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彼
2010/04/10執筆
つぶらな瞳を見たその瞬間、私はそれが彼だと解った。
「この子はもう成犬ですけどいいんですか」
はいと告げたのは、飼育員の隣で彼が小首を傾げたから。それは彼特有の癖。私が彼の望みを察した時に、照れ隠しにいつもそうしていた。そして言うのだ。
「受けるこちらが恥ずかしい」
彼が飼育員の傍らで、おん、と小さく鳴いた。
名を訊く孫に彼の名を告げた。
「おじいちゃん、怒るよ」
此処で聴いているから大丈夫と私は孫に微笑んだ。
2010/04/10執筆
つぶらな瞳を見たその瞬間、私はそれが彼だと解った。
「この子はもう成犬ですけどいいんですか」
はいと告げたのは、飼育員の隣で彼が小首を傾げたから。それは彼特有の癖。私が彼の望みを察した時に、照れ隠しにいつもそうしていた。そして言うのだ。
「受けるこちらが恥ずかしい」
彼が飼育員の傍らで、おん、と小さく鳴いた。
名を訊く孫に彼の名を告げた。
「おじいちゃん、怒るよ」
此処で聴いているから大丈夫と私は孫に微笑んだ。