99話 大部隊の為のアイテム作り 2
「初級回復薬から上級回復薬。毒消し薬などの各種状態異常回復薬に火炎瓶や起爆札などの攻撃アイテム……それから、携帯食料の類い」
大部隊の為の調合を手伝い始めてから3日が経過していた。私は自分で作ったアイテムの種類と数を読み上げ、必要アイテムが記されたリストと照らし合わせている。数は申し分ないはずだけど、作り漏れがあると洒落にならない。
今回の仕事で私は1万スレイブの報酬が約束されている。それだけに、ミスをすることは望ましくないしね。
「それにしても、たった3日でよくこれだけのアイテムを……数百はある数もそうだが、相変わらずアイテムの種類が凄い」
様子を見に来てくれたクリフト様が驚きながら、私の作ったアイテムを眺めていた。
「ありがとうございます、クリフト様。まあ、種類に関しては必要リストにある物を順番に作っただけですが」
「いや……他の錬金術士は一人で全ての種類のアイテムは作っていなかったぞ。普通は得意分野ごとに役割分担をするだろう?」
「ああ、そういえば……」
確かに、テレーズさん達はそれぞれの得意なアイテムを優先にして作っていた。シスマですら、今回のアイテム類に関して全てを作るのは難しいのか、得意分野に集中しているようだった。その代わり、リストにはないエリクサーを精製していたけれど。
エリクサーはあった方が良いし、私も作っておこうかしら?
「お店の経営で忙しいだろうに、こちらのアイテム調合を手伝ってもらって、本当に申し訳ない。君が来てくれたおかげで、予定をかなり短縮できそうだ」
「いえいえ、そんなこと。報酬だって貰えるんですから」
クリフト様にはお世話になっているし、本来なら無料でOKしてたんだけどそこはクリフト様が折れてくれなかった。やっぱり、仕事を頼む以上は対価を払う義務があるんだとか。ユリウス殿下からの追放があったから、その辺りは神経質になっているのかもしれない。もっと気楽にお願いしてくれてもいいのに……まあ、頼み方は気楽だったけどね。
「しかし、今回の調合の手伝いくらいでは……君の上限のきっかけにはならなかったか?」
「それはそうかもですけど……携帯食料とかの調合試せましたし、またお店に並べる候補が出来たので良かったです」
「なるほど、それなら良かった」
前のグリフォン討伐の時に学んだ調味料の調合といい、最近は新しい調合アイテムが増えるペースが早いと思う。これは私のお店「エンゲージ」にとって確実にプラスになることだから嬉しい。自らの錬金術士としての上限はまだ見えないけど……そんなに慌てる必要はないしね。
「そう言えば、アイラ」
「はい、なんですか?」
「君にとっての朗報になりそうな情報が、私のところに入っていてな。実は、冒険者ギルドの方に冒険者ランキング1位のパーティが来ているらしい」
「冒険者ランキング1位の人が……?」
「ああ」
私の興味はそっちに注がれた。前の会議では会えなかった人達だし、会ってみたいという気持ちはある。
「ランキング1位のチームリーダーは錬金術士の才覚も有しているらしいぞ。会いに行けば、君の為にもなるんじゃないか?」
冒険者ランキング1位のチームリーダーが錬金術士……? それは本当に会いたくなるかもしれない。大部隊のためのアイテム精製はもうすぐ完了するし、それが終わったら冒険者ギルドに行ってみようかしら。私はウキウキとしながら、作業の続きを開始していった。




