14.予想外の事...実...?
また名前変えました。混乱させるようなことをしてしまい、大変申し訳無く思っております。もう名前固定するので、今後は無いと思われます。
また、投稿遅れて申し訳ありません
「ああ・・・・・・やっと解放された・・・・・・もう虫は嫌だ・・・・・・」
転移が終わり、久々に洞窟の草でつくられた寝床に横になりながら、光を灯していない目でぼやく。ダンジョンで休憩をとるときは大抵ワームの奇襲に気を張っていたので、ようやくゆっくりできる。
さすがに竜王もすぐに次の訓練には移らないだろう。てか、やる必要あるのだろうか。物凄い今さらだが、なぜ私竜王の言う"特訓"に付き合ってるんだ? あ、逆らって死にたくないからか。それに、そもそも普通の子供に王様が「よし、お前に今日から生き延びる為の術を教えてやろう。」ってなるか? ならない、絶対ならない。
しかし、竜王はやってる。むー、全く竜王の考えてることがわからん。何か嫌な予感はするけど・・・ま、いっか。とりあえずステ確認でも───
『おーい・・・・・・ゆうちゃーん・・・・・・ちょっとお話いいかい・・・・・・?』
───久しぶりに───
『聞いてるんでしょ? 話あるからちょいと聞いてよー・・・・・・』
───出来ねえ。
『もう、うるさいなあ。何の話? んで何で小声?』
『あっちの方に聞かれたらまずいからに決まってるでしょ。話ってのはなぜ竜王様が次代竜王のドラゴンにしか行わない修行をあんたがしているのかよ。』
『え、そうなの?』
『・・・・・・まさか知らなかったの?』
『いえーす』
『『・・・・・・』』
『ちくせう、あの竜王め・・・・・・恨むぞ私は』
『馬鹿! 竜王様と言いなさい! 竜王様はこの大陸最強のお方なのよ!? しかも噂ではあの魔王よりも強いとか言われてんのよ!?』
『まじかよ』
確かに物凄く強いんだろうとは思っていたけれど、そこまでとは。この大陸がどれくらい大きくて、魔王がどれくらい強いのか知らんけど、珍しく奈緒が真面目な表情をしているので本当らしい。
そういえばドラゴンに転生してから同じドラゴンの表情がわかるようになった。流石に虫は無理だけど。わかりたくもないけど。虫・・・・・・ダンジョン・・・・・・ワーム地獄・・・・・・ウッ頭が。
まあトラウマはおいといて。
『私・・・・・・竜王なんの? 普通に生きたいんだけど。のんびーり過ごしたいんだけども。そんな面倒なことこちらから願い下げなんですけれども』
『諦めよ。さすれば楽になる』
『だが断る』
『そうは言ってもドラゴンになって時点で何かやらかすでしょ、ゆうちゃんは。未だどドジっぷりは健在でしょ、どうせ』
『そのドジのせいでここにいます』
『さすが"ドジで学校を制した女"』
『う"。その事件はあまり思い出させないで・・・・・・』
『心配すんな、あの事件を忘れられる人は同じ学校にいないから』
事件とは、中二の頃ついうっかりである不良グループのリーダーをバットで倒してしまい、なぜかその不良グループの新リーダーに「俺よりお前の方が強いんだからお前がなれ」とか言う理由で私がなり、しょっちゅう不良が学校に来たのだ。しかも私のことをリーダー、リーダーと言うからお陰さまで変なアダ名までつく始末・・・・・・
オーマイゴット。私が何をしたというのでしょうか。あ、不良のリーダーを殴り倒したことですかそうですか。
『あ"ー、あ"ー。そんなことよりも私は寝る。もう寝るぞ』
『はいはいそうですか。ごゆっくり』
心地よい草で作られた寝床に丸くなる。ふと外の景色を見てみると日は傾き、空や雲は朱色に染められつつあった。
体全体に広がる深い眠りの波にただただ溺れていくのであった───。
◆ ◆ ◆ ◆
気が付くと私は白い空間にいた。見覚えが無いはずなのに、真っ白いだけなのになぜか自分が一度ここに訪れたことがあると私の何かが訴えていた。
「ホッホッホ、予想よりもここに戻ってくるのが早かったのう」
どこからともなく声が聞こえた。口調に反して声は幼げのある女の子のようなものだった。声の主を探すが、いくら探しても見つからなかった。
「・・・・・・誰?」
「わしはお主と一度会ったことはあるんじゃがのう。まあ、まどろみの中での事じゃし、覚えていないのは無理もないかの」
バッと後ろに振り向くと、そこには少女が立っていた。巫女服のような衣装を身にまとい、美しいその金髪をうなじの辺りで結んでいた。
「改めて初めまして。わしはこの世界のうーん、なんと言うべきか・・・・・・そうじゃのう、管理者───神と言われている者じゃ。ちなみにお主の魂をここに連れてきたのはわしじゃ」
「神様ねえ・・・・・・」
何かこいつはろくでもない奴だと勘が告げている。というか、ロリBBAだろう、絶対。
「いかにも胡散臭そうと思っている反応じゃのう。ならば何か三つまでお主の疑問に答えてやろう」
「んじゃ遠慮なく。まず一つ目、何で私みたいな普通のJKが転生、しかも記憶を持ったまま異世界に転生したの?」
「それはのう・・・・・・お主の住んでいた世界の神と博打をする際、わしが勝ったら一つ魂を貰うと約束したのじゃ。結果、見事勝ったわしはお主の魂を貰うことにしたのじゃ」
「その心は?」
「お主みたいなドジで不良のボスになったり、トラックに轢かれて死んだり、巻き込まれ体質の輩を、もしも全く違うわしの世界で記憶持ったまま転生させたら面白いからに決まっておるからじゃ。現に今もわしを楽しませてもらってるからのう。特にダンジョンでの狂ったように奇声を上げながらワームを喰い殺していたのは見物じゃったのう」
「ああ、あれか・・・・・・次の質問、何故にドラゴンに転生させたんですか」
「その方がやらかしそうだと思った。反省も後悔もしていないのじゃ」
「とりあえず十発殴らせろください」
「嫌じゃ。というよりわしは神なんだから敬語を使うべきなのじゃ」
「アーハイハイソウデスネーカミサマニハケイゴノホウガイイデスネー」
「露骨な棒読みじゃのう・・・・・・」
「棒読みの何が悪い。最後の質問、ステータスって? あれ、多分だけど普通は無いでものでしょ?」
「ステータス? ああ、あれはお主の状態を表に表しているのじゃ。お主は別世界の者だったことも合わせて、げーむとやらを参考にしておる。しかしそんなもの見ずとも魔力や体力は大体わかるがの」
「え、そうなの?」
「お主は疲れていたり、怪我をしていたり、だるいのもわからんのか?」
「いや、わかりますけれど」
「それと一緒じゃ。魔力とは気力でもあり、微々たるものだが世界に干渉する力じゃ。体力はそのままじゃな、生命力じゃ」
「ほへぇ」
「それにお主が望むならばもっと分かりやすい表記にしてもかまわないのじゃぞ?」
「是非ともお願いします」
分かりやすいに越したことは無いよね! ね!
「恐ろしい程の即答じゃのう・・・・・・ああ、そうそう。本来お主に施す筈のいわゆるボーナスをついでにやろう」
「そんなに優遇しちゃって神さま大丈夫なの? しかもただの一個人に」
「これくらい構わぬ。意外と神と言うのは暇なんじゃよ。暇潰しじゃ、暇潰し。わしはお主が人間を救うとか、世界を滅ぼすとかはどうでもいいのじゃ。ただわしを楽しませてくれればのう」
「ふーん、まあありがたくいただきますけどね。せいぜい私の人生をおかずに飯を食っていてくださりやがれ」
「ホッホッ、そうさせて貰うかのう。・・・・・・さて、そろそろお別れじゃな。来るべき日まで達者でのう」
その声をきっかけに、私の意識はまた、だんだん遠のいていった。
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ちょっと数字にビビってますが気後れせず書いていきたいと思います。
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