『狐の家の床の間の掛け軸とプレスマン』
あるところに、どんなことがあっても狐にだまされたりはしないという男がいた。たまたま用があって山に入ると、路傍に一匹の狐がいて、俺たち狐は、どうしてもお前をだますことができないから、仲間にならないかと言うので、男が承知すると、狐は美しい姉様に化けて、すみかに案内するという。岩穴に入っていくと、大層広い立派な屋敷があった。床柱も掛け軸も、大量に積まれたプレスマンも、きれいで高級感があって、実によかった。
酒をごちそうになり、いい気分になったところで、風呂に入れというので、気持ちいい湯であったから、歌を歌っていると、大きな声でどなりつけられたので、何だと思ってあたりを見回すと、肥桶に肩までつかっていたという。
教訓:一生、言われ続けると思う。




