんは僕たちに向かって語りだした。



 「ソウマ君だったかな? 君たちには何も知らされていないのだったね。君たちの村には女神様が問題のある人物や力のある人物の魂が転生し易い様にしているのだよ。だから君たちの村はほとんどが英雄クラスの人物ばかりでね、他の地域から比べると超人的な人物ばかりがいる場所なんだよ」



 さらっと今とんでもない事言わなかった?

 英雄クラスの人が転生する?

 超人的な人物が多い??



 「じゃ、じゃあ僕もその可能性が有るんですか!? 姉さんを助けられるくらい強くなれるんですか!?」



 「ソウマ君、落ち着きなさい。私には君の魂を見るという事はできませんがシェルが君の事をどう言っていますか?」


 思わず聞き込んでしまった僕にファイナス市長はやんわりと聞いてくる。

 

 「僕はもっと強くなれるって。セキさんもそれは保証するって‥‥‥」


 僕は思わずシェルさんやセキさんの言葉を思い出してそう言う。

 するとファイナス市長はにっこりと笑って優しく言う。


 「ならばソウマ君はもっと精進する事ですね。フェンリルさんは既に『同調』が出来るようになったそうです。すべてを思い出さなくても彼女は強くなったでしょう。ソウマ君も鍛錬を積めばその高みに届きますよ」


 ファイナス市長はそこまで言ってからフェンリル姉さんを見る。

 姉さんはその言葉を受け頷く。


 「大丈夫、ソウマは私がきっと立派な男にして見せます。それが父さん母さんとの約束ですしね」



 父さん母さんとの約束‥‥‥


 

 僕の両親は僕が物心つく前に死んでしまった。

 以来姉さんが僕の姉であり親でありそして師匠でもあった。

 

 僕は姉さんを見る。

 姉さんはにっこりと笑って僕を見ている。


 そう、僕の大切な姉さん。


 ミーニャを連れ戻すこの旅だって姉さんの足を引っ張らないくらいにはならなきゃいけない。

 僕はもっと鍛錬を積んで強く成らなきゃいけない。



 「も、勿論ソウマを大人の男にするのも私の役目‥‥‥ だからずっと初めてもとってあるし、お姉ちゃんは何時でもいいんだよ!? /////」



 はぁ?

 何それ?

 大人の男って何!?



 「くっ! 分かります! フェンリルさんその気持ちわかります!! 義姉さんに兄さんを取られましたがいつかきっと振り向いてもらえると思って私だって大事に取ってあるんです!!」


 ソルミナさんがなぜか興奮して姉さんに握手を求める。



 がしっ!



 「そうよ、愛の力は偉大なのよ!!」


 「そうですよ! 諦めたら負けです!! 一緒に頑張りましょう!!」



 なんなんだろう‥‥‥

 何故か姉さんとソルミナさんが意気投合している。



 そんな姉さんとソルミナさんの様子を見てファイナス市長はつぶやく。


 「どうもシェルが戻ってくるといろいろと問題ばかり増えるような気がしてきました。どうしてシェルたちにかかわる人たちは‥‥‥」


 「ファイナスさん、今に始まった事ではないでしょう? シェルさんが関わればこうなってしまいますよ‥‥‥」



 何それ?

 なんかファイナス市長もロンバさんも諦めた顔でため息ついている!?




 「そんなの駄目っ! ソウマ君の初めての相手は私って決まっているのよ!!」




 その聞き慣れた声に僕たちは驚きふり返るのだった。


  

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