98話 大部隊の為のアイテム作り 1
久しぶりにテレーズさんや他の錬金術士と会った翌日、私は早速、大部隊の為のアイテム作りを手伝うことにした。自分の店に関しては、とりあえず、ライハットさんにお任せしている。まあ、アイテムに関しては昨日の段階で作り置きしておいたし、なんとかなると思う。
どうしても私が行く必要が生まれた場合は、すぐに馬車を手配してくれるらしいし。私はしばらくの間は、この我が懐かしの調合室にて最新鋭の設備に囲まれての仕事を実施することになる。
「各種回復薬や携帯食料の類い……それから、感染をした場合の毒消し薬が主軸になります」
「なるほどなるほど……」
テレーズさんは、紙に書かれた必要なアイテム類を私に見せてくれた。大森林の近くでの野営を想定しているみたいね。流石に中に入っての野営は危険ってことか。
「携帯食料と……あとは、攻撃アイテムとか防御石も必要そうですね」
「攻撃アイテムはともかく、防御石は全員分の確保は厳しいかと思います」
確かに……大部隊全てに行き渡らせるほどの素材もないしね。なら、私が手伝うべきところは……素材が十分にあり、技術さえあれば大量に作れる物。
「各種回復アイテムから作っていきますね」
「ありがとうございます、アイラ。それではお願いしても、よろしいでしょうか?」
「は~い、任されました!」
ふふっ、なんだか楽しい気分だわ。シスマを含めた他の錬金術士も調合を開始しているみたいだし、私も早いところ始めないとね!
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調合を開始してどのくらい経過したかしら? もう昼過ぎになっていた。大体、数時間が経過したことになる。
「……相変わらず、凄いですね……」
「テレーズさん、その魔物を見るような目はなんですか?」
「いえ、決してそんなつもりはありませんが……凄い……」
しまった、楽しいからつい飛ばし過ぎたかもしれない……。宮殿の最新設備と相まって、大量の回復薬が完成していた。エリクサー級のアイテムはないけれど。
「素材がもうないけど……ここまで早いとは……」
「流石はキース姉弟を負かしただけはありますね……」
他の錬金術士も少し引いているように見受けられる。休憩を挟みながらの数時間で、素材をほとんど使い果たしてしまったから当然かもしれないけれど……彼らの10倍くらいのペースだったんじゃないかな。
シスマは離れたところで、笑みをこぼしながら頭を抱えていた。何よ~~失礼ね!……まあ、そんなしぐさが可愛いから、なにも言えないんだけど。それにしても、他の皆は引き過ぎだと思う。でも、シスマやテレーズさんも含めた合計8人の錬金術士よりも多くのアイテムを作ってしまったのはやり過ぎだったかもしれない……。
上限を知るどころか、上限という概念がさらに分からなくなってしまった……シグルドさん、ヘルプミー! と叫びたくなる一幕でした……。




