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邪神の慈悲

邪神さまの視点に戻った


邪神さまがお助けする

 ――白昼堂々と誘拐か


邪神少女はその場を少し離れた茂みから観察していた。


 ――騎士を揺さぶり、抵抗させない

  意志を折り、心隙を突く

  まあ、騎士も相手が悪かったな



少女は賊のところへゆったりと歩を進めた


少女が賊へ声を掛けると、すぐに囲まれた


賊の一人が少女へ剣を振り上げる



少女は手を下から振り上げる

手には魔力が集まり、振るった手から風を発生させる


その手を少女は賊の体へ叩きこんだ


鈍い音と共に賊がその場に倒れる



「うむうむ、なかなか良い加減だっただろう」


少女は己の魔法に満足し、自然と口角が上がる



賊は愕然としていたが、少女の挑戦的な笑みを見て、すぐに剣を向けた。

賊の長は声を張り上げた。


「このガキは魔術師だ!掛かれ!」


少女を囲む賊が輪を狭めて少女へ近づいていく




少女は先に倒した賊の剣を取る


今度は少女を亡き者にする刃が振るわれようとしているが、

相変わらず少女は笑みを浮かべている。


「次は氷だ」


賊の凶刃が振るわれるより速く、

少女は剣を伸ばして、舞うように一回転する。


剣には魔力が集まり、回転した剣先から尖った氷塊が飛ぶ




肉が裂ける音がすると、少女の周りには屍だけが残った。



そこで、少女は裏切りの騎士を見やる


裏切りの騎士は旗色が悪いと見るや、はやばやと馬を出して去っていく


「退き際を心得ているのは生来のものか」


少女の目は狂人を見る冷めたものになっていた



そして、その目を賊の長へ向ける


賊の長は吠えていた


「あの野郎!逃げやがったな!

 誰かあいつを追え、残りはこのガキを!」



賊の一人が裏切りの騎士を追っていく

残りは体制を整え、少女を迎え撃つ



少女の顔には笑みが戻り、今度は護衛の騎士へ一言投げる


「そこでじっと死を待つつもりか?」


護衛の騎士ははっと、悪夢から覚めたように動き出す


一度折れた意志を取り戻すように拳を握る


「助太刀感謝する!賊を退けるため引き続き手を貸していただきたい」


「うむ。そちらは任せた、我は長のほうを相手しよう」


「心得た!」


騎士らは馬車を囲む賊を抑える


少女は残った賊とその長を





突然現れた少女が場を荒らしていく

笑みを浮かべたまま、軽くはない剣を振り回す



騎士たちは新たに指した希望に道を見出す


異常な少女は光になりえるかわからぬが頼るしかない


騎士は乞う


ーー神よどうかご慈悲を

 そして、我らの宿運に光を

 








裏切りの騎士は逃げました



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