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81話 冒険者会議 2


 冒険者ランキング4位のカミーユとは関わりたいとは思わないけど、私は彼らの会話を楽しんで聞くことにした。色々と勉強になるしね。


「シングルプレイは危険だと言っているのに、貴様と来たら……」


「うるさい奴だな……」


「良く聞け、お前は自らの実力の上限を知りたいのだろうが、それは、とても危険でだな……」


 私はなんとなく、シグルドさんとアルファさんの話を聞くことにした。興味深かったしね。


「アルファ、いちいち俺に構うくらいなら、チームの心配でもしているんだな」


「おい、そんな言い方はないだろう? 私はお前を心配してだな……!」


 アルファさんは言いかけた言葉を途中で慌てて止めていた。シグルドさんには伝わっていなかっただろうけど、これは明らかにラブコメの波動を感じるあれだ。私はニヤニヤとした顔になりながら、二人のやり取りを眺めていた。


「おい、バカみたいな顔晒しているのは、何か意味があるのか?」


「うっ……」


 強烈な突っ込みがシグルドさんから入ってしまったけれど……。




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 結局その日は、1位の冒険者チームは現れなかった。チーム名は「イノセント」と言うらしいけど、非常に気まぐれなチームだと、サイモンさんが言っていた。


 今回はこのまま始められるようだ。


 1位のチームを除いた4チームでの合同会議……新たに発見された希少素材の話が中心になっていた。しかも、近年に発見され、以前にシグルドさんに行ってもらったことのあるメビウスダンジョン内の素材の話だ。


 私にとっても無関係ではなかった。



「首都カタコンベより南に20キロ地点にある、メビウスダンジョン……あそこは、影見草などの希少素材の宝庫だ。それに強力な魔物が出る代わりに、ドロップするアイテムも豪華、さらに発見できるランダムアイテムも希少性では十分すぎるだろう」


 シグルドさんはそう言いながら、他の冒険者たちに情報を与えていた。それと同時に彼が発見したと思われるアイテム類が書かれた紙をテーブルに置いた。それを見た、アルファさんとサイフォンさんからは驚きの声が上がった。


「流石ですね、シグルドさん……! あのダンジョンに単独で入り、既にここまでのアイテムの情報を獲得しているなんて!」


「単独行動は危険だと思うが……しかし、ここまでの入手できる可能性のあるアイテム把握は見事としか言いようがないな。それに、ヴィヴィドスネークやカイザーホーンといった凶悪魔獣を相手にしても無傷で倒したと見える状況……全く、お前という奴は……」


 私が凄いわけじゃないんだけど、顧客として関係性の深いシグルドさんが褒められると、なんだか自分まで嬉しくなってくる。そして、アルファさんが私に視線を合わせた。


「見たところ、専属のアイテム士……錬金術士と言った方が適切か。シグルドの冒険の大きな助けになっていると見えるな」


「い、いえ……私なんてそんな。私はただ、買いに来てくれるシグルドさんに、アイテムを売っているだけですので」


「そうか……」


「あはははっ! そりゃそうでしょ? たかだか、単独のアイテム士が経営している店なんてしれているわよ! 冒険に出たら脚を引っ張り、街の中でのお店経営でも大した成果を挙げられない……あんたの存在意義って一体、なんなの?」


 横やりを入れて来るように、カミーユが私達の会話に入って来た。私はどうも、憂さ晴らしの相手というか、攻撃の対象になってしまったみたいね。この攻撃はユリウス殿下を思い出すけれど、カミーユの場合は実力が伴っている為に本当に性質が悪い。


「カミーユ・シェイドのチームは、他国での活動が多かったな」


「だったら何よ?」


 どこまでもカミーユはケンカ腰だった。シグルドさんに対しても怯まない態度は凄いと思うけど、もう少し物腰を柔らかくできないのかな? そうすれば、とてもモテそうな外見をしているのに、勿体ない。


「なんでもねぇよ、まあ一度、アイラの店を訪れてみるんだな。舐め腐った態度はその後でも十分だろう?」


「あんた……喧嘩売ってるわよね、確実に……!」


 まさに、一触即発の冒険者会議だ……流石のカミーユもこの場で攻撃をしたりはしなかったけど、彼女は必ずいつか私の店を訪れる。私を睨む目つきがそう物語っていたから……。本当に怖いんですけど……勘弁してくれないかな。


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