第135話6-5エマ―ジェリアの勝負
魔王ミーニャと再会したソウマ、しかし彼女の魔王として力は絶大であった。
それでもソウマはミーニャを連れ戻そうと必死になる。
過去を思い出し魔王としての力を存分に発揮する魔王ミーニャに果たしてソウマは、姉のフェンリルは対抗する手段が有るのだろうか?
更に熱い姉弟(師弟)の物語です。
胸ばかり、ソウマ君の馬鹿ぁですわっ!!(エマージェリア談)
「うふふふふっ、シェルさんとセキちゃんが脱落。後はフェンリルさん、あなただけですね?」
ミーニャは姉さんを見ながらニヤリと笑う。
「くっ! ミーニャ、次は私よ!!」
姉さんが前に出ようとしたらエマ―ジェリアさんが姉さんを制して前に出る。
それを見てミーニャは片方の眉毛をピクリと動かす。
「すみませんですわフェンリルさん、次は私にやらせてくださいですわ!」
そう言ってエマ―ジェリアさんはミーニャを睨む。
ミーニャは目を細め口元に笑みを浮かべ言い放つ。
「誰でもいいわ。でもこの勝負に負けたらソウマ君はあきらめてもらうわよ? そしてソウマ君と私の中をちゃんと認めて祝ってもらうんだから」
「わ、私はソウマ君の事は!」
「嘘おっしゃい! 絶対にソウマ君の魅力にひかれている! 分かるわよ、ソウマ君って素敵だもの!」
ミーニャはそう言って髪の毛を逆立てまるで猫のようにフーフー言っている。
エマ―ジェリアさんもキッとミーニャを睨んでいる。
そして何故か二人の後ろに竜と虎のにらみ合っている絵が浮かんで見える!?
「いいわ、こっちへ来なさい、お姉さま似のそこの子!」
「私にはエマ―ジェリア=ルド・シーナ・ハミルトンという立派な名前が有りますわ!」
ぴたっ!
「ハミルトン?」
「そうですわ! 私はハミルトン家が長女、エマ―ジェリア=ルド・シーナ・ハミルトンですわ!!」
ミーニャはエマ―ジェリアさんのフルネームを聞いて一瞬動きが止まった。
そしてもう一度エマ―ジェリアさんを見る。
「なるほど、道理でお姉さまに似ているはずか‥‥‥ 昔の私なら速攻で自分のモノにしていたでしょうね、でも今はソウマ君が欲しい。エマ―ジェリアとやら、ソウマ君はお前なんかに渡さないからね!!」
「だから私はソウマ君の事は‥‥‥」
言いながら僕を見るエマ―ジェリアさん。
そして真っ赤になる。
「ソウマ‥‥‥ だめっ! エマ―ジェリアさんまでソウマのこと好きになっちゃダメぇっ!!」
「ぶっ!」
姉さんは僕に抱き着きエマ―ジェリアさんから見えないようにする。
だから、エマ―ジェリアさんも違うって言ってるのにミーニャも姉さんも思い違いが酷過ぎるよ!
「ソウマ君は‥‥‥ソウマ君は手のかかる弟の様なもので‥‥‥ でも一緒にいると楽しくて‥‥‥ だから、だからずっとあなたと一緒にソウマ君がいるのはうらやましいのですわぁ!!」
はい?
エマ―ジェリアさん今なんて言ったの?
「やっぱりね‥‥‥ でも負けないわ! さあこれで勝負よ!!」
ドンっ!
いきなり床がせり上がり円形の台が上がって来た。
そしてミーニャとエマ―ジェリアさんのすぐ近くに簡易のカーテンルームが現れる。
リリスさんはそのカーテンルームの前に現れミーニャに跪く。
『魔王様、こちらに用意いたしました』
「ご苦労、エマ―ジェリアとやら、貴様年は幾つ?」
「じゅ、十四歳ですわよ! それが何だと言うのですの!?」
ミーニャはエマ―ジェリアさんを見て笑う。
「ふぅ~ん、じゃあもうすぐ成人じゃない? それでその程度なの?」
「な、何がですの!?」
ミーニャはすっとリリスさんに手を差し出す。
するとリリスさんは何かをミーニャに手渡す。
「ふん、私より一つ年上だったのね? でもそんな貧相な体つきで私のソウマ君を誘惑するとは笑止千万! このゲームでソウマ君にその貧相な体つきを見てもらうがいい!!」
言いながら掲げたのは水着?
僕がそんな事を疑問に思うとリリスさんと同じ格好をしたお姉さんがエマ―ジェリアさんにも水着らしい物を手渡す。
「いい事、この水着を着てこの台の上で尻相撲で勝負よ!!」
「はぁっ!? な、何で私がそんな破廉恥な格好で、し、尻相撲などと言う痴虐を受けなければならないのですの!?」
真赤になりながらエマ―ジェリアさんはミーニャに食って掛かる。
しかしミーニャは涼しい顔で言い放つ。
「ふん、やっぱりその歳で女としても魅力に自信が無いのね? 私はこの一年弱で゛B″になったのよ! 成人までにはそこのフェンリルさんにだって負けはしない! ソウマ君は胸の大きな女性が好きなのよ!!」
「なっ!? ソウマ君それって本当ですの!?」
「え? あ、いやそれは‥‥‥」
「ソウマは大きいのが好きに決まっているじゃ無いの! いつも私の胸で気持ちよさそうにしているもん!」
いや、窒息しそうになってるんだよ姉さん。
それに胸の大きさなんて考えた事なんかないよ。
毎日のように姉さんの胸に押し付けられ苦しい物だって認識しかないって。
「そ、そんな‥‥‥やっぱりソウマ君も大きい方が良いのですの!?」
「え? だから‥‥‥」
「私の見立てではエマ―ジェリア、貴様の胸は゛A″だな? ふはははははっ! この勝負やる前からあたしの勝ちね!」
僕が答えようとするとミーニャが遮って腰に手を当て大笑いをする。
一体どうなったんだと思いエマ―ジェリアさんを見ると下を向いてふるふると震えている。
「良いですわ‥‥‥ その勝負受けてやろ―じゃないですの!! 何なのですの胸ばかり! マントで隠していますけど、あなただってまだお尻なんかぺったんこじゃないですの!! その点私お尻には自信が有りますのよ? この均整の取れた丸いお尻であなたのその貧相なお尻を粉砕してあげますわ!!」
かっ!
真赤になりながら目じりに涙を浮かべてエマ―ジェリアさんはミーニャを指さしながら吠えた。
リリスさんと同じ格好のお姉さんから受け取っていた水着を持って簡易カーテンルームに入る。
「くっ! よくも私の気にしている事をぉ! ソウマ君、私だってそのうちお尻だってちゃんと発育するからね! 骨盤はリリスの話だと安産だっていうんだから大人になるまでにきっと好いお尻になるんだからね!!」
言いながらミーニャもリリスさんから受け取った水着を引っ提げてカーテンルームに入る。
唖然とする僕。
「ふっ、この勝負私の勝ちね。所詮彼女たちじゃソウマを満足させられないわ! ソウマはもうお姉ちゃんのこの体の虜よ!」
そう言って抱き着いてこようとする姉さんを僕は寸での所で押さえる。
「もう、抱き付かないでよ! 今忙しいんだから!! ミーニャもエマ―ジェリアさんもそんなこと止めて話し合いで‥‥‥」
「「ソウマ君は黙っていて(ですわ)!!」」
カーテンの向こうから二人同時にそう言われる。
抱き付こうとする姉さんを押し退けながら僕はため息をつく。
「なんなのこれって?」
「まあなんだ、こいつらやっぱり馬鹿だろ?」
ぴこぉ~。
僕のこぼした言葉にリュードさんもアイミも腕組みしながらうんうん頷いている。
そしてやっぱりあきれ顔のアガシタ様たちも腕組みしてうんうんとしている。
「ソウマのいけずぅ~」とか叫んでいる姉さんを見てから僕はもう一度深いため息をつくのだった。
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