第21話1-21ソウマとエマ―ジェリアの閑話
魔王が覚醒した幼馴染のミーニャを連れ戻す為にソウマたち姉弟は今日も何処かをさ迷っています。
お姉ちゃんに鍛えられながら果たしてソウマはミーニャを連れ戻せるのか!?
熱い姉弟(師弟)の物語です。
ソ、ソウマ君とフェンリルさんの関係ってもしかしてですわ!?(エマージェリア談)
「ソウマ君、ちょっと良いかしらですわ?」
珍しくエマ―ジェリアさんから声を掛けて来てくれた。
僕は食事が終わりお風呂に行こうとしていた所だった。
「はい? 良いですけど??」
するとエマ―ジェリアさんは周りをきょろきょろと見る。
一体何なのだろう?
「ソウマ君とフェンリルさんって姉弟なのですわよね?」
「はい、そうですけど?」
僕がそう答えるとエマ―ジェリアさんはジト目で僕を見る。
それはそれはあきれた感じで。
「ソウマ君はその、フェンリルさんの事どう思っていますの?」
「はい? 姉さんの事は大好きですし、尊敬してますよ? 僕に手取り足取り色々と教えてくれますし‥‥‥」
「てっ、手取り足取りぃっ!? きょ、姉弟でですの!?」
何を驚いているんだろう?
姉弟で鍛錬積むのって他の場所じゃそんなに珍しいのかな?
「た、確かに王族の中では近い間で一緒になる人もいるとは聞きましたわ‥‥‥しかしソウマ君たちもそうだったなんてですわ!!」
うーん、普通は姉さんとかに色々と教わらないもんなのかなぁ?
「ソウマ、いたいた。今日は疲れたでしょう? 一緒にお風呂入って洗ってあげるから行きましょうよ!」
「!?」
姉さんがやって来て一緒にお風呂入りたがる。
もういい加減僕も大きくなったし自分でもちゃんと洗えるって言ってるのに!
と、エマ―ジェリアさんがわなわなしながら姉さんに聞く。
「フェ、フェンリルさん、まさか本当にソウマ君とお風呂に一緒に入っているのですの!?」
「え? (昔は)よく入っているわよ? あそこの(頭とか)隅々まで私が洗ってあげないと奇麗にならにもんね。ソウマったら(頭を洗う時目をつぶると)ちょっと興奮して私に抱き着いてきてもう大変なのよ~」
にこにことほほ笑みながら姉さんはそう言う。
もう、恥ずかしいな。
確かに昔は頭を洗うのが苦手で目をつぶるとふらふらするから姉さんに抱き寄せられおっかないから姉さんにしがみついていた時もあるけど、姉さんの胸が大きくなってきてからはそれが大変で自分で洗えるよに練習したんだよなぁ。
「そ、そんな、姉弟でですわ‥‥‥ 不純ですわ! いけないのですわ!! 禁断の愛なのですわぁっ!!」
そう言いながらエマ―ジェリアさんは真っ赤になって手をバタバタ振りながらあっちへ走って行ってしまった。
取り残された僕たちはきょとんとしてそれを見送る。
「エマ―ジェリアさんどうしたんだろう?」
「さあねぇ? シェルさんに会えてうれしかったからおかしくなっちゃったんじゃない? それよりソウマ、久しぶりに一緒にお風呂入ろうよぉ~。お姉ちゃんがしっかりと洗ってあげるから!!」
「いらないってば。もう僕だって十二歳になるんだよ、自分でちゃんと洗えるってば!!」
「もう、ソウマのいけずぅ!」
その後しつこい姉さんを振り切って一人でお風呂に入る僕だった。
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