表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/12

邪神の旅立ち

邪神さまはひとりがんばる

邪神少女さまはじゆうほんぽう

邪神は勇者候補を探す


――未来が見えない白紙の勇者

 

 勇者候補をひとりひとり見ていく

 なかなか骨の折れる仕事だ

  

 不変の未来などない 運命は常に枝分かれした道を辿る

 限りない枝を見澄ます

 

悠久の刻に存在する邪神であっても

面倒だなと、堪えていた。






またそのとき、「邪神の片割れ」



かの少女は遊び回っていた




片割れ少女は、

魔術・錬金術に夢中になっていた


不便な体で試行錯誤して、己が知識を披露するのがお気に召したようだ





邪神の人知れぬ努力により、条件に合う勇者候補は見つかった。



――我よ、勇者候補を見つけた

 我の仕事はここまでだ


「うん? おお、見つかったのだな。

さてさて、清く正しく美しい勇者を育成に行くかの」


――世界を超えた転移は誤差が生じる

 勇者からは離れた場所へ転移してしまうだろう

そこからまずは人間を探し、勇者候補と聞けば、直ぐに見つかるであろう


「うむ、承知した」


少女は自信たっぷりに、すぐに転移魔術を実行しようと腕を振るう、


――我よ、待て そう急ぐな

 人の世に我らの姿態は異色であることを忘れぬよう 


邪神は魔力を霧散させる


「む、そうであったな。

 しかし、我の姿は完璧な人間種に見えるが」


――種族は人間になっている

 問題はその服装だ

 

一糸まとわぬ少女は、己の体を見つめる


「まあ、さすがにこの姿はまずいな」


そう呟いた少女は、腕を組む

悩む少女に邪神は魔術を試行する


少女の体に魔力が集まり、服飾を形作る。


その服は、少女らしらを強調しながらも、

端正な顔立ちと相まって幻想的な雰囲気を醸し出させる。


華美なドレスは黒色を基調とし、

フリルやレースがあしらわれ、頭には小さなハットが揺れる。


少女はむむ、と難しい声を漏らす


「動きにくい」


――まあまあ、服とはそういうものだ

 少々我慢しておくれ

 それに、よく似合っている  


「そうか、ならよいぞ」


「我よ、もうよいか

 我は早く勇者のもとへ参りたいのだが」


――うむ 

 

――それでは"達者"で



「惜別の局面に見えるのか?」


からかうように笑みを浮かべて言うと、

少女は行ってしまった。









邪神さまはついに降臨す



邪神と呼ばれて永い邪神さまは名前をわすれる

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ