表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
129/220

第128話5-29忠告

ソウマたちに立ちふさがる魔王の手下たち。

いよいよ魔王ミーニャとの対決も間近、立ち塞がる強敵を蹴散らし果たしてソウマはミーニャを連れ戻せるのか?

姉のフェンリルもソウマ好きに拍車がかかり大奮闘!

そんな熱い姉弟(師弟)の物語です。


さあ、僕の活躍を刮目せよ!(アガシタ談)


 「アガシタ! あんた今まで何処ほっつき歩いてたのよ!!」



 シェルさんのその叫び声に銀髪の女の子は嬉しそうに答える。


 「シェルか? 千年ぶりかな、元気そうで何より。と言うかその胸、だいぶエルハイミに可愛がられているみたいじゃないか?」


 「どう言う事よ!? 今頃のこのこ出て来て!?」


 なおもシェルさんは怒りが収まらないかのように吠える。



 『何者だ? 我が配下をこうも簡単に殴り飛ばすとは』


 しかし麒麟が銀髪の女の子が答えるより先に質問をする。

 すると銀髪の女の子は麒麟に振り返り嬉しそうに笑う。



 「引退の身だけど、こうも異界の者に好き勝手されちゃぁ流石に僕だって黙っていられないよ。今の女神は忙しいみたいだから僕みたいなロートルが手助けに来る羽目になっちゃったんだよねぇ~」


 「まったく素直じゃないんだからアガシタ様は」


 「はぁ、こんな連中をまた相手にしなきゃなんて。僕復活してやっとセミリア様の所から解放されたってのに」  


 銀髪の女の子がそう言うと続けて二人のメイドさんも口を出して来る。



 『‥‥‥女神並みの力を感じるとは、もしや貴様女神か!?』


 「引退の身だけどね。さあ、悪魔の王よ、この世界からご辞退願えるかな? 僕は平和主義者なんだ、話し合いで済むことを望むよ」



 にたりと笑う銀髪の女の子、いやアガシタって言う古い女神様?



 「はぁ、アガシタ様が出て来るとはね。エマ、ソウマ下がってなさい。巻き込まれると死ぬわよ?」


 セキさんはそう言いながらエマ―ジェリアさんをかばうように前に出る。



 ぴこっ!



 そしてアイミも同調が途切れて自分で姉さんの元に戻って来る。




 「アガシタ様、今までどこにいたんですか!? 彼女は、エルハイミはずっと一人で頑張っていたんですよ!?」


 「うーん、君は‥‥‥ そうか、ティアナの転生者か? エルハイミには全部任せてあるんだ。僕以上に力を持った女神なんだから何とかしてくれるだろ? だから僕は僕のやる事をしてるんだよ、こう言う風に平和的にね」


 ニカリと笑うそれは背筋がぞっとする。


 アガシタ様って女神様は見た目は僕たちとあまり変わらないくらいの女の子だけどその瞳に宿す冷たい光はとてもじゃないけど女神様には思えない。



 「ほらほらほら、アガシタ様あんまり私の娘たちをいじめないでくださいよ。ティアナもそこのエマージェリアって子も震えているじゃないですか?」


 「アガシタ様ってイラついてるとき顔は笑っているけど目が笑って無いんですよねぇ」


 「うるさいな、お前ら少し黙っていろよ。さて、邪魔が入ったけど悪魔の王よ僕のお願い聞いてもらえるかな? 大人しく帰れば今まで喰って来たこの世界の魂の分は多めに見るよ?」



 そう言いながらアガシタ様は麒麟を見る。

 麒麟はしばし沈黙して動かなかった。

 だけどやっと重い口を開き言い始める。


 『是も非も無いか。だがこちらに呼び出されたからには我にも意地が有る。たとえ女神相手でも主である魔王様には絶対服従! やれっ!!』


 言うが早いか殴り飛ばされた白虎が、朱雀が、そして玄武がアガシタ様に襲いかかる。



 「まったく、だから悪魔って嫌いなのよ!」



 ぶしゃっ!



 ピンク色の姉さんと同じくらいの歳っぽいメイドさんはそう言って握っていた青龍を片手でつぶし引き裂いてから朱雀に投げる。


 動き出した白虎にもう一人の青い髪の色の僕たちと同じ年くらいのメイドさんは片手を振り上げてと思ったらその手を光らせ大きな剣にする。

 そして襲い来る白虎に振り落とす。



 「大人しくしなさい、『天成断絶破』!!」



 ぶんっ! 

 

 どがぁああぁぁぁんッ!!



 それはあっさりと白虎を押しつぶし見るも無残な肉片と化す。



 「こいつは堅そうだけどこれでどうかな?」



 すいっ

 

 どぼごがぁん!!



 アガシタ様はすいっと玄武の前に出るとおもむろに右手を玄武の腹に打ち込む。

 それほど早いわけでも無いのにその拳はあっさりと玄武の腹を貫く。



 ずぼっ!



 そして引き抜いたその手の平には玄武の心臓が握られていてそれを引き抜いたアガシタ様は目の前で握りつぶす。



 ぐしゃっ!



 一瞬だった。

 あれだけ強い四大悪魔を目の前にいるアガシタ様と言う女神様たちはあっという間に倒してしまった。



 「さて、これが最後の忠告だよ。悪魔の王よ大人しく自分の世界に帰れ!」





 アガシタ様は真っ赤に血で汚れた手で指さしながら麒麟にそう言うのだった。

 

面白かったらブックマークや評価、ご意見ご感想をよろしくお願い致します。

誤字脱字等ございましたらご指摘いただけますようお願い致します。


蚤の心臓の私たちですのであまりいじめないでください。

どうぞ、日本海のような広いお心と生暖かい目で見ていただけますと助かります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  亀の種類に依るかもだけど、亀の甲羅じゃない部分。  特に甲羅からニョッキリ伸ばす、皮でダルダルな部分。  その辺を狙う話ってあんまり聞かないんですよねぇ。  手足頭尻尾を引っ込めると、表…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ