第118話5-19エマ―ジェリアの杞憂(閑話)
魔王が覚醒した幼馴染のミーニャを連れ戻す為にソウマたち姉弟は今日も何処かをさ迷っています。
お姉ちゃんに鍛えられながら果たしてソウマはミーニャを連れ戻せるのか!?
熱い姉弟(師弟)の物語です。
破廉恥ですわぁっ!!!!(続エマージェリア談)
まったくをもって信じられませんわ!
ダークエルフを女神様のお慈悲で見逃し、むやみに殺生をしないと言うのは理解致しますわ。
でも、でもっ!
何なのですの、お、男ってっ!?
セキの話から、そしてキシャラさんとか言うダークエルフの人からの話では種族繁栄の為に他の種族の、だ、男性を呼び込み子作りをしていると言うのですの!?
破廉恥ですわ!
不純ですわ!
理解できませんわ!!
あ、愛する人とではなく子宝に恵まれたいからと言って、複数の殿方に身を捧げるなんて!!
ハーピーはまだ魔物なのでその考えが人とは違うと言うのは分かりますわ。
でもダークエルフと言えば亜人。
人に近いはずですわよね?
それが倫理観念なくとっかえひっかえ、と、殿方とそう言う事をっ!?
不潔ですわ!
不倫ですわ!
不道徳ですわ!!
しかも族長自ら男性を所望するとか考えられませんわ!
まさに伝説に聞くアマゾネスですわ!
はっ!?
そう言えばこのキシャラさんという方もシェル様にはかないませんが豊かな胸を持っているのですわ。
まさかその胸でソウマ君を誘惑するのでは!?
駄目ですわ!
ソウマ君はお姉さんキラーですからキシャラさんにも好いようにもてあそばれてしまうのでは!?
先日もシェル様が寝ぼけていらっしゃると言う状況下で思わず生唾を飲み込んでしまうようなソウマ君のいたいけな姿!
涙目でふるふると胸元はだけシェル様に押し倒され嫌々と弱々しくしている様子!
はうっ!
まるで愛読している小説に出て来る少年のよう!
まだ汚れを知らぬその体を美しい女性にもてあそばれ大人の階段を上ってしまう物語!
何度興奮して読みふけった事でしょうかしら!
駄目ですわ!
ソウマ君が汚されてしまうのは!
ソウマ君は純真無垢で何時までも世話のかかる弟の様にしていればいいのですわ!
だって、その方がソウマ君らしいし、私の方がお姉さんなのだから少しなら私にも甘えさせてあげても良いのですわ‥‥‥
はっ!?
いや、それはほら手のかかる弟的なソウマ君で別にソウマ君の事がどうという訳ではありませんわ。
私の身も心もシェル様に捧げると誓っているのですわ。
この清らかな身体はシェル様にだけ捧げるものですわ。
そしてシェル様に‥‥‥
ぐふっ、ぐふふふふっ!!
*
「ねえエマ、空いた時間にお祈りするのは分かるけどなんでいっつも最後に変な笑いをするのよ?」
「はっ!? セ、セキ? な、なんでもありませんわ! それよりセキ、ダークエルフの先ほどの話、もっと詳しく聞かせてくださいですわ。気をつけないとソウマ君がキシャラさんの毒牙にかかってしまいますわ!!」
「はぁ? 何それ?」
「いいからその辺を詳しく教えなさいですわ!!」
「はぁ? まあいいけど男あさりしてるのって族長のキートスだけよ?」
「へっ?」
「いや、流石にダークエルフたち全員が族長みたいだったら世の中ダークエルフだらけになっちゃうわよ?」
な、何と言う事でしょうかしらですわっ!
という事は、ソウマ君の操は守られると言う事ですわね?
よかった、これで一安心ですわ。
あ、でもやっぱりダークエルフって胸が大きいですもの、大きな胸が好きなソウマ君には危険ですわね?
まったく、女性の胸など私くらいで十分だと言うのに。
去年より少し大きくなったし、ソウマ君だってこのくらいで我慢していればいいのにですわ。
でも、シェル様はなかなか振り向いてくれないのですわね?
‥‥‥
‥‥‥‥‥‥
あ”あ”あぁっ!
やっぱり私の胸も大きくしてくださいですわ、女神様!!!!!
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