表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/220

第28話2-7村の噂

魔王が覚醒した幼馴染のミーニャを連れ戻す為にソウマたち姉弟は今日も何処かをさ迷っています。

お姉ちゃんに鍛えられながら果たしてソウマはミーニャを連れ戻せるのか!?

熱い姉弟(師弟)の物語です。


私も行きます!!(ソルミナ談)


 古い女神様の分身であるエリリアさんの神託を受け僕たちはシェルさんの故郷、エルフの村に行く事となった。



 「私も付いて行きます! ソルガ兄さんが心配です!!」



 そう言って飛び込んできたのはシェルさんと同じエルフのソルミナ教授という人らしい。

 シェルさんと同じく耳が長いけどソルミナさんはその金髪をショートカットで肩にかかるかかからないかくらいにしている。

 シェルさん以外のエルフの人は初めて見たけどシェルさんと同じくらいの歳に見えるこの人も美人だった。



 「ソルミナ姉さん、ここの授業は良いの?」


 「課題を出しておきました、私が戻って来るまでに絶対に終わらないものを!!」



 いや、それ学生さんが可哀そうでない?

 この学園ってそんな無茶な課題出すの?



 僕がそう思っているとこのゲストハウスのロビーに来ていた学園長さんはお茶を飲んでから言う。


 「ソルミナ教授の予算は据え置きのままで良いですね?」


 にっこりと笑う学園長さん。

 「びきっ!」と固まるソルミナさん。


 「いや、学園長、今回の研究は非常に重要でして、買い入れなければならない媒介も多くてですねぇ‥‥‥」


 ぴこっ!


 しゅたっとアイミが片手をあげる。

 どうやらソルミナさんに挨拶している様だけど最後には学園長に土下座して頼み込んでいるこの人って本当に教授なの?



 「わかりました、では研究費は出しますがソルミナ教授のお給金は三割ほど六か月減らすという事で手を打ちましょう」


 「ええっ!? そんなご無体なぁっ!」


 

 どうやら話が終わったようだ。

 ソルミナさんは肩を落としアイミに挨拶を返してから驚きそちらを振り返る。



 「あ、あれっ!? アイミって封印されていたんじゃ無かったの!?」



 「ソルミナ姉さんどこまで話を聞いているのよ?」


 「いや、ソルガ兄さんがマニー義姉さんと喧嘩して分かれそうだって話までだけど? この機会は逃せません! 今度こそソルガ兄さんを私のモノにするのです!」



 いや、そんな話初めて聞きますけど?

 僕たちが行くのはシェルさんがエルフの村が心配になって行くのであってそのソルガさんとか言う人のご家庭の事情は全く知らないんですけど!?



 てっきりシェルさんがミーニャの事話して同じエルフのソルミナさんが心配でついてくるって言ってるのかと思っちゃった。



 「ソルガ兄さんがねぇ‥‥‥ 頑張って子供三人も作ったのにマニー義姉さんと別れる? 本当だかどうか」


 シェルさんは腕組みしてため息ついている。

 と、今更ながらにソルミナさんは僕たちに気付く。


 「あれ? そう言えばこの子たちって誰ですか?」


 「あ、初めまして。僕ソウマって言います」


 「初めましてフェンリルです」


 僕と姉さんはソルミナさんに挨拶すると慌てて挨拶を返して来る。


 「ソルミナです。ボヘーミャで教授をやっている者です」


 そう言って握手を求めてくる。

 僕と姉さんは握手をするとシェルさんが付け加える。



 「彼女はアイミを受け取りに来たの。そして『魔王』を何とかするのに協力してもらうのよ。ソウマは彼女の弟」


 「アイミを? 『魔王』を??」


 ソルミナさんはそこまで言って姉さんをまじまじと見る。


 「もしかして‥‥‥」

 


 と、ここでセキさんが割り込む。


 「それでシェル、何時エルフの村に行くのよ?」


 「エルフの村と言えば精霊都市ユグリアの近くでしたわね? とても奇麗な街と聞いていますわ」


 セキさんやエマ―ジェリアさんも一緒に行くわけだけど結構な大所帯になりそうだな。



 「とにかく急いで行ってみたいわ。取り越し苦労になれば良いのだけど。明日には出発するわね。ユカ、何かあったら連絡するからよろしくね」



 「わかりました。所でシェル、マーヤには会って行かないのですか?」


 お茶をすすり学園長さんはシェルさんを見る。


 「元気なのでしょう? ならいいわ。ユカがちゃんとマーヤを愛してくれればね」


 「そ、それは勿論です。マーヤとはちゃんと仲良くやっています、あなたたちと同様にね////」


 それを聞いてシェルさんはにまぁ~っとする。

 そして「おさかんね」と言うと学園長さんは両手を頬に当て真っ赤になってくねくねする。

 凛とした感じの学園長さんだけどマーヤさんとか言う人の話になると何故かデレデレになっちゃうんだね。



 「何故だろう、どうも最近女性同士で仲が良い人があたしの周りに増えているような気がしてならないわね‥‥‥ ソウマぁ、お姉ちゃん怖い~」


 そんな事を言いながら姉さんは僕に抱き着いてくる。



 もう止めてって言ってるのに!




 相変わらず僕は姉さんの胸で窒息しそうになるのだった。



 * * * * *



 翌日僕たちはゲートへ行って精霊都市ユグリアへ向かおうとする。



 「それじゃ行ってくるわね」


 見送りの学園長さんとエリリアさんにそう言ってシェルさんは魔法陣を起動しようとする。



 「ああ、シェル言い忘れましたがファイナス市長が必ず寄るように言ってましたよ? 忘れずに行きなさい」


 「えっ!? ファイナス長老が!? あ、ちょっと、どう言う事よ!? ユカ! ちょっとぉっ!!」




 シェルさんの慌てたその姿を見ながら僕たちは精霊都市ユグリアに転移するのだった。

 


面白かったらブックマークや評価、ご意見ご感想をよろしくお願い致します。

誤字脱字等ございましたらご指摘いただけますようお願い致します。


蚤の心臓の私たちですのであまりいじめないでください。

どうぞ、日本海のような広いお心と生暖かい目で見ていただけますと助かります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ