全日本遭難お助け協会
トゥルルルル〜 トゥルルルル〜 トゥルルルル〜
「お電話ありがとうございます!こちらは、全日本遭難お助け協会!お電話担当窓口係の吉川恋太郎でございます!どうされましたかぁ〜?」
「あのぉ〜…?僕…もう駄目です…⤵樹海で遭難してます⤵」
「お客様…落ち着いて!なにがあったのですか?」
「はい…富士山麓に自生している天然の笑いキノコを探しに来ましたけど⤵道に迷ってしまいました…」
「えぇ〜…そうなんですか!?分かりました!では!この端末シュミレーターで誘導いたしますので、4桁の暗証番号をプッシュお願いします…」
「ははははぃ…分かりました!」
「確認いたしました⤴宗南徳吉様ですね!年齢が42歳で⤵未だに未婚で⤵暗証番号が1919⤵って?」
「私…道に迷って遭難してるんですよ⤵」
「ほほぉ〜!そうなんですか⤴」
「えぇ〜…なななんですか?それ?」
「気にしないでください!吉川の口癖ですから⤴で!今の状況教えて頂けますか?」
「あ…はい!東西南北見渡しても⤵深い森に囲まれてしまってます…どうすればいいのてしょう⤵」
「へぇ〜…そうなんですか?」
「えぇ〜…どう言うことですか?それって?」
「口癖ですよ⤴口癖!ところで宗南徳吉様⤴笑いキノコは見つかったのですか?」
「あ…はい!大きな株を見つけまして⤴ポリ袋いっぱいあります⤴」
「おぉぉぉぉ〜⤴そうなんですか?」
「どゆことですか…?毎度…毎度⤵」
「しつこい人やな⤴口癖ちゅ〜てるやん!ところで宗南徳吉様⤴笑いキノコもう食べました…?」
「いぇ…まだですけど⤵」
「うそぉ〜ん⤴そうなんですか?」
「俺な!遭難してんねん⤵早く助けんかい!」
「まぁまぁ⤴宗南徳吉様!笑いキノコを一口食べると、嫌なこと忘れますから!」
「ほんまに…?そうなんですか!」
「そうなんですよ⤴はよ!喰え!」
宗南徳吉は吉川の言われるがまま…猪の排泄物に自生していた笑いキノコを恐る恐る食べてみた!しばらくすると、妙に顔がほくそ笑んできた宗南徳吉であった。
「どうでしょうか?ご気分は⤴?」
「へへへ…⤴ここはどこ…?私は誰…?」
「あなたは富士山麓の樹海で遭難している⤴宗南徳吉様ですよ!」
「ぐふふ…⤴あんた誰…?なにしてんの…?」
「その⤴調子ですよ!遭難していることを忘れていますよ!」
「ぶふふ…⤴眼の前に…もののけ姫おるでぇ〜!わし⤴どうかしとるんか?」
「大丈夫でごさいます⤴ちこっと頭がおかしくなっているだけですから⤴では!宗南徳吉様⤴着ている物すべて脱いで、風を感じてくださいますか?」
「ぐふふ…⤴そうなん!スッポンポンなったらええねんな!」
「いいですか!この時間帯なら富士山頂から風が吹いてきます!」
「げへへ…⤴そうなん?」
「風を背中に感じて、まっすぐ歩けば樹海から抜け出せるはずですよ⤴」
「ひゃはは…⤴ほんまに…そうなん?」
「ええ!間違いごさいません⤴宗南徳吉様!最後に⤴もう一度笑いキノコ食べてくださいませ!」
宗南徳吉は再び⤴笑いキノコを喰った!すると五感が研ぎ澄まされて⤴普段は眠っている第六感が生まれるのであった!
「これで大丈夫です⤴背中全身に風を受けて、笑いながら下山してください!どうぞ⤴お気をつけて⤴最後に!無事下山しましたら、もう一度お電話お願いします!」
「ウヒョホホホ…⤴そうなん?ほんまに⤴そうなん…」
そして…数時間後!
宗南徳吉は素っ裸で笑いながらフラフラ歩いているところを、地元の人によって警察に通報され警官が保護にむかったのである。
「こらぁ〜!止まれ!公然わいせつ罪で逮捕するぞ!」
「グッフゥ…⤴遭難⤴遭難ウヘヘ…」
「そうなんって!覚醒剤もしてるな!」
「ちゃうて!ほんまに!遭難…」
「貴様を逮捕する!大人しくしろ!」
こうして⤵無事に下山したものの…警察に連行されてしまった宗南徳吉は、3日3晩拘留されて…どうにか開放されたのであった。もちろん富士山麓で採取した笑いキノコは警察に没収されていた。
トゥルルルル〜 トゥルルルル〜 トゥルルルル〜
「お電話ありがとうございます!こちらは、全日本遭難お助け協会!お電話担当窓口係の吉川恋太郎でございます!どうされましたかぁ〜?」
「こらぁ〜!吉川!お前のせいで、とんでもない目にあったやないかぁー!ええ加減にしとけよ⤴訴えたる!」
「ほぉ〜⤴そうなん?」
こうして⤴全日本遭難お助け協会!お電話窓口係の吉川恋太郎は、遭難者を助けるのであった!




