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第一話 努力

これからもかんばります! 

俺は謎のじいさんに出会った。誰かはわからないが、無能のじいさん。けれどそのステータスは凄まじいものだった。

じいさんは努力だけであそこまで強くなったらしい。それが本当かどうかはじいさんにしかわからないが、どんな方法であれ無能なのは確かだった。

けど、俺はどうしたら良いのかわからない。練習方法も全くわからないのに、どうしたらいいんだろう・・・

俺は屋上で少しぼーっとしていたあとに、ふと気付いた。

本が落ちていることに。

じいさんの落とし物か?

それは手記だった。

手記には、びっしり細かいところまで練習法などが書かれている。

わざと落としたのだろうか?

それとも偶々神の悪戯だろうか?

前者だと思うが、それは誰もわからない。

「・・・努力か。」



◇◆◇◆◇◆



三時間後・・・

「・・・なるほどな。」

俺は手記通りに近所の空き地で練習している。

今は相手の動きとカウンターについてを練習している。

『常に敵の動きに合わせるのではなく、敵の動きの先を読んでカウンターを合わせる。フェイントも頭に入れておくが、フェイントを意識し過ぎるとカウンターが遅れるから気を付ける』

と書いてある。

「こうきたら、こう、こっちから来たら、こう。」

端からみたら幼稚園児並の語彙力だが、それぐらい難しいものだ。

彼がやってるのは、我流・剣之王:反“龍返し”

だ。かの有名な佐々木小次郎の燕返しを自分なりに進化させたものだ。

一撃目で受けた剣を弾き返したら、龍の怒りの如き超高速連撃!今のところカウンターの切り札だ。今日と明日は休みだし、近所にクラスメイトも居ない。

俺はたったの三時間で我流を剣之王まで進化させた。剣之無能から剣之凡、剣之兵、そして剣之王だ。より協力になっていき、より複雑になっている。

驚くべきことにこの本、身体能力を上げる方法、要するに筋トレまでしっかりと書いてあるのだ。

フィジカルはこれで上げ、身体的に出来そうな技を次々と完成させていく。というつもりだ。身体的にまだまだ出来そうもない技ばかりだからな。

他にも切り札はいくつかある。たとえば、我流・剣之王:突“百花繚乱”。まるで一度で10回も20回も攻撃しているかのような技である。刺突技だ。

そして、俺の必殺技。

我流・剣之王:斬“星桜剣舞”である。

なんとこれ、凄いことに属性を纏わせることが出来るのだ。普通の人でもとてつもなく難しいのに、魔力を持たない無能の俺が使えるのは普通あり得ないことだ。思えばじいさん・・シンさんも獄焔斬などの技を持っていたな。

文字通り、桜が舞う様子を思わせる剣の連撃である。敵が防御に入ったら、これでゴリ押すのだ。これは恐ろしいことに、普通の人のように魔力を使わない。普通の人は魔力で身体強化したり、斬撃の威力を高めたり、斬る速度を速くしたりする。でももちろん弱点があって、魔力はもちろん切れる。魔力が切れると強烈な目眩がしたり、一気に体が重くなったりする。それはつまり戦いでの敗北を意味するため、魔力を使う大技は、勝負をこれで決める!という時くらいにしか使わないのだ。

それが魔力を使わずに超高火力、超高速の斬撃を敵に弾かれない限り無限に使えるのだ。

それに体力も減らない。こちらは何故かわからないが、体力が減らないのだ。つまり疲れない。それは無尽蔵を意味していて、これは人智をこえた存在・・神や魔人、あるいは仙人クラスである。40年前くらいだろうか?突如魔人が現れ、周辺の国の軍事力全てを注ぎ込んだがダメだった。しかし、突如現れた謎の剣士によって倒されたらしい。今でもその剣士は周辺国で英雄と呼ばれているが、名前は知られていないらしい。

それぐらい魔人は凄まじいものらしいのだ。

もちろん魔人がなんなのかはわからない。魔物が進化したものという説や、人が魔力の暴走で魔人になったという説、悪魔が人にとりついた説など様々な説があるが、答えは世界でもまだわかるものはいないらしい。

おっと話がそれた。

まぁ追々体力のことについては考えよう。

さて、不幸は突如現れる。

「よう、無能?なにやってんだおめぇ?」

突然声がしてびっくりした。彼は同クラスの中でもとくに俺をバカにする・・

「・・・ケイラン、なんだよ?」

そう、ケイラン・エスカレオ。

「あ?おいおい、無能がどんな態度で一般人様に口きいてんだよ?あ?」

「うっ、ごめん・・・」

とりあえず謝るふりはしておこう。気持ちは全く込めてないがね。ぶっちゃけ今なら負ける気がしないが、一応手を出すのはやめておこう。ただし、向こうから手を出してきたら正当防衛くらいはさせてもらおうか。

「おいおい、俺たちに楯突いたくせに謝っただけで済むと思うなよ?金くらいは出してもらおうか?それとも無能ごときじゃ全く金もねぇか?くくくっ。じゃあボコボコにしてやるからよぉ?一般人様にボコボコにしてもらうんだから感謝しろよぉ?」

・・・うぜぇ。しかし!これは正当防衛チャンス!

というかよくみたらケイラン以外にも名前は知らないがいつもつるんでるやつがいるな。1、2、3・・・5人か、合計6人。

「あぁ、奇遇だな。珍しく同じ考えじゃねぇかよケイラン。お前こそ無能様にボコボコにさせて貰えるんだから感謝しろよ?」

と軽く挑発する。

すると顔を真っ赤にして怒りだした。サルより沸点が低いなこいつ。

「む・の・うのくせにぃー!ぶっ殺してやる!そんな安っぽい挑発意味ねぇよ!安心しろ、瞬殺してやるからよ!?」

意味ありすぎた。ここまで効果あると思わなかったわ。

「死ねぇぇぇおるぁ!“豪斬”!!」

と、剣が飛んでくる。それに対し、

「・・・“龍返し”。」と冷静にカウンターの構えをとることにした。

きゅいーん!と気持ちいい音が鳴り響き、

「んぬぇっ!?」と、簡単にバランスを崩す。

彼の表情からして、カウンター返しの罠も考えられないな。戦闘中に感情を顔にだすなんて、三流だな。二流の風上にもおけない。そもそもケイランは力業で相手をねじ伏せるパワー形なのだ。

逆にいえば、パワーにねじ伏せられなければその時点で勝ちは確定。パワー型の弱点だな。

そんなことを考えながら、龍返しを始動させる。

恐らくこのままなら彼は倒れるが、追い討ちをかけておくのだ。

「はぁぁっ!」

目に見えない超高速の斬撃。残像より次の斬撃のが速いため、まるで一度に何度も攻撃させられるような感じだろう。

「オブぇgwごdふつがrほっくはごamヴぉ」

と、奇怪な呻き声をだして彼は倒れた。

「なっ・・・んなっ・・・」

「お前ら!ケイランつれてけ!1回退くぞ!くそぉ、あいつがあんな技をつかえるとは・・・」 


逃げられてしまった。

これはそうとう強いんじゃねぇか・・・?

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