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9.竜王

最近寒いですね。マフラー必需品になってきました。

 んぅ......? あれ、生きてる? 私、死んだはずじゃ? 確かにあのマスツリの攻撃に当たって......ってアイエエエ!? 傷痕無い、傷痕無いナンデ!? それに、この洞窟は......?


 『翡翠の仔竜よ。目覚めたか。』


 低く、重い声が洞窟に響く。

 『だ、誰ですか!?』


 『安心しろ、仔竜。我はお前の敵ではない。』


 『わ、私を助けていただいたのは、あなたなんですか?』


 『そうだ。我だ。我がお前を助けた。』


 そう言い放った後、白い鱗と、白金の鱗を持つドラゴンが洞窟の奥と思われる方から現れる。第一印象としては、〔綺麗〕の一言だった。だけども、外見に見とれてる場合じゃない。まず、体格からして強い。ファザーマザーよりもガッチリとしている。......同族でも、機嫌を損ねると殺されかねない。慎重にいこう。


 『そうですか。助けて頂き、ありがとうございます。』


 『うむ、別に構わないぞ。同族があんな木ごときに殺られるのをただ見ているのは心苦しくてな。』


 あんな木ごとき(・・・・・・・)ですか。やっぱり、相当な腕の持ち主だろう。だってあれ私から見ても結構強いレベルでしょ。だって一撃。そう、一撃でやられたんだよ?私にはやっぱり無理だったよ。うん。元から分かってたけどね!


 『そういえば、お前の名は何だ。仔竜。』


 『はい?』


 『だから、お前の名は何だと問うている。』


 いや、急すぎますよ。思わず聞き返しちゃったじゃん。んーまぁ助けて貰った身だし、答えますか。いや、むしろ答えないと命が危ない。


 『えと、フライアです。カイティアとダヴァンの娘です。』


 『ふむ......フライアか。良い名だな。』


 何か褒められた。嬉しいけど。


 『ああ、我の名を教えてなかったな。我はアロイス。27代目竜王だ。』


 うん?今なんと申しました?


 『竜王?』


 『竜王だ。何を驚いている。』


 うん、聞き間違いかな?


 『竜王?』


 『そうだとさっきから申しているではないか。』


 やっぱり現実ですよねーアハハ。フラグ回収しちまったよ。どうしよう。いや、まだ目をつけられたとは決定してない。あまり興味を引かないように......


 『よし、我は決めたぞ。フライアよ、明日から一週間ほど我直々に訓練してやろう。竜王に稽古をつけられるのはとても名誉な事だぞ。喜べ。』


 う"ん?あ、そうか。これは夢か~。そっかそっか~。早く覚めなきゃね~。

 ゴスッ。目を閉じて思いっきり頭を地面に叩きつける。痛い。

 目を開ける。目の前には困惑した竜王がいる。そして洞窟の中。


 洞窟内に沈黙が続く。あらやだ現実逃避したい気分ですわオホホホホ。もうしてるって? ふっふっふ、こんなの現実逃避とは言いませんよ。


 《それを世間一般では現実逃避という行為とみなされています。》


 神の声(仮)さんツッコミ出来るんですか。あとシャラップ。現実逃避しないとやってられんわ。


 『......フライアよ、急に頭を打ち付けてどうした。』

 あ、やっと口開きましたね竜王さん。

 『いいえ、何でもないです。』


 『そ、そうか......今日はもう体を休めるとよい。明日から訓練を始める。』


 お父さん、お母さん。私はどうやらしばらく帰れそうにありません。私は元気にやってますので心配しないでください、まる。



 * * * * * *



 今日、我は[オルスタッド森林]へ散歩に出掛けていた。この地は日を浴びるのに丁度良い水辺があり、我は其処へ向かおうとしていたのだ。


 「......ガアアアア......」


 ドラゴンの咆哮が微かに耳に届く。ほう、珍しい。我以外の同族がこの辺りにいるとは。ふむ、少し顔を出しに向かってみるとするか。


 我は咆哮が聞こえた方に飛び立ち、咆哮の主を見つけた。しかし、そこには手酷くやられた仔竜と、この森の[支配者]がいた。むう、同族――しかもまだ幼い者がこんな木ごときに殺されるのを見ているのは、我慢ならないな。


 「グルァアアアアアアアアアアアアア!!!」


 [支配者]を自慢の尻尾で吹き飛ばす。仮にも[支配者]だ。このくらいでくたばる奴ではないであろう。

 ふむ、結構やられたな。だが、我に治せない程の怪我ではない。......まずは安全な場所に運ぶとするか。この際、我の住み処でもよいか。


 「そうと決まれば、早速やろうとするか......」


 我は仔竜を運びながら、住み処としている洞窟へ向かう。途中、ハーピー等がいたが、あんな雑魚。気にする程度でもない。

 10分位経った後、住み処に着く。


 「よし、{ハイヒール}。」


 スキルを使い、仔竜の怪我を治していく。うむ、こんなものか。

 後は仔竜が目覚めるまで待つか......




 うぅ......む、我としたことが、いつの間にか寝てしまっていたようだ。仔竜はどうなったのであろう。


 『翡翠の仔竜よ。目覚めたか。』


 『だ、誰ですか!?』


 『安心しろ、仔竜。我はお前の敵ではない。』


 うむ、どうやら怪我は完治したようだな。


 『わ、私を助けて頂いたのは、あなたなんですか?』


 『そうだ、我だ。我がお前を助けた。』

 我はそう言い放ち、姿を表す。......ほう、綺麗な鱗だ。それに…風にも愛されているとな、中々面白いやつのようだ。


 『そうですか。助けて頂き、ありがとうございます。』


 『うむ、別に構わないぞ。同族があんな木ごときに殺られるのをただ見ているのは心苦しくてな。』


 それにしても、おそらく孵ってから一か月。いや、下手したら一週間経って間も無さそうな仔竜が、こんな若いうちから[支配者]を相手に戦うとは......将来、こやつが次代竜王になるかもしれぬな。面白い。


 『そういえば、お前の名は何だ。仔竜。』


 『はい?』


 『だから、お前の名は何だと問うている。』

 翡翠の仔竜は少し考え込むような表情を取る。


 『えと、フライアです。ダヴァンとカイティアの娘です。』


 『ふむ......フライアか。良い名だな。』


 フライアと言うのか。この仔竜に丁度良い名前だな。......カイティアか......どこかで聞いた覚えのある名だな。まぁよいか。

 

 『ああ、我の名を教えてなかったな。我の名はアロイス。27代目竜王だ。』


 一瞬でフライアが凍ったように止まる。?一体どうしたのであろう。

 まぁいい。もし、こやつが次代竜王となる素質を持っているのなら......我直々に、訓練をすることにしよう。

pvが3400、ユニークが1300人を突破しました!読んでくださっている皆様、ありがとうございます。予想外の数字で私も凄い驚いてます。

 私「こんなに見てくれる人が居るとは思わなかった。」

 フ「喜ぶのは良いけど投稿ペース上げてね?」

 私「努力致します(汗)」

10/29日に、全ての会話文の「」←これを変更しました。

 ・人間視点              ......「」

 ・(ドラゴン含む)モンスター、魔物視点......『』

という感じにしました。この方が見易いかなーと思ったので変更しました。

あと、<7.初の(監視つき)モンスター戦!~in森(1)~>のタイトルの(1)を消しました。理由は(2)が無いからです、まる

では皆様、またどこかで会いましょう。

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