54話
どうもです。
54話
「で、夕?いやウェルか?」
「何だ?」
「今どこ向かってんの?」
「ん?そりゃ、地下の迷宮だ。」
朝食も食べ、一通り龍と春に説明をした後、俺は事前にアンヘルとヴァレンに聞いていた、城の地下にある『試練の神の迷宮』に向かっている。
「おいおい、そこは確かランクSSS指定だよな?」
「そうだが?大丈夫だ。それに龍たちも最低でもSSはあるんだろう?」
「それは私たちの場合はある状況でそうなるんだよ?」
「春。それって一体?」
「私たちにはそれぞれ神がくれた『聖器』があって、それを使う事でランクが上昇するの。」
む?それじゃあ、この状態じゃある意味弱いのか?
「でも、それなしでもランクS下位はあるんだろ?」
「まぁな。でも、それ無しじゃ正直キツイぞ?澪はどうにかなりそうだがな…」
「澪。ランクは?」
「私のランクは素でS上位。『聖器』でSSS下位だな。」
「ふーん。『聖器』での強化はぞれぞれ度合いが違うんだな?」
「あぁ、でだ…俺たち勇者で一番強化されるのは藜でS下位がSSS上位まで上がる…」
「何であいつが?」
「神官曰く、ある神に愛されてますね。だとよ…」
あいつがか?まぁ、どうせそれでも俺には勝てないだろうけどな。
「分かった。じゃあ予定変更で、最深層の5層へは俺とアンヘル、ヴァレンだけで行くから…それまではお前らのレベル上げで良いだろ。」
それにこいつ等一応『ハイヒューマン』だろうしな?
「「「了解」」」
「じゃー行くか!」
――――1層
「フン!!っち!龍そっちにゴブキン行った。」
ウェルが『崩拳』をゴブリンキング一体に放ち殺すが、もう一体が抜ける。
「あいよっと!!」
龍が腰に差してる聖器『龍刀・大和』でゴブリンキングの頭を刎ねる。
「すげ、もうレベル30だぜ?たったの5回の戦闘で3上がった。」
「む、こっちはレベル63だ。2上がったな。」
「私の方は27だよ。4上がったよ?にしてもウェルさん凄いね!?ランクBの上位でAのゴブリンキングを拳でヤルなんて!!」
「ん?こんなの簡単だろ?それにランクが実力とは限らんぞ?」
「じゃの。実際ウェルは妾を低ランクで倒したしの?」
「だな。主はランクに縛られてないんだな?」
「たく、話しよりも早く進むぞ?じゃねぇと昼までに出れないぞ?」
2層ではゴブリンエンペラーやリザードマンキングが。
ゴブエン×5体
リザマンキン×25体
3層ではリザードマンエンペラー『S上位』にリザードキング『SS下位』が。
リザエン×3体
リザキン×5体
4層では各エンペラーが。
ゴブエン×5体
リザマンエン×3体
リザエン『SSS下位』×1体
ウェルB レベル49
ヴァレンX レベル???
アンヘルX レベル???
澪S レベル70
龍S レベル46
春S レベル35
「ふー…で、俺たちはここで待機か?」
今居るのは5層の部屋の前。
「それで頼む。」
「ウェル。気をつけて行くんだぞ?」
「あぁ、澪も変な気起こすなよ?」
「ウェルさん。澪さんは私がちゃんと見てますから!」
「こら、それじゃ私が問題児みたいじゃないか!」
「え、そうじゃないのか?」
「はい、立派な問題児ですよね?」
「だな、澪はウェルの事になったら暴走するからな?」
「なな、何を!!あ、こらウェル!まだ話は終わってないぞ!!?」
「じゃ、行ってくる。話しは終わってな?」
これ、フラグになんないよな?」
中に入ると情報通り玉座がある。
「これから情報通りなら、玉座からランダムで『今までの魔物のオリジンシリーズ』が出て来るんだが…」
「む?主…神の気配がする。」
「じゃの?でも善神のほうじゃの。」
『やぁやぁ!!むむ!!アンヘルではないか?それに竜神の所の原始龍かい?』
そこには、透き通った声でやけに愉快そうに喋るガキが突然姿を現した。
「お前誰だ?」
『僕かい?僕は試練の神さ!君の試練を僕が特別に出しに来たのさ。』
「ふーん…で、俺にどんな試練を与える?っと、アンヘルにヴァレン。不機嫌になるのは良いが、勝手に乱入するなよ?」
『何言ってるのさ?ほら『転移』』
「おわ!」
「ふぁ!!?」
「何だ!」
「な…」
そこには、澪たちが居た。
「おい、お前は俺の敵になるんだな…?」
『いやいや、この子たちにも特別に試練を受けさせようと思ってね?安心したまえ。この子たちのは『死』の無い世界でするから。』
「なら良いが、さっさと始めようか?」
『そうだね?では『界転移』!!』
「ここは?」
『さて、ウェル・アルバート君。君たちの受ける試練の説明をしようか?
まず、君は10傑雄って知ってるかい?』
「あぁ、この世界の最強の10人だろ?」
『そうさ。
1傑『英雄王 信長』行方不明
2傑『暗黒王 アビス』現魔王
3傑『古竜王 バロン』現竜王
4傑『孤独王 ソラ』現武王
5傑『聖獣王 ウル』現獣王
6傑『始森王 ヘラノア』現エルフ王
7傑『死霊王 スカル』現骸骨王
8傑『暴竜王 バハムート』侵域迷宮(魔物が作った迷宮)の主
9傑『悪魔王 サタン』地獄迷宮都市(魔物が作った迷宮を独占した所)の王
10傑『魔法王 ルドルフ』現魔法王
これが、現10傑。前の10傑はまだちゃんと生きていて、今、ぞれぞれが隠居したり旅をしてるね。前々代以降はほとんど死んでるよ。』
「それを聞かせてどうする?意味あるのか?」
『そこが重要さ。勇者たちにはそれぞれ僕が生みだした英雄王に孤独王、魔法王の幻影で稽古をつけてる所さ。
原始龍には古竜王を。アンヘルには、前10傑の1人『狂獣王 バビロン』と戦ってもらう。そして君だよ。君には英雄王と戦ってもらう。』
「なに?何で、俺たちがそれぞれ10傑なんかと…それよりも、他の奴らは無事なのか?」
『まぁ、大丈夫さ!!一応死なない世界だからね?で、君の場合何だがね?君の試練クリアの条件は英雄王と死合いをして死ななかったクリアでどうだい?』
「イエス。しかないんだろう?」
『まぁ、そうだね?じゃ、始めようか?ちなみの英雄王は神の最上位は無理だったけど、上位神までは簡単に殺せてたからね?まぁ頑張って!』
その瞬間、試練の神は消えその代わりに刀に袴姿の金髪の青年が居た…
こいつ、信長って言ったから、織田信長を思い浮かべたが、まったく無関係だよな?
「ほう…貴様が我が敵か?」
「らしいな?で、あんたが英雄王か?」
「いかにも、ふむ…そちじゃ我はヤレぬの…それどころかまだひよっ子の『至人間』じゃの?」
「死ね…」
ウェルが一瞬で間合いを詰め、『黒姫』で斬りかかる。が、
「遅いの?」
次の瞬間、ウェルの左の肘から先が無くなっていた…
お読みいただきありがとうございます♪(o・ω・)ノ))
信長さんは一体何者でしょうか?




