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第138話6-8フェンリルの勝負

魔王ミーニャと再会したソウマ、しかし彼女の魔王として力は絶大であった。

それでもソウマはミーニャを連れ戻そうと必死になる。

過去を思い出し魔王としての力を存分に発揮する魔王ミーニャに果たしてソウマは、姉のフェンリルは対抗する手段が有るのだろうか?

更に熱い姉弟(師弟)の物語です。


ここから我の見せ場だ!(麒麟談)

 

 ミーニャはトイレから戻ってくるとすっきりとした顔つきでびしっと姉さんを指さす。



 「さてフェンリルさん、いよいよ勝負ですよ!! この勝負あたしが勝ったらソウマ君をお嫁さんにもらう事に同意してもらい、あたしたちを祝福してもらいますからね!?」


 「くっ、ミーニャ! させない、ソウマの初めては私がもらうんだから!! お姉ちゃんがソウマの一番なんだから!!」



 カッ!


 がらがらどっしゃ~んッ!!



 背景が真っ暗になって雷が落ちる。

 そしてミーニャの背に雷神が、姉さんの背に風神が現れる!?


 僕は慌てて目をこするとそこには何も無かった。

 錯覚だろうか?



 「それで、どんなゲームで勝負するってのよ?」


 「そうですね、フェンリルさん相手ですからこれなんかどうですか?」


 そう言ってミーニャは指をパチンと鳴らすと少し離れた前に壁が現れる。

 そこには丸い的が二つ、そしていつの間にか足元には線が引かれ小さな台の上にはダーツが置かれている。



 「ダーツで勝負ってどうですか?」


 「いいわ、ルールは?」



 姉さんはミーニャと睨み合いながら台の側まで行ってダーツを取り上げその様子を見る。


 「そうですね、シンプルに交互に十本づつ投げ得点数で勝負しましょう。麒麟、リリス、ソーシャ判定をしなさい」



 『はっ、厳正に判定の役目うけたまわりました』


 『御意』


 『魔王様、のお心のままに』



 麒麟もリリスさんもソーシャさんていうお姉さんもミーニャの前に跪く。

 そしてミーニャも姉さん同様台の側に行く。



 「フェンリルさん、これで恨みっこ無しですよ?」


 「ええ、分かっているわ。でもミーニャだって負けたら大人しくして村に戻るのよ?」



 姉さんにそう言われミーニャはふっと笑ってから頷く。



 「ええ、約束しますよ! だからフェンリルさんも私とソウマ君の事、約束ですからね!!」



 そう言ってコインを一枚出し、ぴんっと跳ね上げる。


 「どうぞ」


 「裏ね」



 ぱしっ!



 手の甲に受け止めたコインをミーニャは押さえた手を放し覗き込む。


 「裏、ですか。ではフェンリルさんからですね」


 コインを台の上においてミーニャは線の前で待機する。



 『さあ始まりました魔王様ⅤS義理の姉のダーツ勝負、実況は異界の王の中の王、麒麟と~』


 『小ぶりな方が攻め甲斐が有るでしょ? のリリスと~』


 『お姉さんが相手してあ・げ・るのソーシャがお送ります』



 なんかいつの間にか向こうにテーブルが用意されその後ろに得点表示ボードが設置されそこに麒麟とリリスさん、ソーシャさんが座って実況中継を始めている!?



 ぴこぴこぉ~!



 なんかアイミもスカート穿いて両手にボンボン持ち出し姉さんを応援している!?



 『さあ、まずは先攻の義理の姉選手、この一手が高得点であれば魔王様に対するプレッシャーは計り知れないぞ!? どうですかリリスさん?』


 『序盤から緊張しますね、ここで五ポイント以上は取っておきたい所ですね』


 『ちなみに今回のダーツは中央が十ポイント、その周りが八ポイント、六ポイント、四ポイント、二ポイントとなっております。区切り線上の場合はその間のポイントとさせていただきますので我々審査員の判定が入ります。ご了承ください』



 麒麟が活舌な実況を始めリリスさんがコメントをしてソーシャさんが細かい説明をした。



 姉さんは投てき線の前に立ちダーツの具合を見てから息を吸い込み第一投を投げる!



 すぅうぅぅ~。


 ひゅんっ!


 とすっ!



 『おおっっとぉ! 義理の姉選手大胆に投げたそれは何と、ど真ん中だぁ!』


 『見事ですね、素晴らしい集中力です。まさしく弟を思うその執念が形になりましたね』


 『第一投、義理の姉選手十点獲得となります』



 姉さんはふっと口元に笑みを浮かべ僕を見る。

 僕の横ではぴこぴこ! とアイミが喜びにボンボンを振っている。



 「ソウマ! 見たお姉ちゃんの愛の力を!!」



 「浮かれるのはまだ早いですよ、フェンリルさん!」


 姉さんは僕に手を振っているのをミーニャは制して自分も投てき線の前に立つ。

 そして息を吸い込み大きく吐きながら目線だけは的に集中して言い放つ。



 「ソウマ君を愛する力は私だって負けない!」



 ひゅんっ!


 トスッ!!



 ミーニャは気合と共にダーツを投げた。 

 そしてそのダーツはミーニャの気合をまといそのまま的の中央に刺さった!



 『おおっとぉっ! 流石魔王様だ! 初手のプレッシャーをものともせず見事に的中央を射抜いたぁ!!』


 『流石ですね、これでまた最初からです。しかしこうなると精神的に余裕が有ったはずの義理の姉選手はせっかくの優位性を失った事になりますね? これは追われるプレッシャーがかかり次の一手が苦しいものになるでしょうか?』


 『魔王様も十点獲得になります』



 ソーシャさんが姉さんとミーニャのスコアにそれぞれ十点づつポイントを入れていく。



 「くっ、だけどまだまだ始まったばかり、ソウマへの愛は決して尽きないわ!!」


 「ふっ、それはこちらも同じ、さあ次の一手を投げてもらいましょうか、フェンリルさん!!」





 こうして緊張の中、姉さんは次のダーツを手に取るのだった。 


面白かったらブックマークや評価、ご意見ご感想をよろしくお願い致します。

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どうぞ、日本海のような広いお心と生暖かい目で見ていただけますと助かります。

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― 新着の感想 ―
[一言]  電動ダーツみたいな効果音を、悪ノリで入れるのも有りかも?  なんて思ってしまう、イタズラ心がムクムクと。  まあ、やったらやったで「なんか変な感じだ」と後悔するんだろうな、とも思うのは…
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