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133話 エンゲージの通常営業 3


 ネプトさんからは通常営業で売り上げを伸ばせば良いと言われ、ジグルドさんからは護衛に警戒を促すような発言があった。


 オイゲン商会の直営店とこのまま売り上げを競い続けると、何かが起きる。そんな気配を私は感じていた。おそらくシグルドさんは、それを一早く感じ取ったからこそ、忠告してくれたんだと思う。


 でも、現在の五芒星の守りは3人に増加している。流石にオディーリア様に相談して、さらに増やしてもらうわけにもいかなかった。本来はオディーリア専属の護衛のはずなのに、これ以上回してもらうわけにはいかない。まあ、オディーリア様は私と違って強いけど。


 それでも、シグルドさんからみれば雀の涙ほどの違いしかないんでしょうね。



---------------------------------------



「アイラ殿、本日も上々の売り上げでしたね」


「そうですね、ライハットさん」


 それから数日が経過した。本日も店じまいの時間になり、売り上げの計算をしている。本日の売り上げは10万スレイブ以上……十分すぎる売り上げと言える。


「アイラ殿が複製の技法を習得されてから、売り上げがさらに加速しています。あなたは本当に、天井知らずだ……」


「ありがとうございます、ライハットさん」


「店長、凄すぎますよ~~~!」


「あはは、ありがとう!」


 普通の会話が続いている。私の日常的な会話だ……でも、私は最近、こういう会話に恐怖を感じることがあった。いや、こういう言い方は良くないかな。


 上限が見えない、天井知らず……この状況は以前から私を不安にさせていた。そこへ、シグルドさんの言葉の忠告が来れば、猶更、不安は加速してしまう。思えば……故郷で錬金術を教えてくれた師匠を、私は1週間で超えてしまった。


 あの時から、こういう事態は予見出来ていたのかもしれない……。私は一体、何者なんだろうか? そういえば師匠……リリーナ・オスカルさんは元気にしてるのかな? 多分、今でも故郷で薬士をしているとは思うけど、もう2年近く会ってないわね。


 私のお店「エンゲージ」の売り上げは加速している……その点だけで見れば、大きく情勢が変わるとは考えにくかったけれど。私の知らないところで、確実に情勢は変わり始めていた……ネプトさんやシグルドさんが警戒するレベルで。


 私がその情勢に巻き込まれるのは、もう少し後の話だった……。

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