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邪神と少女

邪神は己に戸惑う

邪神は片割れの創造に成功したことに

静かに僅かな陶酔感に浸っていた


邪神の世界に創造された小さな存在は、

腰まで届く黒髪に、昏い深淵を宿した瞳を有する

美しく可愛らしい少女だった。


「なかなか、不便な体だ。至る所不自然で、意識と乖離しているような。

目や耳の器官も不思議な感覚であるな」


少女は不満を垂れるが、どこか楽しそうに身体中を調べている


――我よ、新たな身体にはしゃぐのは良いが、後にしてくれ

勇者候補の中から見込みがある者を選ばねばならない


邪神は少女の姿をした己を諌める


しかし、少女はどこ吹く風と聞き流し、

身体を動かし、邪神の世界を歩き廻る


ーー我よ、なぜそうも耳を貸さない、

この後も人の姿を堪能できる

為すべきことがあると委細承知の上だろう

悠長に構えていられる時分ではないというのに


邪神は少女を諭すような口調になる


すると、少女は邪神を見上げる

その視線は冷たく、拗ねたような表情をした


「うるさいぞ、我よ。

今、我は感嘆の情に浸っている」


それに、と続ける


「我はこれから勇者を育てるのだろう、

我が身の調整をするのは当然だ。

それから、我を諭すのは止めよ、

存在は違えど我らは同質、同等に扱うように」


と、邪神を指して言い放った


邪神は戸惑う


知識や大要の力は邪神と同様だ

しかし、人間性を取り入れたことが

これほど変化をもたらすとは予想外


ーーそれでは、我は素養のある勇者候補を探す


邪神は思考が異なるならばと、

少女を諭すのは止めた


邪神はこの新たな存在を、是とみた


人間と近い思考を持つことが、神には理解不能な

知覚し難い人間の知識を得るには必要だったからだ


少女には勇者の育成と、人間界の新たな知識の探索を任せる


少女の瞳からは、新たな知識が見えるうる


邪神はその近い未来に

己の果てない知識欲を刺激する

隠しきれない期待を募らせていた




少女は人間界へ

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