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153話 再びの冒険者会議 3


「こんにちはです。アルファ・ルファさんですよね? アイラ・ステイトと申します、よろしくお願いいたします!」


「ああ、これはご丁寧にありがとう。私は聖獣騎士団のリーダーを務めているアルファ・ルファだ。以前にも見かけているが、こうして正式な挨拶を交わすのは初めてだな」


「そうですね、よろしくお願いします!」


「こちらこそ」


 アルファさんと2回目の冒険者会議で初めて正式な挨拶を交わした。以前は挨拶をすることが出来なかったしね。サイモンさんの情報では確か27歳の女性だったはず……なるほど、シグルドさんとも同年代だしこれは要チェックね。とても怪しい関係だわ……。


 と、まあ私はアルファさんに対して前の冒険者会議と同じ印象を持っていた。まあ、まだ人となりは良く分からないしね。


 冒険者ギルドの会議室には既にランキング1位~5位のメンバーが揃っている。正確にはシグルドさんを除いてはチームだけれど。


「で? 今日の議題ってなんなの? 私も暇じゃないんだけど……」


 面倒くさそうな態度を取っているのはカミーユだ。言葉ではそう言っているけれど、彼女もしっかりと会議に参加している辺り、責任感は強いんでしょうね。


「決まった議題は毎回ないものだが……本日はロンバルディア神聖国が北上していることを、警戒した方が良いかもしれないな」


 やっぱりその話になるのね。アルファさんが提案したことだけど、警戒という言葉が引っかかってしまった。別に武力闘争とかそういう話ではないはずだけど……。


「アルファさん、どういうことでしょうか? 警戒という言葉が僕には引っかかるのですが……」


 サイフォスさんが私の聞きたいことを代弁してくれた。私は会議に参加することを許されても、基本的には部外者だ。勝手に発言するのは気が引けてしまうしね。


「ああ、そうだったな。みんなも知っているとは思うが、ロンバルディア神聖国は太古の錬金術を崇拝している国家でもある。テルミス教という教会が主体の国家なのだが……これが時には過剰に動くこともあってな。私は神聖国の騎士を兼任しているから分かるのだが……ホーミング王国に向かっている理由は、新たに生まれた錬金術の情報を聞きつけたからである可能性が高い」


 ん? 新たに生まれた錬金術……はて? なんのことだろう?


「おい、アルファ。当の本人は肝心なところで阿呆なようだぞ。もう少し分かるように説明してやれ」


 と言いながら、呆れたような顔でシグルドさんが私を見ていた。なによ失礼ね~! とか思ってみたり。


「わかった。つまりは要約すると……ロンバルディア神聖国が北上している理由は、アイラ・ステイトの錬金術が理由である可能性が高いんだ。まあ、あれだけの薬を売っているのだから当然かもしれないがな」


「え、ええっ……!? 本当なんですか、それ……」


「推測の域は出ないがおそらくな」


 少し前にオイゲン商会の一件があったばかりだ。でも、今回はロンバルディア神聖国……? 国家レベルになると規模が数段違うと言える。オイゲン商会の件とは違って私の身が危なくなることはなさそうだけど……アルファさんの推測が正しいとして、素直に喜んで良いのか微妙なところだった。



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