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不幸な少年の異世界ライフ  作者: べにいろ
1章 冒険者編
7/57

7話

学生(高校生)は受験シーズンが一番きつい


7話


“ブォン!!”

「おい、こら!じじぃ!!危ねえな!!?あれ、当たったら即死じゃねえか!?」

こう話している間にも俺の頭上を剣が何度も通過している…

「ふん、回避だけは立派じゃのう!!」

そう言って、ドワーフの老人がウェルに何度も斬りかかる。

「ちっ!こんなんじゃ埒が明かない!!」

そもそもなんでこんなことになったんだ!?


―遡ること

俺がアーラ商会を出て、紹介された『メルク鍛冶』に向かっていたちょうどその時、俺はフードをかぶった人とぶつかった。

そのフードの人はすぐに謝りもしないで去って行ったが、その場に1本の剣が落ちていたので、拾ったところ、

「おい、小僧!!貴様が盗人か!!?」

「は?」

そこには、白髪で白い髭のドワーフがいた。

てか、このじいさん何て言った?

「すみません。何のことでしょうか?」

「ふん!白々しいの、その剣はワシの店の剣じゃ!!証拠はあるぞ盗人め!!」

あぁ、さっきの人はこの剣を盗んで逃げてたのか…

「いや、それ人違いですって。さっきフード姿の人がこれ落としていったんですよ」

「自分の罪を他人になすりつけるとはこの外道めが!!この手で成敗してくれるわ!」


そこで最初にもどるのだが――

ほんとに俺って不幸だよなー

でもホントこのじじぃどうすっかな?

とりあえず誤解を解くために無力化か…

「おい、じじぃ…悪く思うなよ?」

「何を、いっ!!?」

じいさんが振りかぶった所を、縮地法で距離を詰め、手刀で首に突きつけた

「とりあえず、俺の話聞けよ?な?」

じいさん、自分の状況が分かったのか、首を何度も縦に振る


「ふむ、つまりお主はフードの奴にぶつかって、落としていった剣を拾っただけだと?」

「ええ、信じられないなら証拠はありますよ?

どう見てもあのフードの人は、僕より年上でしょ?身長が160cmくらいはありましたよ?僕なんて140cmくらいですよ?」

「言われてみれば、確かにそうじゃの…ふむ、まぁこの剣が帰ってきただけでも良しとするか」

「とりあえず、誤解が解けたようでなによりです」

「しかし、お主は強いの?一応ワシはランクCはあるんじゃぞ?」

まじか、このじいさん想像してたより強かったのか?

「ま、まぁ鍛えてますから」

「この歳でその強さじゃと将来が楽しみじゃの!」

ガハハって笑ってるけど、一応ここ道の真ん中だぞ?さっさと避けるかなんかしろよ?

「ふむ、お主これからどこに行くのじゃ?」

「ああ、僕は今武器を買いに行ってる途中でしたね」

「ふむ、お主ちょいっとワシの店に来い。お詫びと剣のお礼をしたい」

「それは…わかりました」

さすがに断れないよな…それに断ってもこのじいさん無理にでもつれていこうとするよな。

「ふむ、ではついてこい」


歩くこと20分弱、そこには、

「え?『メルク鍛冶』?」

「そうじゃ、ワシはメルク・ナ―ド、ここの頭やっておる」

え?このじいさんがメルク鍛冶の頭?

「えっと、マジですか?」

「がはは!ホントじゃよ!!なに安心せい、お主の実力はさっきので分かった。

ワシの打った武器でも十分扱えるじゃろう」

ははは…明日は槍でもふんのか?俺が今運が良いって思ってるのは、何かの前兆か?

「とりあえず、中に入れ。お主に渡す武器を持ってこよう」

「えっと…分かりました。ありがとうございます」


「よっこらせと」

じいさんがカウンターの奥から布に包まれた何かを持ってきて、カウンターに置くと

“ドスン”

置いただけでこの音って…どんだけ重いんだ?

「これはの、ワシが人生の中で一番の武器であり、一番の失敗作じゃ…」

「それって、どういう…?」

失敗作を人に渡すって?

「これはの、まず『黒龍の鱗』『ヒヒイロカネ』『死獣の牙』『オリハルコン』と材料にしていてな、鱗はまず鞘に使い、付加効果が≪呪い耐性≫、芯には牙とオリハルコンを混ぜてなそれだけで重さが10倍、最後にヒヒイロカネじゃが、刃に使ったんじゃが、芯と鞘に反応して呪いが付いてしまっての、この武器は持主を武器が選ぶ呪いがついておる…」

まず、材料が凄いな…しかも普通は鉱石と魔物とかの素材の合成は不可能に近いって、本で読んだぞ?それをしたって…

「とりあえず、見せてもらってもいいですか?」

これだけ、凄いんだ…なんとしても選ばれたいよな?

しかも、この武器…今じいさんが言った効果以外にも付いてるな。

根拠はない、直感なんだが妙に感じるんだ…

「ふむ」

じいさんが布を取るとそこには1振りの美しい刀があった…

って刀?

鞘は黒く柄も黒い全部が黒だが、そこからは力を感じて少しだが寂しくも見える…

「美しい…」

「ふむ、これは『刀』と言っての東の果てにある『和』という国の武器じゃ」

『和』か…本で読んで得た知識の中で俺が一番行きたい国だな…

なにせ文化が日本の戦国に近く、皆、着物をきていて、国の中に将軍はいるが、各地の支配者が領地を国に無断で作っている。

領地の取り合いでの戦争もあるみたいだ。

それよりも、刀に触れたい…持ってみたい、振りたいな。

「持ってみても?」

「ああ、ただし持てるならじゃが…」

「では、!!重っ!!?」

まじで重い…これ何キロあるんだ?

「ぐぬぬ…、負けてたまるか!!俺の物になれ!!」

そう言って、俺は全身に魔力を行きわたらせ、気功を使って身体を強化していく。

「な、なんと、なんじゃこの馬鹿デカイ魔力は!!?店の≪魔剣≫が全部反応しておるじゃと!?」

まだまだ!!俺は全身にかけていた身体強化を少しずつ出力を上げていき、腕だけに集中させていた。

そして、

「な、なんと…この刀が認めたじゃと!?」

「ふう、おっ!?これ認められたら重さが軽くなったな!

おい、じじぃこいつは、いや『黒姫』は俺がもらうぜ?」

「がはは!!まったくお主には急な性格の変化といい、馬鹿げた魔力といい、驚かされてばかりじゃの!!」

「気にすんな、ただテンションが上がってるだけだよ」

「そうか、ふむ…お主、名は?」

「ああ、俺はウェル・アルバート。ランク()の冒険者だ!!」

「は?ランクGじゃと?」

「ああ、なんなら見るか?」

「いや、別に疑ってはおらんぞ?ただ、ランクと強さが比例しておらんのは…?む!

ガハハハハハ!!なるほどのぉ!!これはホントに将来が楽しみじゃ!!」

「おい、じじぃ…1人で上がるのはいいがまだ返事をもらってねぇぞ?」

「ふむ!!よいぞ!!それはそもそも、主を選んでおるのでもうお主のじゃぞ」

「そうか、じゃあ『黒姫』はもらっていくぞ」

「む、もう行くのか?」

「ん、ああ…さすがに宿を探さねえと、もう暗いしな…」

「ふむ、ならこの店の3件右となりの宿がオススメじゃな…それと明日もう1回ここに来い。防具も用意しておこう」

「あぁ、じじぃ…色々世話なったな。これからも宜しく頼むぜ?」

「あぁ、いつでも来い…整備はタダでしてやろう」

「あんがとな!じゃあまた!!」

「ふむ」

いい、じいさんだったな…


お読みいただきありがとうございます!!

なにかしらご指摘があればコメントお願いいたします‼

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