プロローグ
冬休みが終わり新学期が始まろうとしていた
今日もいつも通り親友と家で飲み明かした
大学二度目の3回生となる黒川久斗21歳である
なぜかと言うと前年度後期に必修であった英語を取り忘れてしまったのだ
ゼミの先生を通してまでお願いしたのだがどうにもならず留年してしまった…
それを親友である高山耕平に話したところ下品に大口を開け大笑いされそれでこそ久斗だとまで言われた
こいつぶん殴ってやりたいと思っていたら
「てことはお前暇だろ?4月の新入生のレクリエーションで手伝ってくれよ。人が足りなくて困ってたんだ。」
冗談じゃない。やる気のない俺がそんなことする訳ないだろう
「お前俺がそんな時やると思ってんのか?」
「そんなこと言わずにさ、レクリエーションの後サークルの新歓来ていいからさ!」
「俺はカネは出さないぞ?」
「そこは安心しろ、先代の先輩方がある程度集めてくれた。」
「よし、喜んで手伝わさせてやろう。」
我ながらちょろいやつである。
なんだかんだで未だに付き合ったことがない。
女の子相手だと緊張して話せなくなってしまうのだ。
そのため22歳になったが彼女のかの字も見えてこない…
だがそれも今日までだ
今年こそ彼女を作るんだ
「ちなみにお前の仕事は外部誘導な。4月3日の8時には大学来といてくれよ。その日に大まかに説明するからさ。」
「おい3日って明後日じゃねえか。俺の春休みに終止符打つなよ!」
「いいだろ、お前今年取る講義全くないだろ。」
「え、あ、そうか…そうだった!俺の冬休みは永遠だった」
「ゼミくらいはこいよ。無理だったとはいえ矢口先生お前のために頼み込んでたんだから。」
「わかってるよ、この前京都行ったとき買った和菓子でも差し入れ持ってくから安心しろ。」
「京都行って来たのか、また奏と行ったのか?」
「ん、あーそうだが?」
「お前あいつとだけは話すよな。なんで他の女の子と話せないんだよ。」
「あいつは女の子ではないからな、おっさんと変わらん。」
「そうか?俺にはそんな風に見えないけどなあ。。。まぁいいや、とりあえず俺帰るわ。明後日忘れずにこいよ」
わかってるよと手を振って寝てしまった。